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INTERVIEW

Japanese

SWANKY DOGS

2014年02月号掲載

SWANKY DOGS

Member:洞口 隆志 (Vo/Gt) 川村 聡 (Ba/Cho) 長谷川 快人 (Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

-和奏さんとはどのような作業を?

洞口:まず、このアルバムにはいままでやっていた曲を入れないという方針を打ち立てて。いままで培ってきたものや、ライヴで育て上げてきた曲も勿論あるんですけど、Changeの黒沼さんやノブさんから"お前らのいまのパワーで新しい曲を作りなさい"と言われて。歌詞でも"1年前や半年前と現在では、お前らの成長の度合いが絶対違うはずだ"と。だからせっかく全国で出すし、現状のパワーを100%出し切ったものを作りたいという話になって。古い曲はライヴでできるから、音源には全部新しい曲を入れて。和奏さんにはサウンド面のプロデュースをしてもらいました。3ヶ月くらいで30曲ちょっと作って、それを全部デモで録音して、和奏さんに送って全部聴いてもらって、曲選びのところから判断してもらって。1曲1曲全部にChangeの人たちや和奏さんに評価をしてもらったりもしたんです。僕らの意見をちょっと反映しつつ、第三者の目線で曲を選んでくれたんですよね。和奏さんにはレコーディング入ってからも、アレンジ、メロディの当て方、歌詞のゴロの変えかたとかも教えてくれて。

-このアルバムを作ることで、様々なかたがたから育てられたんですね。

洞口:(笑)東京とかでやっていたら、ここまで密にやれる環境を作るのはなかなか難しいことなのかもしれない。それも育ってきたところでやっているからこそ、ぎゅっとやれたのかなと思います。時間もなかったので、テイクを録りながらその場で"じゃあここを変えよう""ここはこうしよう"と和奏さんが監督みたいな感じでやってくれました。限られた時間というのもあって、より緊張感もありました。弘前Mag-Netで、去年のお盆の5日間で合宿レコーディングして、その5日間は和奏さんを弘前に監禁して(笑)。

-(笑)いま見返してみてこの作品は皆さんにはどう映っていますか?

洞口:夏に録ってはいたんですけど、リリースするタイミングが冬なのを想像して録っていたので冬のイメージの曲が入っていたりするんです。楽曲の出来は和奏さんが携わってくれたのもあるし、申し分ないと思っています。和奏さんはメロディもサウンドも僕らのやっていたことを引き伸ばしてくれました。

-川村さんも長谷川さんもコーラスをなさるのは、歌を立たせたいという想いからでしょうか。

洞口:ガチャガチャとしたロック・サウンドのなかで、歌詞や言葉をいちばん前には出したいので、僕のヴォーカルだけでなくハモリやコーラスも入れて。人数が少ないのもあるし、音が出せるものがあれば出そうぜとは思っています。コーラスはデモの段階では入っていないところもいっぱいあるんですけど、和奏さんやみんなと一緒に"ここにコーラス入れたら空気感や景色が広がるんじゃない?"というふうに作っていったりしました。

-どの曲も決意に向かう曲で、背中を押すような内容ですが、これはご自分に向けて歌ってらっしゃるんですか?

洞口:基本的にはそうですね。割と後ろ向きというか、葛藤の部分やもやもやしたところを歌詞にはしているつもりで。そのなかで1曲の結論としては、絶対に光が見えてきたり、最終的には前を向くような、希望のあるものにしたくて。それを自分に向けて書いているけれど、それを歌として出したときに、他の人にも言っているように聴こえてくれれば......という形の歌詞にはなっていると思います。

長谷川:作る時期や、彼に何かがあったときによっても歌詞は全然違うんです。"この先一生暗いんじゃないか?"とか(笑)、"なんかやさぐれてるなぁ"とか"ハッピーだな"とか......すげえわかりやすい人間なんですよ。だからそういう面に関しても、僕らはある程度彼のことを知っているので、話さなくても、こいつが持ってきた歌を聴くと"いまこういう心理状況なんだな"と彼の気持ちがわかる。今回は何十曲も作らなきゃいけないというプレッシャーのなか、かなり切羽詰まっていながらも......いままで培ったもので全部新曲を作るということは、6年間のバンド生活で思ってきたことを12曲全てに詰め込んだということで。だからこのアルバムの歌は彼の歌詞の集大成でもあるし、ここからツアーも回ってまた出会いや別れで自分たちの新しい発見も出てくるから、この先更にいい歌詞ができていくんじゃないかな。