Japanese
ニノミヤユイ「痛人間讃歌」MV撮影密着レポート
Writer 宮﨑 大樹 Photo by 上溝恭香
"陰キャのカリスマ"ニノミヤユイが、12月23日にリリースするミニ・アルバム『哀情解離』。本作のリード曲で、ロック・バンド ミオヤマザキ提供による「痛人間讃歌」(アニメ"GUARDY GIRLS"OP主題歌)のミュージック・ビデオ撮影が行われた。
この日は、都内スタジオでのワンショット・シーンから撮影開始。本作のテーマが"陰×ロック"ということもあってか、撮影に臨むニノミヤ自身も髪色を明るくしてロックなヴィジュアルに一新している。加えて、鮮烈な赤の衣装を着込み、さらにロックで大人らしい空気を身に纏ったニノミヤの姿に、思わず息を呑んだ。
色味を帯びたライトが当たったフィルムを背にして、西洋人形を膝に乗せて腰掛けるニノミヤは、大人びた表情でリップシンクの撮影を順調に進めていく。かとうみさと監督も撮影を行いながら"いいですね"とニノミヤの表現を絶賛していた。
ロックで大人びた姿になったニノミヤではあったが、撮影の合間にスタッフと談笑をするときに見せた、人の心を和ませる魅力は健在だ。髪色を褒められたときに"陽キャになれた(笑)?"とおどけてみせる表情も印象的だった。
続いて白の衣装にチェンジして撮影が再開。カメラに見せた訴えかけるような彼女の表情は、見ていると吸い込まれそうになるほどに、見る者を引きつける力を持っている。
スタジオでの撮影を終えると、ロケバスに乗って移動開始。車中でニノミヤは、音楽談義をしたり、スマホゲームで遊んだりと、リラックスした姿を見せる。ちなみに最近の彼女は、これまでに曲提供をしてくれたアーティストはもちろん、THE ORAL CIGARETTESや、MY FIRST STORYなどにハマっているそうだ。
1時間ほど移動して到着したのは、とある電車の車庫だった。「痛人間讃歌」のミュージック・ビデオでは実際の電車を使用して、廃れた電車の中と、日常的な電車の中とで、陰と陽の二面性を表現しているとのこと。
サラリーマンや学生の姿をしたエキストラ数名が参加して、日常サイドの撮影がスタート。監督と演出や動作の確認をしながら順調に進んでいくが、エキストラをいじっていく演出を求められたときには、"人見知りだから難しいです(笑)!"と笑いを誘う場面も。それでも、テイクを重ねていくたびに表現や演技が良くなっていくあたりはさすがニノミヤだ。日常サイドでのニノミヤのソロ撮影も敢行すると、サビのシーンではスタッフが口々に"すごく良かった"と絶賛し、自然と拍手が沸き起こるほどの名演を見せた。
こうして"陽"の撮影は無事に終了。続く"陰"の撮影は日が落ちてから行うこともあり、ここでしばしの休憩へ。付近を散策しながらニノミヤに調子を聞くと"体調がとてもいい。今回のミュージック・ビデオ撮影は動きが多いから血流がいいんですかね。電車の椅子も柔らかいのでつらくないです"と笑顔で話してくれた。
あたりもすっかり暗くなったところで撮影が再開。先ほどまで通常状態だった電車は、内装が荒廃した様子に一変している。スモークが焚かれ、赤や青のライトで照らされたシチュエーションは、まるで異世界に迷い込んだような怪しげな雰囲気になっていた。
ソロ・シーンから撮り始めていくと、一変した車内に触発されたのか、感情を爆発させるような表現を連発するニノミヤ。その表情や動作からは、何か鬼気迫るものを感じる。彼女はこの撮影を経て、アーティストとしてさらに殻を破ったに違いない、と思わされた。リップシンクやイメージ・カットも撮り終え、食い入るようにモニターを確認していたニノミヤは、最後まで映像を観てようやく白い歯を見せた。クライマックスでは、エキストラも仮面を被って撮影に参加。強烈な世界観のロケーションに負けない存在感をキャスト全員が放った映像を収めて、ついに撮影は終了!
最後にニノミヤは満面の笑みで"ありがとうございました!"と挨拶し、家路についた。陰と陽、人間の二面性を体現した映像の仕上がりに、注目していただきたい。
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