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INTERVIEW

Japanese

Saku

2015年09月号掲載

Saku

インタビュアー:沖 さやこ

4月にフル・アルバム『FIGHT LIKE A GIRL』とシングル『START ME UP』を同時リリースし、華々しいメジャー・デビューを飾った、現役TOWER RECORDS店員である"シンガー・ソング・ワーカー"Sakuが、早くも新作『Girls & Boys e.p.』をリリース。今回はWEEZERの名曲「Only In Dreams」のカバー曲を含む全4曲を収録し、前作同様2名のプロデューサーによる2通りの制作方法で、それぞれの観点からSakuワールドを広げている。彼女は4曲に込めた想いと、自身の活動へのポリシーをまっすぐ語ってくれた。

-4月にメジャー・デビューをなさってからの4ヶ月はいかがでしたか?

この4ヶ月は本当にあっという間でした。デビュー日にホームであるTOWER RECORDS渋谷店でインストア・ライヴをやらせてもらえたのは自分にとってすごく大きくて。"渋谷店でインストア・ライヴをやりたい!"という気持ちを持ちながら外販部で働いていたのもあるので、より一層特別な気持ちでした。渋谷店の店舗スタッフさんがどれだけ力を注いでポップを書いているかとか、どんな気持ちで仕事をしているかも知っているので......すごく特別でした。

-今も外販部で働いてらっしゃるんですか?

はい。昨日も出勤してきました(笑)。とはいえ音楽活動が最優先なので出勤頻度は落として合間合間に入ってます。ミュージシャンとしてだけではなく、スタッフとして現場に行くことでちゃんと自分が最初に思っていた気持ちを再確認できるので大切な時間です。映画"ビリギャル"の劇中歌「START ME UP」を通して私を知ってくださった方も多くて。みなさんのお陰でいいスタートができたので、今回の『Girls & Boys e.p.』に繋げられたら......と思いますね。

-『Girls & Boys e.p.』の制作はいつごろから?

メジャー・デビュー直後の5月~6月にはもう作ってました。6月がレコーディングでしたね。「Moonrise Picnic」(Track.3)と「Only In Dreams」(Track.4)を先にレコーディングして。この2曲は前作のアルバムでも一緒にやらせていただいた、カジヒデキさん(Ba)とSISTER JETのWATARU.Sさん(E.Gt)とアナログフィッシュの斉藤州一郎さん(Dr)と私の4人のバンド編成で、みんなで同じブースに入って一発録りしたんです。私はアコースティック・ギターを弾いています。もう5月の下旬からこのためにリハーサルに入っていて、最初のリハーサルからフィーリングが合ってしょうがない!みたいな感じで(笑)。年齢は離れているんですけど、"好きな音楽"という共通点があるので。

-まず「Moonrise Picnic」は、Sakuさんの好みがよく出た曲だと思いました。

あ、嬉しいです。この曲はもともと自分がインディーズ時代からやっていた「SKY SKY SKY」という曲で、そのときはもっと疾走感のある曲だったんです。今回EPに入れることを決めてから、ちょっとテンポを落としてみたらどうだろう?ということで落としてみて、歌詞もガラッと変えたんです。ちょっとシューゲイザー っぽいテイストにできたらなー......とは思っていたんですけど、カジさんチームにはアコースティック・ギターの弾き語りとドラムの打ち込みを入れたデモをお渡ししたら、"これ、MY BLOODY VALENTINEっぽいよね"ってみなさん言ってくださって......ああ、さすがだなあと。"アコギと打ち込みのドラムだけでわかってもらえるんだ!"って感動しちゃいました(笑)。

-携わっているみなさんが全員、Sakuさんの好きな音を瞬時に察知してくださるんですね。

プロデュースとミックスを兼任していただいた吉田仁さん(SALON MUSIC)とも"アコギの音はもっとあたたかみのある音で"とか"もっと音を前にしたい"とか、"声ももう少し開放感のある感じにリバーヴを掛けたい"みたいな細かい部分まで何度もメールでやり取りさせていただいたので。1stアルバム(2015年4月リリース『FIGHT LIKE A GIRL』)のときもこういうやり取りをして若干困らせるくらいお願いをしてしまって(笑)。仁さんはあんまり多くを語る方ではないんですけど、内に秘めた音楽への愛情が伝わってくるんですよね。みなさんすごく信頼しています。

-Track.1「Girls & Boys」とTrack.2「オレンジ畑でつかまえて」、「Moonrise Picnic」の歌詞は真夏から夏の終わりへの時系列なのかな?と思ったのですが。

「Girls & Boys」も楽曲自体はポップなギター・ロックなんですけど、歌詞はちょっと寂しさも入っていて、結構現実的なことも言っているなと思うんです。"時よ止まれ 止まったことはない/夜空飛べそうで 飛んだことはない"とか......"止まらないで!"じゃなくて"止まらないし"みたいな。そういう夏の終わりの寂しさとかが「オレンジ畑でつかまえて」にも繋がっていて。3曲ともテーマは近いものがありますね。私は季節で1番夏が好きなので、毎年夏は無条件にドキドキします。過去にこれだけ楽しい夏を過ごしてきたのに、どうしても夏が来るたびに"今年が1番特別よ"と思ってしまうのか......。そういう魔法にかけられてしまうのが、夏ならではだなと思って。でも夏は終わりが来るし、他の季節よりも"終わっちゃう!"と思う感覚が強い気がして。

-「Girls & Boys」は"Boys & Girls"というタイトルではないところにすごくSakuイズムを感じました(笑)。

はははは! このタイトルは私が去年の11月から続けている自主企画イベントの名前でもあるんですよね。周りの素晴らしいバンド、ミュージシャン、DJを招いて、これからのシーンを一緒に盛り上げていけたらいいなという思いでスタートしました。やるたびにみなさんから刺激をもらっています。ライヴが終わったあとは、いつも"楽しかった!"という気持ちの反面、祭りのあとのような淋しさも感じながら家に帰るので、そういう気持ちを書きたいなと思ったのが原点ではありますね。

-ああ、だから元気でポップさと切なさがない交ぜになった曲なんですね。

なので「Girls & Boys」はライヴハウスからの帰り道で"楽しかったな~"とひたりながらもどこか切ない気持ち、が詰まってます。......やっぱり楽しいことがあると"時が止まって欲しい"と思うけど、止まるわけがないと思う冷静な自分もどこかにいて。"今を楽しみたいけど、終わっちゃうんだよな"みたいな、そのときには考えなくてもいいことを考えてしまったりするんです。そういった気持ちも入ってますね。