Japanese
NUMBER VOGEL
2016年03月号掲載
Member:もとつね番ちょう(Vo/Gt) タンパク(Gt) ムッシュ(Ba) 小平 雄希(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-でも、バンドのペースとしては自分たちでコントロールしながらできてましたよね?
小平:そうですね。自分たちを出したいとか、もっと曲を作りたいという気持ちも常に持っていましたしね。
もとつね:あとはもっと昔から、Twitterみたいな情報発信媒体があったらまた違ったかなと思うんですよね(笑)。ユーザーで言えば億単位の人たちに、いきなりパッと発信できるんですよね。僕らが9年前やってきたときはね――。
小平:"魔法のiらんど"だからね(笑)。
もとつね:まずホームページを作っても広めることができないんですよね。とにかくライヴをして口コミで広めてもらうしかなかったんですよね。今なら、ツイートしてパッと拡散できるし。
小平:でも怖いですよね。もうちょっと速度を落としてほしいんですよ(笑)。もうたぶん、誰もついていけなくなりますよね。
-今でさえ情報が多くて、何が主軸かもわからなくなってしまいますからね。
小平:音楽だけじゃなくすべてがそうですもんね。怖いですよ。
-そういう中でモノ作りをしていくのは、それこそ自分の感性や本質的な部分を、いかにブレないようにするかを大事にしないと難しいですね。
もとつね:情報の価値も薄っぺらいですしね。いいのもあるし怖いのもある。明日バンドが売れることもできるけど、明日バンドが消えることもできちゃう時代で(笑)。
-3月からはラスト・ツアーもスタートしますが、集大成ということでお祭り的な感じもありますか?
小平:そうですね、悲しい感じではなく普通にね。"ありがとうを伝えにいきましょう"ということなので、祭りですね。
タンパク:感謝を伝えにいこうというのと、あえて、これからもよろしくお願いしますという感じですよね。
ムッシュ:きっと、初めて来てくれる人もいると思うので。最後までエンターテイメントで、最大限楽しんでもらえるように。
もとつね:僕らはバンド・シーンから去っていきますけど、"バンドって変わっていくものでもあると思うんです"ってことは言っておきたいなと。それは単純に路線変更したねっていうことじゃなくて、どういう思いでバンドが路線変更をしているのかとか、いろんな知恵を振り絞って、"もしかしたら嫌われるかもしれない"という覚悟で変わるバンドもいっぱいいるんですよね。そういうとこの本質を見て、今応援しているバンドを、ぜひ応援していってほしいなと思うんです。
-みなさん、このあとのことを考えてもいるんですよね。
タンパク:そうですね。実は、レーベルのスタッフでもあったりするので。今までバンドに注いでいた力を、今度はレーベルの方で発揮できればという。プレイヤーとしては趣味程度で。
もとつね:はははは、趣味になっちゃうの(笑)?
ムッシュ:最初の方で、人生を考えたという話もあったじゃないですか。そのときに、普通では経験できなことを、たくさん経験させてもらったなと思ったんですよね。全国でCDを発売したり、デカいハコでお客さんがいっぱいきてくれて演奏もできたし、こうして取材を受けたり、テレビに出る経験もさせてもらって。そういう意味でも、お客さんには特に感謝していて。解散については、僕が1番ゴネましたけど。次を目指していこうって気持ちになりましたね。僕はデザインなどもやっているので、そういう意味ではクリエイトし続けていくというか。それをまた、頑張っていこうと思ってます。
-もとつねさんは、ソロ作品(2016年2月リリースの『番ちょうCOVERS』)のリリースもありましたが。
もとつね:それも実は、きっぱりやめるか、可能性が見出せるならやっていこうかの判断は、今まだ保留中なんです。結構やり切ったという実感はあるので、考えているところではあるんですよね。春先くらいには判断をしようかなと思ってます。もうTwitterで公言しちゃったので(笑)。"やるかやらないかきっぱり決める年"って。それはツアーの最後にでも、みんなにちゃんと報告できればなと思ってます。
小平:実は、会社経営をしてるんです。うちの会社は音楽だけじゃなくいろんな事業をやっていて、そのすべてがエンタメだと思っているので。だから、これからもエンタメ全般をやっていくことに変わりはないんですよ。音楽やっている人って、どの分野にいっても、結局どこか目立ちたい性格じゃないですか。まあ、目立つことをしたいか、目立つことに疲れてどこかでひっそりするか、どちらかだとは思うんですけど(笑)。僕は変わらず、エンタメ全般をやっていきたいと思いますね。音楽は......やりますよ。あとは......ツアー終わったらひっそり発表します。
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