Japanese
ぐるたみん
2016年09月号掲載
Interviewer:秦 理絵
夢を見つけたら、あとはそこに向けて頑張るだけ
人生の目標地点にやっと辿り着いたので、今からがスタートです
-今回のアルバム『GRACE』を聴かせてもらうと、そのルーツにはロックがあるのかなと感じますけど、影響を受けたアーティストはいますか?
ロックは中学生や高校生のときに聴いてました。特定のアーティストを聴くというよりも、ベスト盤を聴くことが多いんですよね。良い曲をたくさん聴きたかったから、ベスト盤ばっかりレンタルしてました。でも、TSUTAYAは車じゃないと行けないくらい家から遠くて、1ヶ月に一度、妹と一緒に親に連れていってもらってたんです。ひとり4,000円までカゴいっぱいにCDを入れて帰ってくるっていう(笑)。それも何が良いのかわからないから全部ランキングに入っていたアーティストを選んでいました。
-そういう聴き方をしてると、結果的に時代に愛されている曲を、しかもジャンル関係なく聴くっていう土壌が育っていきますよね。
そうなんですよね。だから、マニアックではないと思います。
-聴いていたのは洋楽ですか? 邦楽ですか?
どちらも借りてはいたんですけど、主に邦楽を聴いてましたね。洋楽もベスト盤で借りてましたけど、結局聴くのはCMソングぐらいで。僕が音楽を聴く目的としては、カラオケが好きなので、そこでヒット・ソングを歌うと盛り上がるのが嬉しかったんです。
-みんなで歌えるようなJ-ROCKが好きだった?
J-ROCKは大好きです。今も日本のロック・バンドをよく聴きますよ。[Alexandros]とか。最近はBLUE ENCOUNT、フレデリック、キュウソネコカミが好きです。
-今のロック・フェスの主役になるようなバンドですね。
フェスはあまり行ったことないんですけどね。小学生のときに初めて行ったのがジャズ・フェスなんですよ。子供には超つまらなくて(笑)。"アンパンマン・マーチまだ?"みたいな。だから昔はライヴもあんまり好きじゃなかったんですけど、いろんなライヴに行くようになって、楽しいなって思うようになりました。
-これまで『EXIT TUNES PRESENTS ぐ ~そんなふいんきで歌ってみた~』(2011年リリースの1stアルバム)を始め、3枚のオリジナル・アルバムではボカロ曲を中心とした作品でしたけど、いつかは今回のようなすべて自分で作詞作曲をするアルバムを作りたいという想いがあったんですか?
作ってるときは夢中でやってましたけどね。ベストを含めてアルバムを4枚出して、今度は自分のオリジナル曲をもっと作りたくて、前の事務所を辞めたんです。でもたぶん......ずっとやりたかったことなのかな。漠然と夢として自分の中にあったものだと思います。よく自分は"夢は口に出せ"って言うんですけど、夢を見つけることもすごく難しいことですよね。だから夢を見つけたら、そこに向けて頑張るだけ。人生の目標地点にやっと辿り着いたので、今からがスタートだと思ってますね。
-今年4月にリリースしたシングル『GIANT KILLING』でUNIVERSAL MUSIC内に新たに発足したレーベル"UNIVERSAL-W"からメジャー・デビューしましたけど、アーティスト写真もイラストではなく、ご本人の写真が使われてますよね。
これはスタッフともいろいろと話したんですけど、やっぱりロック・シーンに向けて音楽を発信していきたいと思ったから、存在が見える方がいいと思ったんです。リアリティがありますよね。昔はもっと空想できるような、妄想の世界の人物を作り上げる意識の方が強かったんですけど、それはシーンが違うので、ロック・シーンでやるからにはリアリティを出していこうという話ですね。だから、さっき父親のことも話しましたけど、そういうのも含めて今までは自分のことは話さなかったんです。
-自分のことを話さないことにもどかしさはありませんでしたか?
うーん......もどかしいっていうか、自分の中で割り切ってるから、それに対しては何とも思ってなかったですね。"自分"という部分は言わない方が、ネットの世界ではうまくいってたんです。だから納得してやってたし。でも、怖かったっていうのは大きかったと思います。一度自分を出したら......。
-あとには引けないですもんね。
そうなんです。だから、今も怖さはあります。でも、もっともっと出していった方が音楽が伝わると思うんです。今回のアルバムでリード曲になった「Yell for」(Track.4)は、自分の意志をそのまま聴いてほしいと思って突発的に作った曲なんですね。
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