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INTERVIEW

Japanese

ぐるたみん

2016年09月号掲載

ぐるたみん

Interviewer:秦 理絵

-バラードがリード曲なので、少し意外な感じがしました。

僕も自分で驚いてます(笑)。この曲は4月14日に起こった熊本地震に向けて作ったんですよ。すごく悲しいなと思って。地震自体も悲しい出来事なんですけど、"不謹慎"っていう言葉が並んだりしたじゃないですか。それが悲しいなって。本当にみんな熊本のことを考えてるのかな? と思ったんです。それで、"もっとみんなで手を繋ごうよ"っていうメッセージを込めた曲を作りたいと思ったんです。

-あのときは善意すら不謹慎って言われる風潮がありましたよね。歌詞では直接そこまで歌ってるわけじゃないけど、想いとしてはそういう悲しみがあったと。

僕は道徳心みたいなのが結構好きなんです。ルールとかマナーとかじゃなくて、みんなにモラルを持ってほしいなって思うことがあって。例えば、赤信号の向こう側に人が倒れてたら、赤信号を待つかどうか、みたいな。今の社会って、そこで赤信号を渡ったら、"ちゃんと周りを見てから渡れよ"みたいなことを言われたりする社会だと思うんです。それが悲しくてしょうがないんです。

-それも昔の自分だったらこういう曲は作ろうとは思わなかった?

そうですね。思わなかったですし、それがリード曲になるっていう感覚を持ってなかったですね。要は"アーティスト"って、イメージを作っている方が正しいと思ってたんですよ。でも、今は自分を出してる。それが微妙な違いですね。

-いや、それは微妙ではないと思います。アーティストのスタンスとして絶対的に違うものだから、そこからできる曲も変わってきますよね?

そうなんですよ。今回のアルバムは去年の8月ぐらいから作り始めたので、1年かけてようやく完成したんですけど、1年あれば人は変わりますよね。「Yell for」ができあがってくる途中で意識も変わったし。『GRACE』自体はアーティスト感が強い作品になってるんですけど、今はもっと自分を曝け出してもいいのかなと思ってるんです。

-『GRACE』を作り始めた当初はアルバムのコンセプトはあったんですか?

最初は4月にシングルとしてリリースした"GIANT KILLING"をアルバムのタイトルにしたいっていう構想があって作り始めました。

-「GIANT KILLING」(Track.2)は戦うべき相手を"モンスター"に喩えて、今後新たなフィールドで戦っていくぐるたみんの決意を表すような曲ですよね。

そう。だからそっち路線の曲がある中で、あとはニコニコ動画出身らしくストーリー性のある曲を作っていこうかなと思ったんですけど......。結局、「GIANT KILLING」がシングルになったので、「Yell for」ができていく中でアルバムのコンセプトを探りながら作っていった感じです。まず1曲目に自分の中ではSEみたいな気持ちで「GRACE PLACE」っていうインスト曲を持ってきてアルバムの始まりを告げて、「GIANT KILLING」に繋げるような感じで。

-ストーリー性っていう言葉もありますけど、1曲1曲とてもユニークな世界観があるのが面白くて、「シュリセルドラッへ」(Track.8)とか惹き込まれました。

この曲がすべての物語の基盤になっていて、そこからアルバムに入ってる他の曲がどんどん派生していくようなイメージなんです。僕の中では台本があるんですね。あんまり話してしまうと、アルバムを聴くのが面白くなくなっちゃうんですけど......。

-台本の中身と言うより、この構想の意味を教えてください。「シュリセルドラッへ」は"モンスターの背中の鍵穴は6つ"と出てきたりして、なんとくRPGっぽい曲ですよね。

ファンタジーみたいな6つの鍵のストーリーの歌なんです。"シュリセル"が"鍵"で、"ドラッヘ"が"ドラゴン"っていう意味のドイツ語なんですけど。それといろんな曲が繋がっていくんです。できれば動画を作りたかったんですよね。鍵のマークが6つあって、それを全部埋め込んでいくような。そこで実はこの曲とこの曲が繋がってました、みたいに見せたくて曲を作っていったんですけど、企画倒れになっちゃいました......。

-ちなみに、どの曲とどの曲が繋がってるかは言えますか?

「未来note App」(Track.10)と「飛行少女と僕」(Track.5)は繋がってるんです。

-曲だけを聴くと、あんまり繋がりは感じない曲ですけど......。

そうですよね。だから、そこらへんはもう僕の趣味の範囲ですね(笑)。

-発想としては、ぐるたみんさんはシンガー・ソングライターとして曲だけを作るよりも、もう少し踏み込んだコンテンツを作っていきたいという感じですね。

そうですね。単純なミュージシャンではないと思いますね。曲も絵コンテから作ってるんですよ。デモの段階から、ピアノとドラムとかも入れてアレンジまでやるんですけど。結構"絵コンテいらないです"とか言われて。ミュージック・ビデオの絵コンテみたいに動画を作ってるんです。こういう取材のときにも絵コンテを見せたいなと思ってるんですけど、スタッフにはダメって言われるんですよ(笑)。