Japanese
NUMBER VOGEL
2016年03月号掲載
Member:もとつね番ちょう(Vo/Gt) タンパク(Gt) ムッシュ(Ba) 小平 雄希(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
ハスキーなもとつね番ちょうのヴォーカルを活かして、歌心溢れる曲からダンサブルでアグレッシヴなロック・チューンまで、幅広いサウンドを武器に突き進んできた4人、NUMBER VOGEL。2015年の暮れに、突如、オフィシャル・サイトでバンドの解散を発表し、その置き土産としてアルバム『みらいいえ』をリリースし、3月からはラスト・ツアーでこれまで回った所縁ある地を巡る。5月に大阪と東京でワンマン・ライヴを開催し、9年間の活動にピリオドを打つこととなった。これは4人でしっかりと話し合っての決断だという。ここに至るまでの思いや、バンドや音楽について思うこと、それぞれのこれからについて、話を訊いた。
-2015年末に解散することを発表して、3月16日(水)にラスト・アルバムとなる『みらいいえ』をリリースして、3月21日(月)からラスト・ツアーも始まります。正直に言うと、どういう感じで話を訊いていったらいいのかなというのは、難しいところでして。
小平:そうですよね(笑)。きっと、珍しいことですよね。
ムッシュ:たしかに、なかなかないことだと思いますしね。
小平:バンドとしても、ただ"解散します"と発表して終わるのはイヤだったので。今まで応援してくれた人もいるので、ツアーも回ってちゃんと伝えようという気持ちがあったんですよね。
-発表が2015年末ですよね。"活動に終止符を打つ"ということを決めたのはいつごろだったんですか?
小平:本格的に決まったのは発表の1ヶ月前とかかな。それまでも話してはいたんですよね。バンド活動をするにあたっては、そういうことはいいときも悪いときも、常に隣り合わせにあると思うんですよね。
もとつね:前のツアーが終わる9月くらいには、もう話があったんじゃないかな。
小平:そうだね。まあでも、何も諦めてなかったし、ただ決めていたところではあったので。
-続ける決断をしていくっていうのも、また難しさはありますからね。
小平:そこが悩みどころでしたね。若ければこのままやったかもしれないし(笑)。
ムッシュ:まあ、そこだよね。
小平:これが20代の前半の話だったら、このまま続けていくんでしょうけどね。今は人生の岐路に立たされた、というところですよね。
-そういう中で、バンドとしてはここまででやり切った手応えというのはあるんですか?
小平:うん、もうやり切ったでしょ(笑)。ああ、でもひとりだけ後悔してたかな?
ムッシュ:僕はね(笑)。最初にこの話が出たときには僕はずっと、"いや、まだやろう"という話をしていたんですよ。
小平:"もう一度、すべてを出し切って、賭けたい"と言っていたんですよね。
ムッシュ:そうそう。
小平:でもそれももう、2年くらい前から言ってることじゃん!って話だったからね(笑)。
ムッシュ:だいぶ昔から、やり切ってる、出し切ってるよ、と(笑)。それで、"ああ、そうだよね"と。
小平:最後はちょっと時間かかったよね。
ムッシュ:うん、そこで一度、自分の人生を振り返りましたね。言ってみれば、音楽が好きで中学生のころくらいから音楽を始めて、そこからずっと音楽に携わりながら、NUMBER VOGELを結成してバンドに賭けてきたわけですからね。まさに人生そのものだったんですよね。とにかくライヴをやって曲を作ってという日常で、目の前のことを考えずにきちゃって。だから、一度ちゃんと全部振り返らないといけないと思ったんですよね......それで時間はかかりましたよね。ただ、他のみんなからしたら、"そういうことは最初から考えてるよ"って話で(笑)。俺、どんだけ考えてなかったんだ!? すみませんでした、っていうね(笑)。
小平:まあまあ、人それぞれあるからね。
-年齢なりにキャリアを進めていくうえでは、現状や、これから自分は何ができるのかということを見渡す機会が何度かありますよね。それこそ、20代でもそういう時期があったり。
小平:このバンドを9年続けてきた中で、レーベルと契約を交わしたり、契約解除になったりと、何度かそういった岐路はありましたし。音楽的にも、9年間で変わったんじゃないですかね。
ムッシュ:曲はむちゃくちゃ変わってるよね。
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