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INTERVIEW

Japanese

SUNDAYS

2016年06月号掲載

SUNDAYS

Member:冬実(Vo) 宮田 誠(Gt) aki(Ba) 渡辺 和己(Dr)

Interviewer:岡本 貴之

4枚目のミニ・アルバム『私を動かしてるもの』をリリースするSUNDAYS。前作『僕らを動かしてるものは何?』から1年を待たずに発表される今作は、ヴィジュアル、サウンド共にパンキッシュで男性的なイメージを与えた前作とは対をなすように女性をイメージした楽曲が並んでおり、ときにキュートな心情をポップに、ときに大胆不敵な独白をガレージ・サウンドに乗せて歌う5曲を、それぞれ違う主人公のストーリーで楽しめる作品となっている。今作について、ツアーを目前に控え充実した表情のメンバー全員にインタビューを行った。

-前作『僕らを動かしてるものは何?』(2015年リリースの3rdミニ・アルバム)はヴィジュアル・イメージからして変化を感じるものになっていました。今作『私を動かしてるもの』を完成させるまで、どのような気持ちで活動してきたのでしょうか?

冬実:『普通の人間』(2013年リリースの2ndミニ・アルバム)でメジャー・デビューして、自分たちのやりたいことをいろいろやらせてもらったところもあったんですけど、まだまだ課題も見えてきていて。そこで、1回振り返ってもう少し違う試みというか、違う自分たちの一面や、『普通の人間』までにやっていなかったことをやってみることになりました。それでいつもとは違うプロデューサーとして、小田和奏さん(ex-No Regret Life)を迎えて『僕らを動かしてるものは何?』を作ったんですけど、チャレンジする機会をいただいたような心境の変化はありましたね。今回のリリースへの流れで言うと、インディーズとメジャーでそれぞれ1枚ずつ出していたので、ちょっと変化をつける意味でもさらに2枚作ったらいいんじゃないかということで、前作の時点で今作の話もしていたんです。結構長くバンドをやっていることもあって、ストックしてる曲がたくさんあったんですけど、その中でもベストなものを『普通の人間』にギュッと凝縮して入れたので、"これをリリースしたい!"という曲が正直もう少なくて、前作と今作に関しては曲を全部書き下ろしました。

-前作と比べると今作はよりメロディが立っていて、サウンドも輪郭がはっきりしたものになっている印象ですが、どのような1枚にしようと考えていましたか?

冬実:単純にもっと自分たちのカラーを出して、やりたいことを純粋にやりたいと思って曲を書いてました。狙ったポイントとしては、女の子が喜んでくれる曲を書きたいというのは私の中にあったし、曲の中で決めたルールみたいなものはありました。

宮田:『僕らを動かしてるものは何?』はわりと硬派なミニ・アルバムになったんですけど、レコーディングしているときから次はどんな作品にしようかって話していて、"次作は女性目線のアルバムを作りたい"というのがふーちゃん(冬実)から出て。それはこれまでやったことのない試みだったので"いいね"と言っていました。だからそこを意識して曲を作りました。akiちゃんが作った曲、ふーちゃんが作った曲、僕が作った曲があるんですけど、女性目線というところで、自然とポップなサウンドが増えてきたんだと思います。歌詞も前よりかわいらしいものがあったり。

冬実:よりわかりやすくというのは意識してましたね。SUNDAYSって、すごくバランス感覚が大事なバンドだと思っていて。宮田君と私がずっと一緒にやってきたというところが強いと思うんですけど、『僕らを動かしてるものは何?』は男っぽい印象がすごく強い作品だと思うんですよね。私はそういうのもできるし、でも確実に自分の中に男性的な部分と女性的な部分が共存していて、そのどっちかに偏ってもいけなくて、切り取るところが間違ってもいけないから、その落としどころが難しくて。『僕らを動かしてるものは何?』は結構いかつい感じの作品になっていたので、今回はその反対側の部分を見せようという意識がありました。

-akiさんが作詞作曲を手掛けているTrack.1「ずるいよ!」はまさに女性らしさがダイレクトに伝わってくるポップな曲ですね。

aki:この曲は、自分の身近に"好きな人の1番になれない"という気持ちを持った女性が意外とたくさんいたので、そういう子たちの意見を参考にしながら、キャッチーなメロディに乗せて作りました。

-冬実さんは、5曲それぞれ違う人間になって歌うのか、それとも自分に置き換えて歌うのか、どういうタイプのヴォーカリストだと自分で思っていますか?

冬実:私は主観が強いタイプなんですけど、今回は曲を作ってきた人がバラバラということもあって、すごくバラエティに富んでるし、曲ごとに世界感も違うんですよね。だから今までは私の中にあるものをバーッと出すイメージだったけど、今回はお芝居じゃないですけど歌の中で演じるということにチャレンジしました。

-Track.2「レインブーツ」、Track.3「地下鉄に住みたいの」は一転して尖ったロック・チューンになっています。「レインブーツ」は作詞が宮田さんですが、女性目線での作詞という意味ではどんなところがこれまでと違いましたか?

宮田:今までも一人称が"私"の曲は書いたことがあるんですけど、今回は特に、女性という生き物がどんなことを言われると勇気づけられるのかをすごく考えるきっかけになりましたね。結果としてはいつもどおり、"雨に打たれても前に進んでいこう"という前向きなメッセージになったんですけど。もともとこの曲は、Iggy Popの「The Passenger」(1977年リリースの2ndアルバム『Lust For Life』収録曲)のイメージで作ったんですけど、いろんな曲が出揃った中で、サウンド・プロデューサーの小田さんとも相談しながら、こういうパワフルなUSパンクっぽいテイストも入ったようなサウンドになりました。そこは自分の中でも新しい発見で面白かったですね。

-前作からプロデューサーを務めている小田さんとはどんな話をして制作に?

冬実:私たちが曲を書いていく段階で、こんな感じの曲だということを伝えて、和奏さんがそこにいろいろとアドバイスをくれました。

宮田:前作もそうなんですけど、とにかくライヴで強い曲を作っていこうというのは大きなテーマとしてありました。そこで小田さんにコーラス・ワークや、シンガロングできる感じとか、自分たちにはないものをサウンド・プロデューサーとしてアドバイスしてもらったなと思っています。