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LIVE REPORT

Japanese

SUNDAYS

Skream! マガジン 2014年04月号掲載

2014.03.02 @TSUTAYA O-WEST SHIBUYA

Writer 沖 さやこ

sundays_s1.jpgミニ・アルバム『普通の人間』でメジャー・デビューが決定しているSUNDAYSが、リリースに先駆けてTSUTAYA O-WESTにてワンマン・ライヴを行った。昨年の10月に同会場で自主企画ライヴを行ったばかりのSUNDAYS。メジャー・デビューという新しい一歩を持ってこのステージに戻ってきたことは非常に意味深い。白いデイジーが描かれたステージのバックドロップも、誇らしげに見える。THE HIGH-LOWSの「日曜日よりの使者」をSEに、宮田誠(Gt)、三上雅行(Ba)、渡辺和己(Dr)がステージに現れた。宮田はハットやコートなど黒で統一し、笑顔が煌びやかな三上はその笑顔に負けないくらいの眩しい白い衣装で、渡辺はアロハシャツに短パン。このキャラクター性もSUNDAYSの個性のひとつだ。sundays_s2.jpg3人がセッションのように音を積み上げると、ふーちゃんこと冬実(Vo)が勢いよくステージに飛び出してきた。いつもは赤を基調としたパンツ・ルックの彼女が、この日は真っ赤なミニ・スカートを履いているのも新鮮だった。1曲目はガレージ・パンク・テイストの「SHAKE SHAKE」。高く拳を突き上げて歌うふーちゃんは、のっけからギアマックスでエモーショナルだ。続いての「Bigになりたい」では、白いマイク・ケーブルを力強く優雅に振りながら歌うふーちゃん。そんな彼女の歌を押し出すように、楽器隊の3人も音を果敢にはじき出す。穏やかな「クローバー」でエネルギーを吸収すると、それを全て吐き出すように「アッと言わしたい」。ストレートなドラムがスケール感を感じさせる。ふーちゃんの歌に負けじと絡みつくスパイスの効いたギター。迫力がありつつも、包み込むような優しさがあるリズム隊と、飛び回るような歌を含めたうわもの2人とのバランスはSUNDAYSならではのグルーヴだ。

sundays_s3.jpg"まだちょっと緊張してる"と笑いながら正直な気持ちを語るふーちゃん。ミディアム・テンポの「始まったばかりの2人」「あたしは人間」「デイジー」と、会場にいるひとりひとりに語り掛けるように歌う。バックドロップが夕焼けのようなオレンジ色の照明のなかに溶けていくようで、美しかった。「まっしろけ!」で再びボルテージを上げ、ふーちゃんが"SUNDAYSのリーダー誰だか知ってる!?"と叫び「宮田誠のブルース」。宮田のギター・ソロの最中にふーちゃんがおんぶのように抱きついたりと、パンクでハッピーな空気に自然と笑顔が零れる。ふーちゃんにマイクを向けられ"みんな幸せになろうぜ!"と叫ぶ宮田。今のSUNDAYSはみんなで幸せになるために音楽を高らかにならす。いや、今までもそうだったのかもしれない。だがメジャー・デビューという土壌が、その想いを強くさせているのは事実のひとつだろう。新作には収録されない新曲「疾走」はその名の通りひたすら転がり続けるようなスピード感。ふーちゃんの熱い歌声もひりついていて、ハスキーな声が衝動性に更に拍車を掛ける。観客の歓声も大きく、間違いなくこれからのSUNDAYSに対する期待と賛辞だった。

sundays_s4.jpg"メジャー・デビューは不安がいっぱい"と語るふーちゃん。だが"やるからには本気でいちばん取りたい"と告げる。"歌いだしたことで犠牲にしてきたこともたくさんある"と言った彼女は"だけど歌を歌って自分らしくいることがいちばん幸せ"と涙を流した。彼女の言葉を、きっと楽器隊3人も自分の感情と重ねて噛み締めたのだろう。その後の「まるいとんがり」で、バンドの空気がより強固に熱く、ひとつになった。その後は「終わらない旅」「ドジ」「バンドマンの友達が言うには」と畳み掛ける。マイク・ケーブルを宮田のギターのヘッドや自分の足に引っかけたりしながらところ狭しとステージを走り回るふーちゃんの姿を見て、もっと大きい場所で歌うべきバンドだとつくづく思った。彼女たちの気持ちや気合いはO-WESTには収まらないのだ。アンコール「秘めてる」「SUNDAY」が終わりメンバーが捌けたあとも、フロアからはダブル・アンコールを求める拍手とコールが鳴り止まなかった。

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