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INTERVIEW

Japanese

ReN

2016年06月号掲載

ReN

インタビュアー:白崎 未穂

-ギターを習うことも、モータースポーツや音楽の世界に飛び込んだことも、すべてにおいて言えることは、ものすごく自発的且つ積極的で行動力がありますよね。

だから僕が"音楽をやる"と言ったときに"え? いきなり?"って言う人もいたんですよね。

-もちろんそういう方もいますよね、音楽はレースとはまったく違う分野ですし。

しかも"レースで怪我したから音楽やるって、そんな簡単な世界じゃねぇよ"って、みんな言うし、僕もそれはわかっていました。それほど僕の中で弾いたあのAmとそれに乗せた言葉が一瞬無敵になれた気になったんです、本当に。自分にしか書けない言葉が実はあるんだって思ったし、"俺って言いたいことがこんなにあるんじゃん"って思いました。自分の中で筋は通ってるので、僕は間違ってる気がしなかったです。だから、自分が信じてるものを歌っていくとどんどんその気持ちが強くなっていきました。それで、去年100本のライヴを"百戦蓮磨2015"ってタイトルつけてやろうって決めたのは、音楽ってとにかく遊びや自己満じゃダメな世界で、自分が歌うってことは"人に聴いてもらう"ってことなので、とにかく1年間でどこまでできるか、そういう覚悟があって。"100"という数のライヴをひとりでやるってことは、自分にとっても周りの人に対しても"本気で新しいスタートを切った"ことを見せられるいい1年だったなと。

-1年間でライヴを100本やるって相当大変だったと思いますが、実際どうでした?

結局、全部で102本のライヴをやったんですけど、やっていくうちに自分の中で、"ReN"という人間のスタイルを見つけることが少しずつできてきました。ただ、ライヴ本番が一番の練習だったかもしれないです。自分がいくらスタジオにこもって練習しても、やっぱり"本番の魔物"じゃないけど、お客さんがいてのライヴなので、お客さんがいない場合はどうやったらいいか、逆にお客さんがいるライヴはどうやるのか、歌だけじゃダメだし、MCも大事だし。そういうことをすごく早いペースで仲間と一緒にやりました。自分ひとりだけだと難しかったことも、スタッフが客観的な視点でモノを言ってくれるので、周りにも助けられていて、すごく恵まれてます。

-ライヴといえば、ループ・ステーションを使ってひとりでライヴするスタイルなんですよね?

そうですね。"ループ・ステーション"って言葉だけじゃいまいちわからない人が多いと思うんで、一度ライヴに来て実際に音を積み上げていく過程を観てもらえると面白いと思います。音を積み重ねていく動作が好きで、背中に自分の分身ができていく感じがいいんですよ。あとは足元もかなり多様な動きをするので、僕の中でレースと似てる部分があるなと。コックピットの中に入って、ペダルが3つとシフト・チェンジのレバーがあって、スピーディーな動作が特に似てるなと。

-このループ・ステーションを使おうと思ったのは、やはりEd Sheeranの影響ですか?

そうですね。Ed Sheeranは僕が音楽から離れていた2011年ごろにラジオで聴いて、EDMが流行っている中、ギター1本でフォークを歌っていたので気になって。ライヴ映像を観たら、ひとりで音を重ねていってたんです。ひとりであそこまでできちゃう人間の可能性に惹かれて、一気にハマりましたね。それで幸運なことに、2014年の来日公演(※2014年8月6日大阪BIGCAT公演)を観に行けることになって。目の前でループ・ステーションを使って音を重ねていく姿や、ひとりの男の人が小さいギターだけでみんなを盛り上げていて、そこがヤバイなと。もう"ヤバイ"という言葉しか出てきませんでした(笑)。怪我をしてレースに出れなくて沈んでいた時期に観に行ったんですけど、そのライヴを観ただけで、ネガティヴな気持ちが全部なくなって。それで、"今の自分には、やっぱり音楽って必要かもしれない"と。Ed Sheeranがやっているスタイルを今度は自分のスタイルでやってみたいなと思いました。それからギターをもう一度手に取って、それまでは自分のために内向的な歌しか作ってなかったけど、いつかはひとりの人間として自分を見てくれる人が集まって、その人たちを楽しませて、"楽しい"という気持ちをみんなで共有したいです。それは音楽をやっている人間が唯一できることだなと思っています。

-去年はライヴを中心に活動してきましたが、今年は初のフル・アルバム『Lights』をリリースということで、また違う年になりそうですね。

今まで持っていなかった名刺代わりのような作品をやっと持てたので、これを聴いてくれた人がどんどんライヴに足を運んでくれたらなと。音楽は耳で感じてもいいと思いますが、僕は身体で感じる音楽が大好きなので、僕のライヴでもそういうライヴを提供したいなとずっと思っています。音源だけでいいやというアーティストにはなりたくないので、このアルバムを通して実際に観てみたいって思ってもらえたら一番嬉しいです。もちろん、ライヴに来てくれた人をがっかりさせないように今は一生懸命やってます。

-レコーディングはどのタイミングでやったんですか?

100本ライヴが終わって、今年に入ってからですね。曲自体は去年から作り溜めていたものがほとんどです。「Lights」(Track.9)だけはアルバムを作ると決めた今年1月に、アルバムの締めになる曲がほしくて、作りました。最初は去年作った曲だけを収録する予定だったんですけど、それだと"百戦蓮磨2015"をまとめただけのアルバムになってしまうので、百戦蓮磨をやったあとに自分が何を感じて歌うのかが重要だと思って、その気持ちを込めた「Lights」を今年新たに作って、結局、9曲になりました。