Overseas
THE STRYPES
2015年07月号掲載
Member:Josh McClorey(Gt / Vo)
Interviewer:山口 智男
若いってすごい。もちろん、それだけじゃないんだろうけど、アイルランドの4人組、THE STRYPESが2年でこれだけの成長をなし得たのは、彼らが10代だったからだ。2作目のアルバムとなる『Little Victories』における成長を、THE YARDBIRDSがLED ZEPPELINに生まれ変わったみたいだと例えてみたが、もちろんこれがゴールじゃない。メンバーたちはまだ平均年齢18歳。まだまだ、とんでもない成長を遂げそうだ。おっと、話が飛躍しすぎた。まずはこの2年でバンドがどんな変化を遂げたのか、Josh McCloreyに訊いてみよう。
-UKツアーがひと段落したところですか?
あと1回、明日(6月16日/※この取材は6月15日に行われました)、スコットランドでショーがあるんだ。それからブラジルに行くんだ。
-今回のUKツアーはソールド・アウト続出だったそうで、かなり手応えがあったんじゃないですか?
そうなんだ。正直、びっくりだよ。7月に発売されるアルバムからの新曲も結構やってるんだけど、そういう曲でもみんな飛んだり跳ねたりしてるんだ。新曲も覚えてもらえてきてるしクールだよ。新作からはほとんど全曲やったような気がする。まぁ、やってない曲も数曲あるけど、大半はやったかな。ライヴで手応えを得て、やっといいものができたって確信できるからってのもあるんだ。特に、大きいところで新曲をやって、みんなの反応がいいと自信になるよね。
-『Snapshot』をリリースしてからあっという間に1年9ヶ月が経ちましたが、1stアルバムをリリースしてからのことを振り返ってどんなことを感じますか?
ええっと、そうだね(照れ笑い)。うちからこんなに長い間離れていたのは初めてだったから、それに慣れるのに少し時間がかかったな。ずっと地元にいたのがいつも移動中みたいな感じになって、ノマド(遊牧民)みたいな生活なんだ(笑)。でもその分、いろいろなところに行って、いろいろなものを見ることができる。今はスコットランドのエディンバラにいるんだけど、本当にきれいなところだよ。市場も行ってみたけどすごく良かった。何て言ったらいいかわからないけど、俺たちの心境も数ヶ月単位で変わってるんだ。今のところ、そんな変化にもみんなうまく対応できてると思うよ。
-日本にも何度か来ていますが、日本の印象は?
とにかくぶっ飛んだよ(笑)!西洋とはカルチャーがまったく違うからショッキングだった。でも、すごく気に入ったよ。食べ物も大好きだし、何もかも最高だったね。初めて行ったときはまだちゃんとしたバンドとして機能してなかったようなころだったけど、みんなすごく良くしてくれて。覚えてるのが、初めてスシを食べに行ったとき、Pete(O'hanlon/Ba)がワサビが何か知らなかったことだね(笑)。なのに、あいつはワサビのでかい塊をネタに乗せて食べてしまって、それからあとは何も食べられなかった(笑)。俺自身はとにかく疲れたという印象だったね。3日くらいしかいられなかったし、プロモーションもびっしりあったし、ギグもあったから。でも、とても楽しかったし、毎回楽しいよ。2回目は(2013年の)10月に行ったんだけど、そのときは東京の古い街も見ることができたんだ。きれいな寺とかに行ってね。それから新幹線にも乗って、他の街も見ることができた。楽しかったよ。
-では、日本では7月15日にリリースされる2ndアルバム『Little Victories』について聞かせてください。作品が完成した今、どんな作品になったと実感していますか?
本当にハッピーだよ。全員そうなんじゃないかな。今回はアプローチに長い時間がかかったんだ。1stアルバムのときはすでに2、3年ギグでやってきた曲ばかりだったから、スタジオに入って録音だけすれば良かった。でも、今回はまだ1度もライヴでやっていなかった曲ばかりだったから時間がかかったんだ。制作に入った時点でアコースティックな曲の断片とかドラムのループとか、そういうのしかなかった。曲の構造を練るところから始めて、プロダクションにも時間をかけて......前回とはまったく違う経験だったね。でも、個人的には1stのときより今回のプロセスの方が良かったと思う。曲作りにのめりこむことができたし、それぞれ最高のバージョンを叩き出すことができたと思うしね。それにプロデューサー陣もファンタスティックだったんだ。Charlie RussellとBradley Spenceっていう人たちでね。ロンドンのディーン・ストリート・スタジオでレコーディングしたんだ。ソーホーにあるんだけど、あれもいい経験だったね。朝のソーホーって死んだように静まり返っていてさ(笑)。スタジオは地下にあって、陽が全然入ってこないんだ。そこで作業して午後1時くらいになって地上に上がってみると、街がすごく騒々しくなっている(笑)。人もすごくいっぱいいて、夜まで賑やかなんだ。そういう雰囲気を味わえたのも良かったね。
-聴かせてもらって、THE YARDBIRDSがLED ZEPPELINに進化したような成長を感じました。もちろん、LED ZEPPELINっぽいというわけではなくて......。
本当に? それは最高の褒め言葉だよ!
-R&Bからの影響が色濃かった前作と比べると、格段にオリジナリティが感じられる。
そうだね。ただ、意識的にそうしたわけじゃなかったけど。1stの方が、俺たちが受けてきた影響が表れていたのはたしかだね。それこそTHE YARDBIRDSとか、DR.FEELGOODとか。今回は今、聴いている音楽の影響が出てるんじゃないかな。俺は最近、ヒップホップをよく聴くからビートが前よりゆっくりになって、グルーヴ感も出てきた。LED ZEPPELINのグルーヴに近いような。もちろんロック・バンドを1番よく聴いてるけどね。Jack Whiteとか。だから自然にロック色が強くなったんだと思う。オリジナリティも自然にそうなったという感じで、狙ったわけではないんだ。気がついたら人とは違うものができていた感じかな。ともあれ全員気に入っていて、早く出したくて仕方がないんだ。早く出して早くギグに出たいね。
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