Japanese
十五少女、"生き(息)苦しさ"を赤裸々に綴ったシネマティックEP『HATED』リリース。エピローグ・トラックとしてピノキオピー「ノンブレス・オブリージュ」カバーも収録
2021.09.01 11:15
15人の仮想少女からなる"十五少女"の1st EP『HATED』が、本日(彼女たちいわく終わらない夏の終わりである8月32日)リリースされた。
新進気鋭のボカロP"かいゑ"プロデュースによる5作連続先行シングルに、ボカロ・シーンを牽引しながら自身もアーティストとして活躍する"ピノキオピー"の「ノンブレス・オブリージュ」のカバーをボーナス・トラックに加えた6曲/約25分。それを聴き終えたあとに得られるのは、映画館を出たあとの眩しすぎる空の蒼白さのようだ。
今作は、一貫して"死"("HATED"というタイトルは"DEATH"のアナグラムになっている)がテーマ。曲間/曲中に楽曲が奏でる物語に没入するためのトリガーとして機能するサウンドスケープ(環境音)が配置され、まるで1本の長編映画のようなノンストップ・ミックスだ。
物語は、大切な "キミ" を亡くした主人公の抒情から始まる。そこには死に対する本質的な諦めが漂っている。本当の死とは肉体が消え去ることではなく、残された人々の心の中から忘れ去られること。"忘却"という残酷な真実の前で主人公が力なく空に祈る"願い(せめて空くらいは毎年忘れずに泣いて=雨を降らして欲しい)"が切ない。
次曲では、空に吸い込まれるように屋上へと駆け上がっていくキミの回想が描かれる。その目に "今日だけ" は非常に美しく見える日常。主人公の普段が過酷だった証しだ。"星や鳥だった頃を思い出す"と自身に言い聞かせながら軽やかに登る階段は、天国ではなく生に続いていると信じたい。
十五少女 ///「今日だけは。from HATED(8.32 DROP)」// Leak Video
3曲目は、先立った側から"忘却(自分が忘れ去られていく事)"に対する"諦め(許し)"が語られる。"振り向かないで"と主人公を突き放すキミ――人はみんな、忘れ去ることで再び前を向いて生きて逝ける。そして、後半、本作は音楽が描くことのできる限界を超えた悠久に挑戦していく。遠くの宇宙で起こること、この星が生まれた刹那から人がまだ人でなかった時代のこと、火や鉄を手に入れてからの現代、そして、今はもう隣にいないキミのこと。想像も届かない広大な空間や永遠に想いを馳せることは、眼前の現実を受け容れることに繋がっているのかもしれない。
最後に母なる海へと還っていく主人公。"二度と祈らない"と宣言し、大切な人を失くして思い知った"偽悪"を謳いながら水面へと飛び込む。深く深く沈んでいくとやがて無音に包まれ、自分自身の心音だけが海底に溶けていく――物語はエピローグ(ボーナス・トラック)へとコネクトされる。"高貴さは(義務)を強制する"という意味を持つ"ノブレス・オブリージュ(仏;noblesse oblige)"をモチーフとした「ノンブレス・オブリージュ」が始まる。息を止めることを強制されるような現代の息苦しさ=生き苦しさが赤裸々に吐露されていく。このカバーにも"HATED"の文脈が流れている。初音ミクが歌うピノキオピーによるオリジナルは新たな世界へと踏み出す決意のようなブレス(深く息を吸い込む)音で終わるが、今回のカバーには、その大事な音が入っていない。しかし、もともと、1曲目の「君が死んだ日の天気は」がブレスから始まっており、ループで聴くと初めてその息が、死が生と表裏一体であるように、終わりの始まりとして機能する。
十五少女 ///「君が死んだ日の天気は from HATED(8.32 DROP)」// Leak Video
ボーカロイドだからこそ表現できたはずの"死の冷ややかさ"と"人が歌うには余りに困難な旋律"。今回、十五少女が、表面張力のような瀬戸際の美しさで全編を謳い切った。十代の彼女たちが、あえて"死への嫌悪(HATED DEATH)"を真正面から歌う事に意味があることは、この音源を聴けば伝わるはずだ。聴き手も、作り手も、歌い手も、皆、死にゆく人間だからこそ伝わる痛烈な何か――"死に対する非力さから生まれる強さ"のようなエンパシーがそこにあるからだ。その上で"輪廻"という一縷の光が組み込まれた今作。いつだって十五少女が歌うのは、大仰なメッセージでも理想的な愛でもない。多様な時代を多感に生きる若者が日々感じる"言い様のない不安"や"行き場のない焦燥"など、その月並みな日常の非常に寄り添った"MICRO MUSIC"と呼ばれる些細な大事(オオゴト)だ。
▼リリース情報
十五少女
1st EP
『HATED』
NOW ON SALE
1. 君が死んだ日の天気は
2. 今日だけは。
3. 何度死んでも構わない。だから
4. 還る
5. 死にたいと言ってくれ。
6. ノンブレス・オブリージュ - 十五少女 Cover
配信はこちら
7thシングル
「死にたいと言ってくれ。」
NOW ON SALE
配信はこちら
6thシングル
「何度死んでも構わない。だから」
NOW ON SALE
配信はこちら
5thシングル
「今日だけは。」
NOW ON SALE
配信はこちら
4thシングル
「君が死んだ日の天気は」
NOW ON SALE
配信はこちら
3rdシングル
「還る」
NOW ON SALE
関連アーティスト
十五少女LIVE INFO
- 2025.08.16
-
Bye-Bye-Handの方程式
reGretGirl
リーガルリリー
Eve
"RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO"
フレンズ
豆柴の大群
"SUMMER SONIC 2025"(大阪)
Faulieu.
Novelbright
Ivy to Fraudulent Game
レイラ
私立恵比寿中学
Keishi Tanaka / 荒井岳史 / TGMX(FRONTIER BACKYARD) ほか
Billie Eilish
ユアネス
"SUMMER SONIC 2025"(千葉)
- 2025.08.17
-
Bye-Bye-Handの方程式
reGretGirl
Eve
四星球 × G-FREAK FACTORY
PIGGS
金子ノブアキ
POP DISASTER / sfpr / waterweed
ビレッジマンズストア
PK shampoo
"SUMMER SONIC 2025"(大阪)
Novelbright
GOOD ON THE REEL
私立恵比寿中学
Billie Eilish
"SUMMER SONIC 2025"(千葉)
PENGUIN RESEARCH
- 2025.08.19
-
Hump Back
キュウソネコカミ
THE BAWDIES
YOASOBI
bokula.
- 2025.08.21
-
PENGUIN RESEARCH
THE BAWDIES
TENDOUJI
YOASOBI
GANG PARADE
金子ノブアキ
KALMA
キュウソネコカミ
"LIVEHOLIC / ROCKAHOLIC Candye♡Syrup (美容室) 10th Anniversary Party"
- 2025.08.22
-
奏人心
KING BROTHERS
"WILD BUNCH FEST. 2025"
TENDOUJI
THE BAWDIES
終活クラブ
YOASOBI
JunIzawa
ナナヲアカリ
Broken my toybox
RAY
フレンズ
Rei
キュウソネコカミ
- 2025.08.23
-
PENGUIN RESEARCH
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
大森靖子
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
LOCAL CONNECT
浪漫革命
リーガルリリー
Buzz72+
Appare!
佐々木亮介(a flood of circle)
w.o.d.
Eve
マオ(シド)
- 2025.08.24
-
大森靖子
"Sky Jamboree 2025"
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
cinema staff
LOCAL CONNECT
ビッケブランカ
Eve
マオ(シド)
小林柊矢 / 心愛 -KOKONA- / 虎鷹 / 荒木一仁 ほか
- 2025.08.25
-
Hump Back
神聖かまってちゃん
THE YELLOW MONKEY
- 2025.08.28
-
KALMA
Maica_n
ビレッジマンズストア
THE BAWDIES
22/7
- 2025.08.29
-
the cabs
神はサイコロを振らない
Bye-Bye-Handの方程式
安藤裕子×清水ミチコ
そこに鳴る
ゲスの極み乙女 × 礼賛 × roi bob
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
- 2025.08.30
-
Kroi
reGretGirl
ナナヲアカリ
木村カエラ / OKAMOTO'S / 原因は自分にある。 ほか
豆柴の大群
ビレッジマンズストア
アーバンギャルド
天女神樂
ぜんぶ君のせいだ。
"ナノボロ2025"
Maica_n
"RUSH BALL 2025"
ビッケブランカ
レイラ
9mm Parabellum Bullet / THE BACK HORN / ACIDMAN / yama ほか
PIGGS
eastern youth
Appare!
VENUS PETER
GRAPEVINE
Lucky Kilimanjaro / 眉村ちあき / 森 大翔
崎山蒼志
セックスマシーン!!
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
NEK!
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
Faulieu.
- 2025.08.31
-
reGretGirl
Broken my toybox
BLUE ENCOUNT / スキマスイッチ / 家入レオ / CLAN QUEEN ほか
ビレッジマンズストア
大森靖子
"ナノボロ2025"
"RUSH BALL 2025"
HY
GOOD BYE APRIL
Nothing's Carved In Stone / Base Ball Bear / ヤングスキニー / GLIM SPANKY ほか
ぜんぶ君のせいだ。
LACCO TOWER
なきごと
四星球 × G-FREAK FACTORY
RAY
Miyuu
GANG PARADE
ONIGAWARA
伊東歌詞太郎
ZAZEN BOYS
PK shampoo
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
Academic BANANA / Yeti / BACKDAV
RELEASE INFO
- 2025.08.20
- 2025.08.22
- 2025.08.27
- 2025.08.29
- 2025.09.01
- 2025.09.03
- 2025.09.05
- 2025.09.10
- 2025.09.12
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.08
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ExWHYZ
Skream! 2025年08月号