Japanese
The Mirraz
2014.04.27 @代官山UNIT
Writer 山口 智男
The Mirrazが毎年、自分たちが共演したいバンドに声を掛け、4月27日に開催している自主企画イベント"PYRAMID de 427(シニナ)"。開催7年目となる今年は、ふくろうず、東京カランコロンを迎え、昨年に引き続き"ピラミッド対バン"スタイルとなった(因みに翌28日には"PYRAMID de 428(シニヤ)"と題して、キュウソネコカミとN'夙川BOYSとともに"PYRAMID de"初の試みとなる大阪公演も敢行した)。
満員の観客が見守る中、東京公演は2年連続出演となる、ふくろうずのライヴでスタート。バンドのウェブサイトでは"ただのJ-POPバンド"と謳っているけれど、内田万里(Vo/Key)の歌声も含め、ふわふわしたサウンドの中にエキセントリックな魅力が見え隠れする演奏を聴くかぎり、とても"ただのJ-POPバンド"とは思えない。個人的には、MAGAZINE時代のJohn McGeochを連想させる(ってたとえがわかりづらっ!)フレーズを奏でる石井竜太(Gt)のギター・プレイにシビれた。昨年"427"に出演したことをきっかけにThe Mirrazと親交を深めたという彼らは途中、安西卓丸(Ba/Vo)がThe Mirrazの畠山承平(Vo/Gt)とメル友だというエピソードを交えながら、6月18日リリースの新作『マジックモーメント』から新曲「37.3」も披露。そして、"ふくろうずはこういうバンド"とポップな魅力とメランコリーが絶妙に入り混じる「砂漠の流刑地」で演奏を締めくくった。
一方、The Mirrazからの誘いならとARABAKI ROCK FEST.14のステージを終え、駆けつけた東京カランコロンは1曲目の「少女ジャンプ」からハイテンションのパフォーマンスを展開。ふくろうずのムーディーなパフォーマンスに見とれていた観客もカラフルなサウンドと激しいビートに反応して、踊りはじめた。多彩な曲がややもすれば、聴き手を翻弄することもある彼らだが、ニュー・シングル「恋のマシンガン」も披露しながらラストの「泣き虫ファイター」まで、一気に駆け抜けたこの日のライヴはいちろー(Vo/Gt)とせんせい(Vo/Key)のツイン・ヴォーカルを軸にアピールしたパワフルかつポップなバンド像が印象的だった。
そして"THE ROAD of the RINGOS~Tokyo to Osaka"という今回のイベント・タイトルに因んで"ロード・オブ・ザ・リング"のパロディとも言えるメンバー自ら出演した10分ほどのショート・ムービーを上映したのち、今夜のメイン・アクト、The Mirrazが登場。「レディース&ジェントルマン」をキメたあと、スーツを着ていた畠山は"THE BAWDIESです"と後々"完全にスルーされた"と後悔することになるジョークを飛ばすと、「CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい」「気持ち悪りぃ」「スーパーフレア」「真夏の屯田兵~yeah!yeah!yeah!~」とたたみかける。性急なビートとガレージ・ロック風のギター・リフを持ったキラー・チューンの連打にそこにいる(ほぼ)全員が踊りくるい、スタンディングの客席はあっという間に熱狂と興奮の坩堝と化した。
その後もバンドはだらだらとしたMCなど挟まず、次々に曲をたたみかける。新曲「SUSHI A GO! GO! GO!」も披露。本気なのか冗談なのかいまひとつわからないところがThe Mirrazらしい。この日のハイライトは何と言っても、5月21日リリースのニュー・シングル「この惑星のすべて」。いわゆるThe Mirraz節を踏襲しながらも新しいリズムとドラマチックな展開がバンドの最新モードをアピール。刹那的とも言える熱狂を作り出すこれまでのThe Mirrazとはちょっと違うポジティヴなヴァイブにはっとさせられたファンも多かったはず。
そして、アンコールでは"アンコールで新曲をやるという愚の骨頂をやります"と4つ打ちのリズムが印象的な新曲「プロタゴニストの一日は」を披露。"愚の骨頂"は畠山一流のジョークだとしても、改めて歌詞を読んでみると、この曲をこの日、ここで演奏することにはちゃんとした意味があったのだろう。ラストは、ふくろうず、東京カランコロンのメンバーをステージに呼び、全員で「観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは」を演奏した。途中、畠山からギターを渡された、ふくろうずの石井が即興でギター・ソロを奏で、3時間半におよぶイベントを締めくくったのだった。
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