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INTERVIEW

Japanese

イトヲカシ

2016年10月号掲載

イトヲカシ

Member:伊東歌詞太郎(Vo) 宮田“レフティ”リョウ(Ba/Gt/Key)

Interviewer:秦 理絵

伊東歌詞太郎と宮田"レフティ"リョウによる2人組ユニット、イトヲカシがライヴ・シーンを急激にざわつかせ始めたのは今年に入ってからだと思う。歌い手&ボカロPとしてインターネット・シーンで絶大な人気を得る一方、2013年から精力的に路上ライヴを続けていたイトヲカシ。持ち味である王道のストレートなバンド・サウンドを目一杯詰めこんだミニ・アルバム『捲土重来』は、インディーズながらオリコン週間ランキングで5位に食い込む健闘を見せた。そして、いよいよ彼らは9月21日に両A面シングル『スターダスト / 宿り星』でメジャー・デビュー。音楽に大きな夢とロマンを描くふたりの物語がスタートする。

-最初、イトヲカシっていうユニット名だけ見たあとに、伊東歌詞太郎さんが関わってるユニットだって知って、なんてシャレてるんだ! と思ったんですよ。

伊東:ですよね(笑)。でも、伊東歌詞太郎っていう名前があってイトヲカシになったわけじゃないんですよ。ユニット名をフラットに考えて出てきたんです。

宮田:一番有名な古文だと思うんですよね。"とても趣がある"っていう意味ですけど。僕らの音楽もそういうふうに思ってもらえたらっていう想いを込めました。

-今作をもってメジャー・デビューですが、やはりメジャーは大きな目標でしたか?

伊東:そうですね。バンドを続けるにあたって、いくつか夢があったんです。そのひとつが日本武道館でライヴをすること。理由なんてわからないですけど、ただ憧れがあったんです。あと、親孝行をするために"紅白歌合戦に出たい"という思いも昔からありました。で、その中のひとつに"メジャー・デビューする"ということを考えていたんです。昔に比べたらメジャー・デビューすることのインパクトは薄れてきてると言われてますけど、僕らの中では一切薄れてない。メジャー・デビューはひとつの憧れのステージであり、夢なんです。そんなふうに、いっぱいある夢の1個が叶うんだなっていう感覚ではありますよね。

宮田:いわゆる音楽バブルを多感な時期に経験したので、アーティストが飛び立っていく過程にメジャー・デビューがあるのは当然だ、ぐらいに考えてるんです。なので、そこを通過できる嬉しさはありますね。かと言って、それで僕らの音楽性が変わるかと言ったら、一切そんなことはないので。ひとつ変わった点と言えば、僕らを支えてくれるチームができたぶん、そういう人の気持ちも背負っていかなくてはいけないなっていう思いが生まれたことです。


"お前はサラリーマンになれば金持ちになれる"って言われるんですよ。でも"うるせぇ! 夢っていうのは、そういうのじゃねぇんだ"っていう


-"夢がいくつかある"っていうのは、他にどんなものがあるんですか?

伊東:ざっくりまとめると、多くの人に僕らの音楽を聴いてもらうっていうことなんですけど、そこに至るまでにもいっぱいあります。"フェスに出たい"、とか......。

-今年の夏に出演した"ROCK IN JAPAN FESTIVAL"も夢だったそうですね?

伊東:そうなんですよ。あとは"ミュージックステーション"にも出たいし、もう叶わないですけど"(笑っていいとも!の)テレフォンショッキング"に出るのも夢だったんです。

宮田:本当に夢はいっぱいありますよ。"レコード大賞を受賞する"とか......これを言うと笑われますけど、グラミー賞だって取りたいと思ってますから。

伊東:あと、イトーヨーカドーでオルゴール・バージョンの曲が流れるぐらいスタンダードになりたいですし。

宮田:電話の保留音とかね。CARPENTERS、THE BEATLESみたいな感じで。

伊東:それぐらいポップス史上に残る曲を書きたいんですよ。音楽に夢を見てるんです。"音楽に夢はない"ってバンド時代から何度も言われてきましたけど、"そうだね"って頷いたことは一度もないし、他人に"音楽に夢がないよ"って言ったことも一度もない。僕は、音楽は夢だらけだと思ってます。

-良い2人組ですね(笑)。音楽は夢だらけって思ってもなかなか言えないですよ。

伊東:だってそうじゃないと虚しいじゃないですか。よく言われるんですよ、"お前はサラリーマンになった方が絶対に金持ちになれるよ"とか。でも、"うるせぇ! 夢っていうのは、そういうのじゃねぇんだ"っていう(笑)。

宮田:いろんな生活の営みがあっていいと思うんですよね。僕らは"やりたいことをやる"っていうことを人生のテーマに置いているので。そこは嘘をつきたくないし、貫きたいんです。

-今回はSkream!初登場なので、そんなふたりがなぜ4年前から一緒に音楽活動を始めたのか、そのあたりからうかがえればと思うんですけど。

伊東:僕らは同じ中学校だったんですけど、2年生のときに一緒にバンドを組んだのが音楽キャリアのスタートなんです。で、そのバンドが解散してしまってからは全然違うバンドでずっと音楽活動をしていたんですけど、4年前ぐらいにお互いのバンドが同じ時期に解散したんですよ。それで"一緒にまたなんかやってみよう"って始めたのがイトヲカシなんです。

-人生で初めて組んだバンドのメンバー同士が十数年後も音楽を続けてて、たまたま同じ時期にバンドがなくなって、"また一緒にやろう"ってミラクルですよね。

伊東:巡り合わせみたいなものを僕は信じてるんですよ。4年前にバンドを解散してなかったら、たぶん一緒にやることはなかったし、その偶然が必然だと思うんです。

宮田:やってた音楽のジャンルも結構違ったんです。僕が前にやってたバンドはミクスチャー系のラウドな感じで、実はSkream!さんにもインタビューしてもらってたんですよ。で、彼(伊東)はギター・ロックみたいな感じの音楽をやってるバンドだったんです。音楽経験をそれぞれ積んだうえで、今一緒にできるのは本当に奇跡に近いですよね。もし、今より10年ぐらい前にそういうタイミングがあったとしたら、また全然違うものになってたかもしれないし。