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INTERVIEW

Japanese

アマリリス

2016年08月号掲載

アマリリス

Member:二本柳 亮(Vo/Gt) 町田 千尋(Gt) 東雲 梓司(Ba) 佐々木 徹(Dr)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

横浜発の4ピース・バンド、アマリリス。2014年2月に活動開始した当初はスタンダードなギター・ロック・サウンドが特色だっただけに、TOWER RECORDS新宿店、ライヴ会場、通販限定でリリースの1st EP『Entertainment』を初めて聴いたときは驚いた。ブラスやシンセサイザーなどサポートを迎えて奏でられる全4曲は実に多彩なのだ。ということで、その真意を探るべく、今回Skream!ではメンバー4人に初インタビューを敢行。大胆な変化に踏み切ったのかと思っていたが、むしろその逆。枠にとらわれない自由な表現には、このバンドの曲がらない本質が表れていた。

-アマリリスはどういう経緯で結成したバンドなんですか?

二本柳:高校2年生の終わりぐらいに"この先どうしようか"という話をしていたときに、僕と(町田)千尋が中心になって結成しました。当時はベースとドラムが別のメンバーだったんですけど、ベースがいなくなったときに軽音楽部の先輩(東雲)に入ってもらいました。ドラムに関しては、前のドラムが辞めるときに"絶対今よりバンドが良くなるようなドラマーを探してくるから"って(佐々木のことを)見つけてきてくれたんですよ。それで今の形になりました。

-"こういうバンドが組みたい"とか、そういうイメージは結成当初からあったんですか?

二本柳:いや、正直当時はなかったです。僕としては千尋と一緒に何かやったら面白いことができるんじゃないかって。イメージを持って集まったというよりはバンドを組んでからいろいろ考え始めたという感じですね。もともと、千尋はミクスチャー系のバンドをやっていて、僕はもっとパンク・ロックな曲をやるバンドをやっていたので、千尋と組んだときはどういう感じになるのかまったくわからなかったんです。でも、いざ曲を作っていったら"あれ? 結構こういうの好きだな"と思って。それからしっかりギター・ロックをやってみようと思うようになりました。今は思ったことを素直に形にするようにしていますね。

-そして2014年9月に本格的に活動を開始。それから約1年半後となる2016年3月19日には、下北沢MOSAiCで初のワンマン・ライヴがありました。このときは管楽器やダンサーなどのサポート・メンバーを迎えた大編成でライヴをしたんですよね?

二本柳:はい。そのだいたいが高校当時の僕の友達でした。仲の良かった友達でも卒業後は進路が別だったのでバラバラになっちゃったんですけど、高校で出会った友達と一緒に仕事をしていきたいという思いがずっとあって、当時から"頑張ってバンドやるからそのときは出てね"って伝えていたんです。それができるときって今なんじゃないかなと思って、"一緒にやろうよ"って声を掛けたんです。例えば、もう解散しちゃったけど、ずっとライバルとしてやってきたアオイズムのヴォーカルを呼んで1曲デュエットをしたりして。そうやって声を掛けたらなんやかんやで大所帯になっちゃって(笑)。トータルで8人ステージに乗っていたよね。

東雲:ステージ上が大変なことになってた(笑)。

-そうやっていろいろな人との約束が果たされた場だったんですね。4人編成のアマリリスの音しか知らない人にとってはやっぱりギャップも大きかったと思うんですけど、お客さんの反応はどうでした? 不安はありませんでしたか?

二本柳:もちろん見慣れていない人もいたと思いますけど、でもこれがベストなアマリリスだということはすぐに伝わったみたいで。すごく楽しい時間を過ごせたかなと思います。

佐々木:たぶんこれからも大きなライヴでは人に力を借りることもあるだろうし、それが俺らのやり方になるのかなと思ったので、そこに関しては特に心配していなかったです。

二本柳:アマリリスはこの4人がレギュラー・メンバーで、周りに助けてくれるみんながいるっていう感覚なんですよ。そうやって大きなチームを作りたいというか、この4人にこだわることだけが正解じゃないと思っていて。基本的に看板を背負うのが僕ら4人であればいい、それを盛り上げてくれる人は何人いてもいいじゃん、って。むしろ、初めて来ていただいたお客さんがいたとして、初めて観たアマリリスが大編成だとしたら、そんな良いことってこれ以上ないと思います。

-バンドを作っているのは自分たちだけじゃないという考え方は最初からあったんですか?

二本柳:高校のときの軽音楽部がフリー・バンド制で誰とでもバンドを組めたんですよ。そうやっていろいろな人と音楽を一緒にすることができる環境にずっといたから(サポートを入れることにも)抵抗がないんですよね。

東雲:僕もヴォーカルと同じ部活にいたので同じ感覚です。

町田:僕は高校時代、ギターを弾きながらラップをやってて、別のバンドのところに行ってその場を盛り上げるってことをもともとしていたので。だから"楽しければウェーイ!"という感じですね(笑)。

佐々木:僕はもともと"featuring ○○"みたいにコラボした曲が結構好きだったので、バンドでも"サックスを入れたらどうなるのか"とか、いろいろ試してみたいと思えるのかもしれないですね。

二本柳:あと、僕たちを育ててくれた横浜の先輩たちって横も縦も繋がりがすごく強いんですよ。大好きな先輩バンドがいるんですけど、以前、"フィーチャリング・ワンマン"というライヴをやって、1曲ごとに違うバンドのメンバーを引っ張ってきて一緒に演奏していたんですよ。それを観て"うわ、すごいな!"って思って。それで、たくさんの仲間がいる人間になりたいし、そういうバンドをやっていきたいと思いました。