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十五少女、"8月32日"リリースの1st EP『HATED』より「還る」配信。ケイゴイノウエによるキャラクター・デザインも初公開

2021.07.07 10:50

十五少女、"8月32日"リリースの1st EP『HATED』より「還る」配信。ケイゴイノウエによるキャラクター・デザインも初公開

これまで明らかになったのは声のみ、それ以外すべてがベールに覆われた"十五少女"の最新シングル「還る」が本日7月7日にリリースされた。今作は、終わらない夏の終わり:8月32日に発売が予告されているEP『HATED』からの先行シングル。
 
今作の作詞作曲を手掛けたのは"かいゑ"。そのデカダンスな音楽性は、分類不可の広域な独創に終始している。ごく標準的な数分を擁する楽曲だが、それを聴き終えたあとに広がるのは宮沢賢治の長篇や中原中也の詩集の読後感、あるいは、映画館を出た直後に眩し過ぎる日常への過敏な倦怠感が溶け込んだ空の蒼白さのようだ。
 
普段はVOCALOIDによる楽曲を発表しているかいゑが、これまでにも赤裸々に、あえて冒涜的にも描いてきた"誰にも必ず訪れるからこそ不平等に感じられる死の冷ややかさ"は、VOCALOIDでこそ表現できる旋律として、人が歌うにはあまりに難しく配置されてきたが、今回、十五少女の"猪野アン"は、表面張力のような瀬戸際の美しさでそれを歌い切っている。
 
十代の少女が、あえて"死への嫌悪(HATED=嫌悪は、DEATH=死のアナグラム)"を真正面から歌うことに意味があることは、この音源を聴けば伝わるはずだ。聴き手も、作り手も、歌い手もみんな死にゆく人間だからこそ伝わる痛烈な何か――"不条理で圧倒的な死に対する非力さから生まれる強さ"のようなシンパシーがそこには確かにある。
 

 
同時に、"猪野アン"の描かれた大胆不敵で緻密なジャケットも公開された。これまで声のみの存在であった十五少女の姿(イラスト)が、初めて公開された形だ。キャラクターのデザインを手掛けたのは、人物をかたどるシンプルな線とエキセントリックな視覚エフェクトを駆使したイラストともムービーとも言える次世代デジタル・アートで、国内外から大きな注目を集めるアーティスト"ケイゴイノウエ"。これまでリリースされた十五少女の2枚のシングルに描かれた楽曲のペルソナもケイゴイノウエによる作品だったことが明らかになった。加えてグラフィックやロゴのデザインを手掛けたのは、ケイゴイノウエとも親交のある"ゆうたONE"。自らをヘッズとオタクの間で揺れると称するとおり、ストリートとインターネット・カルチャー、あるいは、アナログとデジタルを自由自在に行き交うスタイルで独歩するデザイナーであり、タイポグラファーでもある。十五少女のオリジナル・フォントも彼の手によるものだ。

 

▼リリース情報
十五少女
3rdシングル
「還る」
15shoujo_kaeru.jpg
NOW ON SALE
 
配信はこちら

 
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