Japanese
SUNDAYS
Skream! マガジン 2013年09月号掲載
2013.07.12 @下北沢CLUB Que
Writer 沖 さやこ
2013年1月16日にデビュー・ミニ・アルバム『終わらない旅』をTOWER RECORDS限定でリリースしたSUNDAYS。4月から3ヶ月連続で自主企画イベントを実施した彼女たちが、約半年ぶりとなるワンマンライヴを下北沢CLUB Queにて行った。SUNDAYSのエンブレムと名前が書かれた巨大なフラッグが掲げられたステージに、THE HIGH-LOWSの「日曜日よりの使者」をBGMにして宮田誠(Gt)、三上雅行(Ba)、渡辺和己(Dr)が登場。宮田がステージとフロアで“毎日が!”“日曜日!”のコール&レスポンスを求め、3人でのセッションがスタート。“今日は金曜日だけど楽しい日曜日にしていこうぜ!”と宮田が叫ぶと、ふーちゃん(Vo)が勢い良くステージに現れ、1曲目は「終わらない旅」。真っ赤な口紅が一際目を引く彼女は、舞台上をぴょんぴょん飛び回り、拳を掲げて熱唱。力強いストレートなロックンロールと歌声がたちまちフロアを巻き込んでゆく。威勢の良い宮田のギターの転がり具合が痛快な「バンドマンの友達が言うには」に続いては、“めちゃ(×)2イケてるっ!”エンディング・テーマとしてもお馴染みのゴギゲンなナンバー「Bigになりたい」。全力投球のステージに圧倒されていると新曲「アッと言わしたい」。これまでにないくらいの爆裂ロック・チューンで、宮田は更に熱いギターを繰り出し、三上もキラキラの笑顔で骨太のリズムを生む。渡辺のドラムはドキドキを増幅させるように直接心臓を刺激。そんなサウンドに埋もれないふーちゃんの芯のある歌声は太陽のように絶対的だ。
“恋に悩むみんなに贈るブルースをやるせ”と「始まったばかりの2人」。キャッチーな部分とハードな部分のコントラストが泥臭くも美しい。フロアからはクラップとシンガロングが起こり、たちまちハッピー・ムードに包まれる。新曲「Let's Go Baby」を挟み“大事な大事な曲なんだよ!”とふーちゃんが叫び「クローバー」。“19歳のときにわたしと宮田で作った曲なんだよ、青臭い曲でしょ?”と彼女は笑う。優しくあたたかい音色に、大きな拍手が湧いた。ここで第1部終了ということで、宮田がアコギを、渡辺がカホンを構えアコースティック編成に。「春風ロマンス」「明日の約束」と、バンドのあたたかさをまた違った手法で表現する。すると“アコースティックでどうしてもやってみたいと思っていた曲がある”とふーちゃん。“わたしたちはまだ音楽だけで食べていくのが厳しいのでアルバイトをしながらお金を稼いでいる”“バイト先でいつもこの曲が流れていて、聴きながら涙が出て。わたしの人生大丈夫かなぁ!?って思いながら(笑)!”“だけどこの曲にわたしはすっごく共鳴したから”と美空ひばりの「愛燦燦」を披露。歌っている間もボロボロ涙を流す彼女。だが笑顔は絶やさなかった。言葉とメロディをひとつひとつ大事に歌うその姿に、涙腺が緩む。
じっくり聴かせるロック・ナンバー「君が教えてくれた」。宮田とふーちゃんが音に身を投じ衝動的に体を動かしたとき、汗のしぶきがライトに反射。その一瞬の風景に見とれた。きっとこのバンドは、バンドを取り巻く様々な問題全てに、真っ向から立ち向かっているんだろう。笑顔で今を歌い、未来を歌い、夢と現実を歌う――そんな熱量がこめられた全力のパフォーマンス。フロアとステージの“毎日が”“日曜日”のコール&レスポンスもどんどん強固に、情熱的になる。アンコールには「踊るポンポコリン」のカヴァーと「SUNDAY」。ダブル・アンコールで宮田は“俺たちはもっともっと可能性を秘めてるよな!”と叫び「秘めてる」を披露。高い志とハングリー精神、葛藤、すべてをむき出しにする真っ正直なライヴ。本気の美しさを痛感した夜だった。
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