Japanese
otsumami feat.mikan
Member:青葉 紘季 福井 伸実 mikan
Interviewer:高橋 美穂
otsumami feat.mikanから新曲「吹雪」が届いた。歌声とピアノを中心に紡がれる、いつも以上にシンプルな、合唱曲にも似合いそうな曲調。そこに、otsumamiが得意とする季節モノの歌詞が乗る――かと思いきや、ダブル・ミーニングに受け取れるようなメッセージがふんだんに盛り込まれているのだ。表裏一体という生の真理が感じられる、奥深い世界観。メンバーへのメール・インタビューからも、達成感が滲み出た言葉をたくさん受け取ることができた。
世に横たわっている無常のようなものはいつも感じてるし、それを音楽を通して届けていきたいという想いはずっとある
-新曲「吹雪」を聴かせていただきました。タイトルからはotsumamiらしい季節モノを想像しましたが、ダブル・ミーニング的な奥深さを感じる楽曲だと思います。まずは、この楽曲ができあがったいきさつから教えてください。
青葉:曲を作ったタイミングは9月頃だったんですが、ふとotsumamiでもともと何をやりたかったんだっけ? と特にポジティヴでもネガティヴでもなく、そういうことを考えるタイミングがありまして、そこに思考を巡らせたとき、自然とここに辿り着いた感はあります。ついつい時代や流行、リリースのプラン等、正直正解のないことが頭をよぎりがちですが、「吹雪」はそういったことを一切削ぎ落として、よりシンプルに、歌と言葉がそのまま届いてくる、otsumamiにとってすごく自然体な楽曲になったと思っています。
-紙資料の"騒がしく、心揺さぶる出来事が沢山あった2024年"という1行が気になりました。「吹雪」は、どの季節でもどの年でもなく、2024年末でなければ生まれなかった楽曲だと思いますか? 何か引き金になった出来事はあったのでしょうか。
青葉:紙資料はスタッフが提案してくれているので、何が引き金になったというのはないですが(笑)。とは言え、良くも悪くも毎年心揺さぶられるようなことはたくさんありますし、何かに触れたときにそういう揺れる心をちゃんと持てていることは幸せだなと思います。それが創作の原点ですからね。"2024年末でなければ生まれなかった"ということに関しては、どの曲もそうかなと思います。今まで作ってきた楽曲全部が偶然の産物というか、意図してできたものなんか1つもないような気はしています。大枠はもちろん決まっていますが、例えばもし翌日、もっと言うと1時間後とか、楽曲に向き合うタイミングが変わっていたら、同じメロも歌詞もできていないかもしれないなと。本当に偶然の出会いなんですよね。不思議なもので。もしかしたらそれでヒット曲を逃している可能性もあるかもです(笑)。
-ピアノと歌を主体とした、合唱曲にも似合いそうなシンプルなアレンジだと思いました。歌詞のメッセージが先にあったのか、こういったアレンジの楽曲にしたいというのが先にあったのか、どちらだったのでしょうか?
青葉:これは最初に"こういったアレンジの楽曲にしたい"というのがありました。いわゆる"ピアノ+独唱"のような、至ってシンプルなものにしたいと。otsumamiの自然体を考えたときにそこに辿り着きました。もともと派手な音楽はできないし、J-POP王道でありながらも、いわゆる"エッジ"で刺すというより、じんわり後から効いてくるような音楽が好きなので、そこに立ち返ろうかなと。それとotsumamiは"ピアノと私"というカバー・シリーズをやっているんですが、案外オリジナルで"ピアノと私"な曲がないなと。じゃあやらなきゃ! みたいな感覚はありました。最終的に弦楽器は入れちゃいましたけど(笑)。
-シンプルだからこそ、ピアノの抜き差しや、コーラスの合わせ方、生楽器の重ね方等、単調ではない細やかなアレンジに耳を惹き付けられました。特にこだわったところはどこでしょうか?
青葉:今回こだわったのはまさにコーラスの部分で、なんとなくmikanが2人欲しいなと。メイン・ヴォーカルとコーラスではなくて、いわばツイン・ヴォーカル感を出したかったんですね。なので僕の感覚では「吹雪」はmikanが2人いるイメージです。だからこそサウンドはシンプルにしたかったし、実はこれを僕個人的にはずっとやりたくて、正直地味な曲なんですけど(笑)、今回すごく手応えを感じてますし、いい曲できたな! と思ってます。
-歌詞によってアレンジは変えましたか?
青葉:歌詞によってアレンジを変えたというのはないですが、楽器数が少ないし、至ってシンプルな構成なので、例えば1Aの1~2行目の言葉は果たしてこの場所で正しいのか? もしかしたら2A'とかの頭のほうがいいんじゃないか? とか、音が抜けたときにどの言葉を使うか? メロディが動き出したときにどの言葉を置いたほうが響くか? みたいなことで、結構歌詞を組み替えたりして考えましたね。
-歌詞は、聴き手へのメッセージのような、それでいて自分自身に言い聞かせるようなフレーズの宝庫に感じました。"ない"、"いい"等、多用されている文末の"い"も効いていると思います。どんな心境で書かれたものなのでしょうか?
青葉:僕がミュージシャン生活をしている中で最も好きな歌詞かもしれません。会心の出来っていうと、それは今までもたくさん経験してきましたが、いわゆる自分の思考というか、思想のようなものを言語化できたかなと。自分自身すぎて、この歌詞を書き上げるのにたぶん30分かかってないです(笑)。ただ僕がそれを歌ってしまうと、居酒屋のトイレとかに貼ってある"親父の小言"感が出ちゃいますが(笑)、mikanの声で歌うことでギャップもあるし、むしろ優しく包み込むように耳の痛いことを言ってくる的な(笑)、そこが面白いし、深みになるんじゃないかなと思ってます。
-"吹雪"は自分の世界の外側の、寒くて痛くてつらい出来事で、"戸締りをする"というのはそんな世界に出ずに、引きこもる日があってもいいという温かいダブル・ミーニングに感じました。そこに今の季節感が相まって、より肌で感じられるようになっていると思います。
青葉:まさにそういう世界観はありますね。要するにみんな頑張りすぎというか、頑張ってる人偉い、美しいみたいな風潮は昔からありますし、もちろん頑張ってる人は偉いし美しいんですけど、限界突破する程頑張らなくても生きていけるし、そもそもそれって他人の評価でしかないというか。生きてるといろいろありますし、自分の都合だけで世の中が進むわけではないですけど、最後は自分の評価が軸で、その中で無理ならいいんじゃない? 嫌なもんは嫌だしみたいな、どこかで余剰は必要なのかなと。
-優しい歌詞のようで"君がいようといなくなろうと/この世は大きく変わりはしない"等、ちょっと突き放して現実を見せている歌詞でもあると思います。全ての理由は"君が幸せならそれでいい"に集約されると思うのですが、優しいだけの歌詞にしなかったのは、あえてなのでしょうか?
mikan:シンプルで淡々としたメロディですが、耳を澄ますとグサグサと心を刺してくるような言葉が聴こえてきます。冷たくて、温かくて。人生の先輩からのメッセージと捉えています。
福井:私の推し曲「3373 (feat.mikan)」(2022年リリース)でも"生まれた理由なんかいらない"、"生きてる価値なんか知らない"という言い方が出てきて、それが救いになる感覚があります。意味や価値なんか終わってみないと分からないし、大きな動きの中でもただ生きることの強さを感じます。
青葉:偉そうなことを言えば、生きていく真理における表裏一体みたいなものはあると思うんです。ダブル・ミーニングという話と被りますが、例えば2Aの"誰かのために生きなくていい/自分で決めたことだけでいい"はちょっと包み込むような優しい言葉に聞こえますが、裏には"最低限自分で決めたことならやれよ"という意味も含んでますし、まさに2A'の"君がいようといなくなろうと/この世は大きく変わりはしない"にしても、正直一個人がいようがいまいが世の中大して変わらないんですけど、今ここに唯一無二の代え難い"君"ってのは確かに存在してるということであったり、そういう世に横たわっている無常のようなものはいつも感じてるし、それを音楽を通して届けていきたいという想いはずっとありますね。
-mikanさんの歌声の良さが特に活かされるタイプの楽曲だと思いました。どんなところに気を付け、どんな想いを込めて歌ったのか教えてください。
mikan:アップテンポよりは、音数が少なく言葉をしっかり届けるほうが得意ではあると思います。なので今回の楽曲はとても嬉しかったです。MVの空間が真っ白なのは、「吹雪」に対する想いを表しています。白は私にとって飾らない色、未熟な自分を認めてくれる色です。声を作ったりはせずありのままに、その上で言葉をそのまま受け取って表現するのではなく、感情移入をしすぎないように歌いました。
-ジャケットはotsumami史上最もシンプルだと感じました。福井さんがシンプルにした理由を教えてください。
福井:色のない世界で静かな美しさはあっても、寂しさが際立つようにはしたくはなかったので、かわいらしいテイストの雪を降らせました。
-2024年、活動の幅を広げ、多彩な楽曲を生み出してきたotsumamiですが、2025年の展望で教えていただけるものがありましたら、お願いいたします。
mikan:今年はotsumamiとして初めてのライヴ("A Villa idol festival HOKKAIDO 2024")に挑戦しました。今までたくさんの楽曲をリリースしてきたけれど、実際に誰かに向けて届けることで楽曲が完成することを実感しています。顔出しをしたことでできることの幅が広がり、今後もいろんなアイディアが生まれそうです。
福井:otsumamiのアートワークを一挙にご覧いただいたり、ミニ・ライヴとかもできるような、otsumami展をやってみたいです。
青葉:otsumamiはいつだって"やってないこと探し"がモットーなので、次はなんだろうと日々探してます。と言いつつ、やってないことだらけなのでいくらでも想像できるんですが(笑)。今年はスタジオ・ライヴ("otsumami feat. mikan Studio Live ~mikansei~")もやって、イベントではありますが初めてのお客さんの前でのライヴもできたので、もっとたっぷりワンマン・ライヴもやりたいなと思ってます!
RELEASE INFORMATION
otsumami feat.mikan
NEW DIGITAL SINGLE
「吹雪」

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