Japanese
WOMCADOLE
Skream! マガジン 2021年12月号掲載
2021.11.08 @LIQUIDROOM ebisu
Writer 秦 理絵 Photo by ハライタチ
"俺らは生きているんだ、痛くても生きているんだ"。ライヴの終盤、「アルク」の曲中で、樋口侑希(Vo/Gt)はそんなふうに叫んだ。この日のライヴで、WOMCADOLEはずっとその一点を叫び続けていたような気がする。愛の歌も、希望の歌もあった。その中でずっと伝え続けていたのは、"今生きている"ということだった。8月から開催してきた"近今感魂ツアー"のファイナル(※振替公演を除く)。会場はバンドとしては3度目となるLIQUIDROOM ebisuだ。
今年7月に発表された最新アルバム『旅鴉の鳴き声』の収録曲「紫陽花」から幕を開けた。マツムラユウスケが繰り出す疾走感のあるギターのアルペジオ。躍動感のある黒野滉大のベースと、安田吉希の重たくて速い弾丸のようなドラムが重なり合い、爆発力のあるバンド・サウンドがフロアのお客さんを出迎える。吠えるようにメロディを紡ぐ樋口が、"お前らは弱くない!"と歌の合間に叫んだ「軌跡」では、その想いに応えるようにフロアから一斉に拳があがった。
"俺、興奮して勃起しそうなんですよ(笑)"。最初の3曲を終えて、すでに"いいライヴになる"という予感を得た樋口。"来たからにはネジの5本や6本は外して帰りましょう"と気合を込めると、ライヴの熱量はさらに加速していった。「人間なんです」では、思い切りジャンプをしたマツムラがそのままステージに転がり、「応答セヨ」では、立ち上がった安田が腕をぐわんぐわんと全力で振り回しながらスティックを打ち下ろす。一瞬たりとも身体を休めることなく、激しく動きまわるステージは、これぞロック・バンドのライヴという無敵感が漂いまくっていた。
"どうしようもねぇ夜を、ぶち壊してぇ夜を、飛び越えてぇ夜を。そんな夜あるよな? お前らにも。だったらかかってこい!"。ギターをかき鳴らし、挑発するような樋口の言葉を皮切りに、滑空するようなバンド・サウンドが不安や迷いを昇華していく「夜間飛行」、そして、ステージに光が溢れ、「mirror」へ。中盤は、このツアーの中心である最新アルバム『旅鴉の鳴き声』の曲たちが肝になった。心音のような低音が刻まれるなか、"本当の自分はなんなのか?"を問い掛ける「mirror」の切実な歌詞は、ステージの上で絶対的な存在感を放つ樋口の、繊細で、臆病な一面を強く浮き彫りにする。
後半はハイライトに次ぐハイライトだった。"懐かしい曲をやってもいいでしょうか?"と突入した「オレンジと君とサヨナラと」では、忘れてはいけない想いを改めて刻みつけるように、樋口は自らの胸を強く叩きながら歌った。圧巻は「馬鹿なくせして」だ。ギター1本で歌い出し、途中でバンドの演奏が加わると、"痛いに決まってんじゃんか。でも、それでもやめられないんだ!"と、樋口は"生きること"への想いをぶちまけるように叫んだ。"眠れない夜だってあるし、玄関で靴を履くのもしんどい瞬間もある。それでもね、ちょっとの勇気を振り絞って、今日もなんとか生きようと思うのはあなたがいるからだ。誰かのために優しさを使ったとき、それを優しいロックと呼ぶ。俺は優しいロックが好きなんだ。無理やりじゃない。強引じゃない。あなたを想ってる、あなたを想っている!"と。そう叫び、歌い切ったあと、一瞬しんと静まりかえった会場からワンテンポ遅れて湧いた大きな拍手が、その歌に込めた想いがお客さんにも確かに伝わっていることを物語っていた。
"ツアーが始まる前は希望よりも不安のほうが多かった"と、本音を漏らした終盤のMC。そこで樋口は"死んでやろうかと思ってました"とまで口にしたが、そんな自分を救ったのは、会場で待っているであろうお客さんだったという。"みんなの前でロックをするのが好きです。ちゃんと手を繋いでる感じがしませんか? あったかいわ"。そう言って、マツムラの温かなギターのイントロを皮切りに、揺れるテンポで紡いでいく淡いミディアム・バラード「ラブレター」へ結んだ。"俺たちの夢の果てまでついてきてくれますか?"と力強く問い掛けた「ペングイン」のあと、全員がこれでもかと暴れまわった「アルク」と、疾走感あふれる「アオキハルヘ」で怒濤のクライマックスへ。本編のラストを飾ったのは、言いようのない祝祭感に包まれた「hey my friend」だった。そのエンディングの長い長いセッションでは、一瞬、目の前にお客さんがいることを忘れたかのように、4人はひたすら楽しそうに演奏に没頭していた。その姿そのものが、こんなふうに無心で笑える瞬間があるからこそ"生きること"に立ち向かえるのだと、そんな真実を伝えるようで、無性に胸を打つフィナーレだった。
アンコールでは、まるで楽屋のようなノリでだらだらとトーク・タイムを続けるメンバー。そのうえ楽器チェンジで遊ぼうとしたところで、袖にいるスタッフからのストップがかかり、演奏に移った。"魂の温度は保ち続けてください。俺たちは全員で待ってるから"。そんな樋口の言葉と共に、このライヴハウスの扉を出たあとも、再び始まる日常への闘争心を焚きつける「ライター」と、次にライヴハウスで会う日まで、生き続けるという"約束"を交わす「綴リ」で、全20曲のライヴを締めくくった。
"約束"は希望だ。痛みを伴う人生の中で、未来に楔を打ち続けることが生きる意味になる。この日、WOMCADOLEと小指を掲げて交わした約束は、きっと私たちを強くしてくれる。
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