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INTERVIEW

Japanese

2012年02月号掲載

鴉

Member:近野 淳一(Vo&Gt)

Interviewer:沖 さやこ


-勿論その通りです! ただその前向きさの根幹が以前とは少し違うような気がして......この話は是非またの機会にお聞かせ頂ければと思います。c/wの「傷心同盟」はタイトルからも鴉節が炸裂していますが"悲しみを歌う"ということは鴉にとってどういう意味があるのでしょうか。

この曲に関しては、悲しみというより"そこから抜け出せ!"という願いをこめました。だから俺的にはこれも前向きな曲です。自分が属する集りに実は違和感を持ってるって人に是非って感じの曲。まあでも、狙いどおりにいかない、それも音楽。聴いた人がもっとカッコいい意味をつけてくれるならそれはそれで嬉しいことです。

-「一週間」は東日本大震災が起こって気付いた日常の大切さと無力感を歌ったバラードとのことですが、震災は秋田出身の皆様にとってかなり大きく痛烈な出来事だったと思います。音楽活動に大きな影響があったと思うのですが。

一番分かりやすい影響は仙台でのワンマン・ライブのキャンセルでしたね。まさに2日後に行こうとしていた時だったので......。

-そうですね。本当なら3月13日に仙台で行われるはずでしたもんね。その後のツアーも延期になってしまいましたし。

本当、表立ったことは何もできなかった......。でも鴉は止まらなかったと思ってます。変わらず音を創り、届けられるときに届けようと決めました。震災の後、秋田でもいろいろものが足りなくなって、ガソリン・スタンドに一時間~二時間並んでた時期ですかね。"あの震災から一週間が経ちました"というニュースがカー・ラジオから聴こえてきて......それでこの「一週間」という曲が浮かびました。

-でも震災の出来事を明確に出した表現はありませんね。

震災は絶対、俺が思うほどそんな簡単な問題じゃないから、歌詞は直接震災には結びつかない内容にしました。

-なるほど。でも、震災を境にバンドの意識も強固になったと。

そうですね、大事にしたいのは"ブレない"ということ。何が起きても強くそこにありたいなと。

-今回のレコーディングで新しく挑戦したことなどはありますか?

プロデューサーを入れた話を抜きにして、個人的に新しくとりいれた感覚は、ギターのリズム・パートを録音してるとき"俺は弾いてない、ノってるだけだ"と弾いてんだか弾いてないんだか分からない気持ちで弾いたら、とてもいいテイクが録れました。

-(笑)。"考えるな、感じろ"というスピリッツに通ずるものがありますね。

まあ、シングルが急に決まったため忙しすぎて、その頃には思考が低下してそうなってしまったというのが事実ですが......。

-それを導き出し、生み出せるのも才能だと思います。5月にフル・アルバムがリリースされるとのことですが、曲作りやレコーディングは順調ですか?

曲は大分揃ってきました。あとはどう纏めるか、どう散らすかですな。

-それは非常に楽しみです。今回のシングルに収録されている3曲は3曲とも違う趣をもった楽曲ですが、アルバムもそうなると期待しても宜しいでしょうか。

勿論そうしたいと思っています。お楽しみに。