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INTERVIEW

Overseas

SKATERS

2014年03月号掲載

SKATERS

Member:Michael Ian Cummings (Vo)

Interviewer:天野 史彬

-『Manhattan』には、パンク、エレクトロ、レゲエなど、様々な音楽性が詰め込まれていて、しかもそのすべてがとてもエネルギッシュに昇華されている点がとても魅力的だと思います。どのようにして、この多ジャンルを飲み込んだサウンドは生まれているのでしょうか?

俺たち自身が色んなタイプの音楽が好きだからね。あと、ドラムマシンなんかも昔のヒップホップ用のを使っているとか、そういうのもあるかも知れない。曲のダイナミクスに変化をつけてくれるからね。静かな感じだったかと思えばガツンといったり。

-歌詞において、この『Manhattan』というアルバム全体に通じているメッセージがあるとすれば、それはどんなものだと思いますか?このアルバムを通じて、あなたたちはどんなことを歌おうとしたのでしょうか?

うーん、特にコンセプト・アルバムっていう訳じゃないんだ。強いていえば、NYはとてもロマンティックな場所にもなり得れば、幻滅させられる場所にもなり得る、みたいなところかな。この街と恋に落ちても、同時にNYの厳しい現実を目の当たりにすることになるからね。

-私はTrack9.「I Wanna Dance(But I Don't Know How)」が凄く好きなのですが、この曲で歌われている、踊りたいけど踊れない、気持ちを伝えることができない、そんな傷心の感覚はロックンロールがずっと歌い続けてきた感覚だと思います。そして、そんな傷心の気持ちすらもロマンティックでダンサブルなサウンドに乗せてしまうという点もまた、ロックンロール特有の素晴らしさだと思います。心は傷ついてるけど、身体は踊っている――ロックンロールが持つこのカタルシスは、あなたたちにとって重要なものだと思いますか?

そうだね。インスピレーションの多くは、まったく希望が見えなくて、その状態を表現する方法もない時に感じられるものだからね。そういう気持ちを何とかしてとらえたいと思って曲を書くのだと思う。人が感じていても言葉などに表すことのできないフィーリング、ミュージシャンはそういうのを形にするのが仕事のひとつだと思うよ。あの曲に関していえば、何かに属したいと思ってもその境地に辿り着く術がわからない、みたいな感じを歌っているんだ。Dancingというのはメタファーに過ぎないんだ。

-ディスコグラフィによれば、あなたたちは『YONKS』というアート・マガジンの刊行も行っていたようですが、この『YONKS』という雑誌にはどのような記事が載っていたのか、また、なぜこのような雑誌を刊行しようと思ったのか、教えてください。

バンドを始める時は、フォトグラファーやアーティストの友達に助けてもらうことが多いんだ。友達だからって言ってね。彼らへの感謝の気持ちを込めてというのもあるし、彼ら同士が知り合うきっかけにもなると思って作ったんだ。コミュニティを作る手段にしたみたいな感じだね。

-今でも刊行しているんですか。

うん。今はライヴ会場でしか売っていないから、手に入れるには俺たちのショウに来ないといけない。でもそのうちオンラインでも買えるようにするつもりだよ。全部手作りだから、作るのに時間がかかるし、数もたくさんはないから、ちょっとしたコレクターズ・アイテムになってるね。

-THE CLASHがそんな感じのものを出していたような(※Armagideon Timesというファン向け小冊子を出していた)。

ほんとに?まぁ、そういうのを出していたバンドはいっぱいいたからね。とてもオールドスクールなものだよ。日本に行くことがあったらたくさん持って行こうかな(笑)。