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INTERVIEW

Overseas

THE 1975

2013年10月号掲載

THE 1975

Member:Matthew Healy(Vo/Gt) George Daniel(Dr)

Interviewer:小田部 仁


-THE 1975は13、14歳ぐらいの頃からずっと、バンドをやっているわけですよね。結成当時の話を以前聞いたことがあるんですけど、たまり場みたいなところでお酒ばっかりのんで、音楽をダラダラ作っていたそうですが(笑)、少年時代のそういった経験を振り返ってみて、今、どう思いますか?

M:いや、もう正にそんな感じで、本当に自分たちが楽しいと思うことだけをやってた。13とか14の頃って、選択をする時の基準が単純で、その場で1番楽しいと思うことを選ぶじゃない? “これが、カッコいい”とかそういうことは考えないで、ただ楽しみたいだけでしょ。僕らは今もそういう態度をもっているっていって良いと思う。自分たちのために音楽を作る、それ以外は別に特に重要なことじゃないんだ。

-そんなスピリットを培った場所が、マンチェスターという街なわけですけど。勿論、世界中で知られている様にマンチェスターは音楽都市ですよね。この街に大きな影響を受けたりはしていますか?

M:もちろん影響は受けていると思うけど、所謂、マンチェスターの音楽的なイメージは僕らには当てはまらないと思う。11歳になるまで僕は別の街で暮らしていたし、それまでにも勿論たくさん音楽は聴いていて、影響を受けた。例えば、Otis Reddingみたいな黒人音楽、それからTHE ROLLING STONESやTALKING HEADSみたいな音楽が大好きだった。だから、THE STONE ROSESとかあの辺の音楽とは全く関係ないと思う。僕らの曲は、すべてマンチェスターっていう街に関連しているんだけど、それは僕の頭の中で想像している曲の舞台がマンチェスターという街そのものに設定されているからなんだ。僕らはそこで生活しているし、育ってきたから、必然的に影響は受けるよね。

-でも、今は、こうして日本に来てインタビューを受けていたり、色々な場所をツアーしたりしているわけですよね? マンチェスターでお酒呑みながら音楽を作っていたころとは違います。バンドを取り巻く状況が変わった今、THE 1975は何を歌おうと思っているんですか?

M:うーん、滅茶苦茶いい質問だねぇ(笑)。実は、ここ最近ずっとそれを考えているんだよね。自分たちの状況って本当に変わりつつあって、例えば、最近自分の家族が住んでた古い家をでて引っ越したんだけど、そのせいであんまり家族と顔を会わせることができなくなっちゃったんだよね、これも別に僕と無関係ってわけでもなくて……。僕自身も、今、こんな風に日本にきたりしているわけでしょ? こういうことって、僕らが今までずっと夢みてきたことなんだよね。だから、もしかしたら、これから歌を書くんだったら、まずはこの状況の説明になるかもしれない。夢見ていたものの実際の姿を正直に描くような。これは別にスターになるとかそういうことだけじゃなくて、僕らはみんなそれぞれ色々なことを多かれ少なかれ、夢見ると思うんだけど、実際にそれを手に入れると、現実って全然違うでしょ?

G:でも、僕らは別にここまで急にここまできたってわけでもないからね。“うわっ、遂にやり遂げた!”なんて思ったことは一度も無いし、小さな1歩が1つ1つ積み重なって、ここまできたような気がするから……。

M:そうそう。徐々に進んでってるんだよね。遠くにいけばいくほど、もっと先をみようとする。多分、13歳の僕らをそのままここに連れてきたら“うぉおおおお、マジかよ!”って興奮しちゃって歌詞とか曲どころじゃなくなると思うんだけど(笑)。なんていうか、僕らは進化の過程をきちんと経てきたって感じがするから……まさに、これって、人生そのものじゃないかな? そういうことは曲にも書けると思う。