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夢みるアドレセンス

Skream! マガジン 2018年08月号掲載

2018.07.05 @六本木morph-tokyo

Writer 杉江 由紀

夏は一瞬で過ぎ去ってゆく。関東では観測史上最速の梅雨明けを6月末に記録した、その数日後のこと。六本木morph-tokyoにて自らの主催するツーマン・ライヴ"YUMELIVE DEATH MATCH VOL.03 supported by Skream!"を行っていたのは、"夢アド"こと夢みるアドレセンスだ。

特に本誌読者へ向けた情報を明記しておくならば、彼女たち夢アドは"楽曲派アイドル"としても認知されている存在で、これまでには真心ブラザーズ、オカモトショウ(OKAMOTO'S)、志磨遼平(ドレスコーズ)、首藤義勝(KEYTALK)、MINMI、川谷絵音、大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)、こやまたくや(ヤバイTシャツ屋さん)など、豪華クリエイター陣による楽曲を次々と発表し、アイドル・ファン層以外の音楽ファンまでをも取り込みながら、ここまで邁進し続けてきたことになる。

"改めましてこんばんは、夢みるアドレセンスです。みなさん、盛り上がってますか? 今年の夏はいっぱいフェスとか、イベントとかあるので、夏も私たちと楽しく過ごしましょう! 一緒に思い出作ってくれますか! 夢アドと一緒に日焼けしてくれますか! よーし、じゃあ今日もここからみんなで盛り上がっていきましょう。今から夏らしい曲をやるので、よろしくお願いします。聴いてください。「Hi! Summer Dreamer」!"

そもそも、ライヴの冒頭からして「くらっちゅサマー」、そして「ひまわりハート」と夏をテーマにした楽曲を連投していたこともあり、この夜の夢アドは完全に夏モードになっていたことになる。ただひとつだけ、このステージでは問題も勃発していた。

というのも、今回のツーマンにおいてゲストとして先に登場した3人組アイドル"まなみのりさ"のライヴ中に、夢アドのメンバー全員がステージへと乱入してまなみのりさの持ち曲である「waveびーと」を2組でコラボするひと幕があったのだが、なんとここで熱演のあまり夢アドのメンバー 水無瀬ゆきが足の小指を負傷する、という予想外のアクシデントが発生してしまったのである。

結果、夢アドのライヴが始まってからの水無瀬はケガの状態から椅子に着席してのパフォーマンスを余儀なくされることとなってしまったが、それを荻野可鈴を筆頭としたメンバーたちがフォローしたうえで、普段とは少し違うダンス・フォーメーションを繰り広げながらも志田友美、小林れい、京佳、山口はのん、山下彩耶を含めたメンバー全員で渾身のパフォーマンスを見せつけてくれることに。突然の事態にも動じることなく、しっかりとしたステージングを見せた夢アドの気概はなかなかのものであったと言えよう。さすがはフェスなどで場数を踏んできただけあるものだ。

なお、この夜は後半戦にて山下がセンターを務める最新シングル「メロンソーダ」が披露され、ここではキラキラ、キュンキュンとした旋律と、はやる恋心や微笑ましいジェラシーを描いた歌詞が、メロン・グリーンの衣装を着た夢アドの涼やかな歌声とキュートなダンスによって、可憐に供されることとなった。

そのうえ、アンコールでは「サマーヌード・アドレセンス」で盛り上げてみせるなど、それなりに限られた時間ではあったものの、夢アドの持つポテンシャルは最大限に具現化されていたと言っていい。

イベントやフェス三昧の今夏を経て、夢みるアドレセンスが秋を迎えるころにどんな成長を遂げているのか。今から非常に楽しみだ。

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