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INTERVIEW

Japanese

黒猫チェルシー

2017年02月号掲載

黒猫チェルシー

黒猫チェルシー

Official Site

Member：渡辺 大知（Vo） 澤 竜次（Gt） 宮田 岳（Ba） 岡本 啓佑（Dr）

Interviewer：沖 さやこ

－お話を聞いているとおり、作曲においてもいろいろトライがありますが、「ロックバラード」（Track.10）は渡辺さんの歌詞が先にできていて、そこに岡本さんがメロディとアレンジをつけたそうで。詞先の曲作りは初めてですか？

渡辺：初めてです。"詞先で曲を作ったらどうなるんやろ？"というところから歌詞を書いてみたんですけど、最初はどうしたらいいかわからなくて全然書けなくて。「ロックバラード」はそのあとにポッと浮かんで書いた歌詞なんですよね。それを"これに曲をつけてみてほしい"とみんなに送って、啓ちゃん（岡本）のものが採用された、という感じですね。いい曲を作ってくれました。

岡本：詞先の作り方は好き、というか楽しくできましたね。歌詞を見てメロディがすんなり出てきた。

渡辺：そのあと啓ちゃんのつけたメロディを聴いて"あ、これならもっとクールなトーンの歌詞にしたいな"と思って、AメロとBメロの歌詞を変えて。相互作用で新しいものができたなと思います。面白かったです。

－この曲は音の粒立ちが良くて、音の隙間も気持ちいいです。ドラムの響きもムードがあるし、ギター・ソロとそこに寄り添ったり絡んだりしていくベースも洒落ていると思いました。

澤：こういうアンサンブルは「飲みに行こう」と似た雰囲気はあるかもしれないですね。オールドな感じもするし。でもこの曲はひたすら弾き続けてる「飲みに行こう」とは違って、歌ってる人が弾いてるようなシンプルなギターなんですよね。だからベースの存在感が出るのかも。

岡本：歌詞が先にあったからこういう（シンプルな）曲になったのかもしれないです。一概には言えないけど、今回初めて詞先で作っていったら自然とこうなった、というか。

－次に詞先で作ってみたらどうなるのか楽しみですね。アルバムのラストは岡本さん作曲の「海沿いの街」（Track.12）。8分の6拍子が印象的なミディアム・ナンバーです。

渡辺：歌詞のメッセージで言うと、このアルバムを象徴する内容になったなと。結構最初の方に書いた歌詞なので、まさかタイアップがついたり推し曲になったりするとは思ってもみなくて。期せずして集約された感じになったなと思います。啓ちゃんの作ったデモにメロディが乗ってて、その空気に"海"を感じて。それで"こんな感じで歌詞を書こうと思うんだけど、どう？"と聞いてみたら"こんな感じでOKです"という返答をもらって（笑）。

岡本：長く住んだ街を離れることを決めたときにメロディが浮かんで。でも、曲を作った背景や歌詞については渡辺に話していないので、渡辺はそれを汲み取ってくれたんです。渡辺も街を歌いたいと思っていて、俺もこの曲は街のことを想って書いていたから、繋がっていて。そのままGOという感じでしたね。

－熱い気持ちが込められた、泣ける曲。感動のラストだと思います。「グッバイ」（Track.6）とは違うカラーを持ったエモーショナルなロック・バラードが生まれて、バンドに屈強な柱が2本立ったようにも感じられました。

渡辺：今回作ったデモの中にバラードがいっぱいあって。その中でもメロディまでできているバラードが5曲くらいあって、そこから選んだのが「海沿いの街」なんです。自分たちにとってもミディアム・テンポの曲が軸になりつつあるなと思っていて。

－アルバムで改めて「グッバイ」のシンプルな強さや、素直さが沁みて。単純な言葉ですが、とてもいい曲だと思いました。

渡辺：あぁ、それは僕も思いました。

－デストロイな「恋するハイウェイ」のあとだからなおさらそう感じるのかもしれませんが（笑）。

宮田：あ～、それはそうかもしれませんね（笑）。あの曲のあとやから、すごくよく聴こえる！

渡辺：（笑）曲順って面白いですよね。そういうところまでこだわった、本当に渾身の出来なので、このアルバムをとにかく多くの人に聴いてもらいたい。それで2017年のいいスタートが切れたらと思います。