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INTERVIEW

Overseas

SKATERS

2014年03月号掲載

SKATERS

Member:Michael Ian Cummings (Vo)

Interviewer:天野 史彬

NYから登場した新人バンド、SKATERSのデビュー・アルバム『Manhattan』は、THE CLASHやRAMONESといった70年代パンク、そして同じくNY出身のTHE STROKESなどの遺伝子を受け継いだ、最高にクールなパンク・ロック・アルバムだ。ただ新人といえど、メンバーのキャリアは長い。中心になっているのは、元THE DEAD TREESや元DIRTY PRETTY THINGSのメンバーというつわもの揃い。よって、時にレゲエやエレクトロも消化する曲のクオリティは驚くほど高い。最近ロックで踊り足りないと思っているそこのあなたに、この英米混血ベテラン新人バンド、おススメします。

-アルバム『Manhattan』を聴かせていただいて、聴き手の気分を一発で高揚させるエネルギッシュで爆発力に満ちた作品であると同時に、様々なジャンルを取り入れた豊かなサウンドと繊細な音作りによる深みも感じさせる、素晴らしい作品だと思いました。あなたは、この『Manhattan』というアルバムにどのような手応えを感じていますか?

とても誇りに思っているし、楽しみだよ。発売まで少し時間がかかってしまったけど、最近2ヶ月ぶりに聴いてみたら、改めて満足できる内容だったよ。でも繊細だって言われたのは初めてだな。気づいてくれて嬉しいね。

-あなたとドラムのNoahが在籍していたTHE DEAD TREESや、ギターのJoshuaが在籍していたTHE PADDINGTONS、DIRTY PRETTY THINGSは、日本のリスナーの間でも有名な存在でした。そんなバンドのメンバーが集まってバンドを組んでいることにとても驚いたのですが、出身地の違うあなたたちが出会い、バンドを結成するに至った経緯を教えてください。

面白い話でね。JoshuaはTHE MOLDY PEACHESのAdam Greenとずっと仲が良かったんだ。俺とNoahはAdam Greenのバンドでプレイしたことがあるから、Joshuaの存在は知っていたけど、ロサンゼルスで行われたあるパーティまでは出会ったことがなかった。夜の遅い時間のパーティで、一緒に喋りながら夜更かししたよ。その日はそれで終わって、それぞれのところに帰っていった。バンドやろうぜみたいな話は出たけど、別に本気じゃなかったしね。ただの話のネタって感じで。その後、俺はNoahとニューヨークに移住した。そこにJoshuaがメールを送ってきて、"明日ニューヨークに行くよ"って書いてあったんだ。で、あいつは翌日到着すると、強引にバンドを始めちゃったんだ。その晩のうちにね。あいつがきっかけで始まったようなものだよ。起爆剤というか......。"バンドやろうぜ""いいよ"って感じで始まって、翌朝には最初のライヴを3つブッキングしちゃったよ。

-それは凄いですね。でもLAで出会ってからNYで再開するまでの間に、バンドを始めることについて意見交換などはなかったのですか。

いや、別に(笑)。Skypeで1回話したくらいだからね。"元気か""そっちはどうだ"程度で、特にシリアスな話もなかった。ただ、JoshuaはNYに到着した時点で、バンドを始めようってマジで思っていたみたいだね。でもNoahと俺はそんなこと考えもしなかったんだ。

-凄いですね(笑)。となると次の質問はしない方がいいかもしれませんが、バンドを結成した当初、どのようなバンドにしたいのか、コンセプトなどはありましたか?また、SKATERSというバンド名の由来は?

コンセプトは結成する前からあったんだけどね。次にバンドをやる時は、音楽活動がまた楽しく思えるようなものにしようっていう考えがあった。ハイスクールのときやっていたような、初期のパンク・バンドみたいなものをね。70年代後半のパンク・ミュージックにインスパイアされたようなものにしたかった。そのときのためにバンド名も色々考えていたけど、Joshuaが来るまでは具体化しなかった。だから、SKATERSというバンド名は俺のアイデアなんだ。そういう名前のバンドがいないと思っていたからね。世界のどこかで、他にも存在すると知ったのはずっと後だったんだ。まぁとにかく、楽しいと思えるバンドにしたいと思ってね。スケボーするくらいしか放課後にやることがなくて、心配事もなかった子供の頃みたいにさ。そういう気楽なバンドにしたかったんだ。結果のこととか考えずに、ひたすら速くて楽しい音楽を作るバンドにね。どんな時でもかけたらハッピーになれる音楽を作りたいと思って。