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INTERVIEW

Japanese

Goodbye holiday

2016年02月号掲載

Goodbye holiday

Member:児玉 一真(Vo/Gt) 大森 皓(Gt) 福山 匠(Ba) 山崎 晃平(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

-この曲はなぜ自分で書かずに福山さんに歌詞をお願いしたんですか?

児玉:この曲は、メロディ自体はアルバムの曲の中ではわりと古い方のもので。先に曲だけできていて、いつかアルバムに入れたいなって思っていたんです。でもそのあと、詞先で書くようになってしまったので、自分でイメージが全然湧かなくなってしまって。前向きな応援ソングというイメージはなんとなくあったんですけど、今さら書けないかもと思っちゃって、お願いしたんです。イメージは特に伝えてなかったんですけど、たぶん共有できていた感じですね。

福山:100%汲み取ってました。実はこれ、児玉さんが中島みゆきさんをイメージして歌ったらしいんですよね。

児玉:そうだ。メロディを作ったときに、なんとなく中島みゆきさんをイメージしていて。自分的にはですけど(笑)。サビのメロディはそうなんです。

福山:ちょっと歌謡曲っぽいメロディのせいか、僕も歌詞を書いたあとでそういえば中島みゆきさんに、"♪ツバメよ~高い空から"(2000年リリースの37thシングル表題曲「地上の星」)ってあるなって思って(笑)。シンクロしてるなと。

-曲が呼んでいたんですね(笑)。そして「彼女が愛した朝食」。こちら切なくもキラキラとした、ポップな曲ですね。

児玉:これはもともと、Track.11「溢れるもの」と同じで、ドラマ"掟上今日子の備忘録"のために作って、そのコンペにこの曲も一緒に出していたんです。原作を買って、まだ中身を読む前に、帯に"彼女の記憶は1日しか持たない"って大きく書いてあって。1日しか記憶が持たない女性ってどういう人だろうなっていうのをイメージして、そこからふくらませて書いた曲なんです。

-そしてドラマの主題歌には「溢れるもの」が決まって、毎週のようにGoodbye holidayの曲がいろんな人の耳に届くようになりましたよね。そこから反響っていうのは大きかったですか。

児玉:そうですね。"あのオープニング曲をやってるんだよ"って言うと、"あれ歌ってたの?"、"ああ、あの人ね"みたいな反応があったり。あとはYouTubeの再生回数が「溢れるもの」だけずば抜けて多かったりしますね。ドラマでは20~30秒くらいしか流れてなかったんですけど、いいところで使ってもらえていて。すごく印象に残ったようで。

-それでバンドを知ってライヴに来てくれる人も?

児玉:ちょうどドラマが放送されていた期間がツアーの時期だったり、地方でキャンペーンやインストア・ライヴをやっていたときだったんですけど。そのころから、ドラマで聴いてきましたっていうお客さんがちらほら来ていて。ライヴハウスには行ったことがないけど、気になって来ましたという人がいたり。今回のツアーでも、そういう人がたくさん来てくれたらいいなと思っていますね。

-バンドへの入り口が増えるのはいいですね。「溢れるもの」は大きな曲になりましたね。振り返ってみて、曲としても成長をしていったなというのは感じますか。

児玉:アルバムを通して聴いたときに、シングル感みたいなのはありますよね。自分で聴いていても、"あ、知ってる曲きた!"じゃないけど(笑)。

山崎:わかる(笑)。

児玉:あの曲だ、みたいなね(笑)。あとはライヴでやればやるほど、レコーディングで歌うよりも、お客さんがいて歌うことで、ちゃんと自分の言葉として歌えるようになってきている感覚があって。歌詞を書いたのは福山なんですけどね、いいなって思います。

-Goodbye holidayは歌のキャッチーさや親しみやすさが第一にあって、パワフルな曲がありながらもポップス然とした佇まいやアレンジがあって、ロック・シーンの中では面白い位置にいるなと思うんです。こうして、待望のアルバムが完成した手応えはどうですか。

大森:すごくいい作品ができたなって、今みんな思っているところですね。

児玉:それはありますね。自信を持って出せますね。

福山:以前から、(Goodbye holidayは)ライヴハウスよりもホールの雰囲気が似合うなと思っていたし、実際ホールでやりたいと思っているので、このアルバムはよりそういう方向に近いものになったと思いますね。耳馴染みのいいメロディがあって、演奏が激しいものもあるけれど、ポップスに昇華するというか。いろんな人に受け入れてもらえるような、ゆったり聴いてくださいって言えるアルバムになったと思います。