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INTERVIEW

Japanese

Another Diary

2025年08月号掲載

Another Diary

Member:YUNA(Vo/Ba) COCO(Gt) GOMI(Dr)

見失わない気持ちを持っているのが一番大事。何を届けるかとなったときに、それがある人とない人で全然違う


-GOMIさんがお2人に声を掛けたときは、こんなバンドがやりたいってヴィジョンがあったというよりは、この2人とバンドがやりたい気持ちのほうが強かったんでしょうか。

GOMI:私がどんなバンドをやりたかったのかというと、楽器を始めたいなとか、音楽っていいなと知るきっかけになるバンドをやりたいと思っていて。私としては、ポップ・ロックの中でガールズ・バンド・ブームを起こしたいと考えているんです。より多くの人に知ってほしいし、ガールズ・バンドっていいよって伝えたいし、同じように夢を持つ人を増やしたいんですけど、そう考えたときに、別に経験者ということはマストではないんじゃないかなって思っていて。ただ、音楽が好きっていう気持ちとか、夢に向かって頑張る気持ちは必須。だから経験者問わず、一緒にやりたいと思える人、同じような熱量を持てる人と一緒にやりたいっていうのが、自分の中で声を掛けるときの基準でしたね。

-技術よりも気持ちを大事にしたと。

GOMI:気持ちがあれば技術は付いてくるというか。本当に気持ちがある人には必然的に比例して技術もくっついていくし、そういう人だったらいろんな人が助けてくれるし。だから、見失わない気持ちを持っているのが一番大事かなと思って。音楽に何を乗せて伝えるか、何を届けるかとなったときにそれがある人とない人で全然違うから、そこだけは譲れないなと考えてました。

-大事なポイントですね。メンバーを発表した10日後に、「タイトル一緒のダイアリー」(2025年3月)という楽曲を公開されたわけですが、曲を最初に聴いたときにどう思われました?

GOMI:初めて聴いたときに、みんな"泣いた"って言っていて(笑)。

YUNA:はははは(笑)。歌詞って人それぞれ解釈するものだと思うので、そのときに感じたことは一緒じゃないかもしれないんですけど、3人揃って"泣いた"というのは、それぞれ違う思いがあったけれども、この楽曲に対して向き合った気持ちは一緒だったんじゃないかなって。なんでそれぞれ泣いたのかは知らないんですけど(笑)。

-では、まずはYUNAさんがなぜ泣いたのか、じっくりお聞きしていきますか。

GOMI:ははははは! 聞きたい!

YUNA:いやいや(笑)。これが自分たちの楽曲なんだって思ったらやっぱり込み上げてくるものはありましたね。実際にレコーディングをしてみて私は今まで自分の声で最初から最後まで録音したことがなかったんですよ。グループ活動をしていたときはパート分けされるので、フルで歌ったことがなくて。でも、メンバー2人が私の声を信用してくれて、好きなように歌っていいよって言ってくれて歌った、初めての曲だったんですよね。だから、ずっと頑張ってきて、やっと最初から最後まで自分の声で歌えた楽曲ができたことに、自分の中ですごく感動しちゃって。そのときも涙しましたね。自分がフルで歌える未来があったんだっていう。これがスタートだなって思えた楽曲でした。

-歌詞でグッときた部分もありました?

YUNA:歌詞は本当に全部好きなんですけど、ライヴのときにどうしてもウッと来ちゃう部分があって。落ちサビの"忘れてしまえよ全部"ってところなんですけど、その部分が来るとどうしても涙がこみ上げてくるというか。変な気持ちになっちゃいますね(笑)。

GOMI:うん、分かる。

-COCOさんが泣けた部分というと?

COCO:曲を全部聴いたときに最初にパッと思い浮かんだ景色がすっごく大きなステージで。たくさんの人の前でラストのアンコールでやっている光景の映像が、なぜか分からないんですけど頭に流れてきて、そんな景色が想像できる曲だったというか。"あぁ、バンドが始まるんだなぁ"と思ったし、最初に相応しい曲だなって感じましたね。

-たしかにそれはグッと来ますね。GOMIさんはいかがです?

GOMI:曲調はすごくストレートでまっすぐなんだけど、歌詞は心の中のもどかしさとかを書いていて。それに対して感情が乗る部分が、今までずっとバンドをしたいと思いながら、逃げたことも、諦めそうなときも何度もあったし、でもやっぱりという気持ちには勝てないよねってところもすごくあるからこそ、歌詞はどの部分も私はすごく好きだなと思っています。共感する部分がすごく多いし、最初にリリースするのに相応しい楽曲を作ってもらえたことだったり、こうやって好きな人たちと一緒にバンドを組めた嬉しさだったり、感動だったりってところですかね。そういうところに泣いちゃいました(笑)。

-いい1曲目になりましたね。今年の5月に新代田LIVE HOUSE FEVERで、初ライヴ"GIRLS ROCK PARTY 〜PROLOGUE〜"を開催されたわけですが、そちらはいかがでしたか?

GOMI:今までライヴをしていたときって、自分のことばっかりで、途中でパニックになっちゃうこともあったんですけど、Another Diaryの初ライヴのときは、すごく安心してドラムが叩けたことに自分でもびっくりしました。それはこの2人だからこそっていうのが絶対にあるなと思ってて。2人のもとで叩くドラムは楽しいし、今までの感覚と全然違う感じがありましたね。自分の視野が広くなるような感じというか。

-かなり落ち着いて叩けたと。

GOMI:初ライヴまで結構ハードに詰めてやっていたんですよ。その期間、3人一緒に切磋琢磨しながらやっていたという過程があったからこそ、安心して一緒に演奏できる、一緒にステージを感じることができたんだろうなって。やっぱり2人への信頼はすごく大きいんだなって思いました。

-COCOさんは初ライヴはいかがでしたか?

COCO:これまでステージに立ったこともなかったので、不安というか怖さはあったんですけど。いざ立ってみたらファンの人の顔もよく見えるし、ステージでは下手側にいたんですけど、左側を見ると2人がいてチラっと見るとニコって笑ってくれたり、2人が楽しそうにMCしてるのを眺めていていいなって思ったり(笑)。緊張はめちゃくちゃしていたんですけど、緊張よりもファンの方の笑顔が眩しくて、この笑顔をずっと見ていたいというか、守りたいと感じて。そんな気持ちでやるライヴってこんなに楽しんだという感情のほうが、緊張よりも勝っていたので、素直に楽しかったですね。

-なんていうかシンプルにすごいですね。楽器を始めて半年ぐらいで、初ライヴで、メンバーやお客さんの顔を見れる余裕があるのって。

GOMI:ほんとですよね?

-ハートも強いというか。

GOMI:そこはもういっぱい詰めて練習してくれていたので。

-練習の賜物だと。YUNAさんの初ライヴの感想というと?

YUNA:私は死ぬ程緊張しましたね。やっぱりヴォーカルなので負担が大きいというか、歌の心配があまりにも大きすぎて。今までだったら誰かに頼る気持ちもあったんですけど、私がちゃんとしないと......っていう責任を感じていて、ステージに立つギリギリまで不安がすごかったんですよ。でも、2人がいる安心感はもちろんあったし、お客さんもみんな温かくて、その瞬間に私大丈夫かもみたいな気持ちになったんですよね。あとは、すごく不思議な感覚があって。

-というと?

YUNA:今までのライヴやステージ上の記憶って、実はあんまりないんです。ステージにいる自分はすごく大好きなんですけど、大好きっていう記憶しかなくて。でも、(今回の)1stライヴのときは全てをすごく鮮明に覚えているんです。お客さんの表情とか、2人がこっちを向いて笑ってくれたときの表情とか、自分がどこで間違えたかとかも覚えていて(笑)。今までステージには何十回、何百回と立ってきたはずなのに、これまでと全然違う空間にいて、この感覚はなんなんだろうと。それがすごく楽しかったです。
あと、COCOはステージが初めてだったっていうのに、たぶん私よりも全然緊張してなくて(笑)。だから、ステージ上では私のほうがすごく支えられたというか、COCOの存在にすごく助けられたライヴでした。だから、経験があるからといって完璧ではないし、経験がないと言ったらなんですけど、初めての子から貰うエネルギーっていうのはやっぱりすごく大事だなって思いましたね。

-貴重な経験でしたね。楽曲に関しては、「くちばし」という曲はライヴでも披露されていますが、かなり忙しいというか。

GOMI:(テンポが)速いですね。でも、お客さんが一番楽しんでくれる曲で、みんなにどの曲が良かった? って聞くと、「くちばし」っていう声が多くて。

YUNA:そうそう。かっこ良かったって言ってくれる人が多くて。

GOMI:印象に残るんだろうね。

-歌うのもかなり大変ですよね。言葉もかなり詰まっていて。

YUNA:ちょっとラッパーを憑依させないとダメなぐらい大変というか(笑)。でも、やったことのないジャンルだったのですごく楽しくて。このバンドをやっていて楽しいのが、自分が今までやってこなかったことをやれることなんですよね。ベースもそうですけど、こんな歌、歌ったことないけどできるのかなとか、そこに挑戦できるのがすごく楽しくて。だから「くちばし」も難しいんですけど、どうしたら自分の歌い方にできるのかとか、そういうのを探しながらやっていくのはすごくやり甲斐があるし、楽しいですね。

-大変だけど、楽しさもあるという。

YUNA:そうですね。あとはどこでかっこつけようかなみたいな(笑)。かっこいい楽曲だからこそ、そういうのを考えるのも楽しいです。

GOMI:大事だね(笑)。

-COCOさんは「くちばし」という曲にどんな印象があります?

COCO:やっぱり一番反応がいいというか、好評な曲で。ギターはそこまで難しい曲ではないんですよ。簡略化している部分もあるんですけど、とてもかっこいいコードがあるので、やっていて自然と身体がノるような楽しさがありますね。曲としては疾走感があるんですけど、途中で一気に落ちるというか、重低音がドン! って入ってくるところがあって。私はそこが好きなんですけど、そこではギターを弾かないので、お客さんと一緒にノってリズムを感じているんです。そのときにお客さんはどういう感じでノっているのかなってしっかり見られるので、個人的にも結構好きな曲ですね。