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INTERVIEW

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shallm

 

shallm

Interviewer:山口 哲生

基本的に怒ったり悲しんだりしてる曲が多いですね。あんまり喜んでない


-4月に発表された「if 1/2」はどんな曲にしようと思っていましたか?

4月は、新年度だったり新しい環境だったり進路に迷ったりする時期でもあるので、「if 1/2」は"選ばなかった未来"をテーマにしました。普段は自分のことをあまり書かないのですが、私もそういう時期があったので、改めて自分のことを書いてみようかなと思った曲だったりします。

-ラヴ・ソング同様、普段は自分自身のことはあまり書かないんですね。

そうですね。いつもはストーリーを考えて、主人公を作って、その人の気持ちを歌うというふうにしていて。もちろん何かにインスピレーションを受けることもあるんですけど、この曲は自分のことを書きました。

-自分のことを書くことに、恥ずかしさとかためらいはありますか?

恥ずかしいですね......恥ずかしい(笑)。

-ただただ恥ずかしい(笑)。それでも書いてみようとは思うんですね。絶対に書かない! というわけでもなく。

たまにあるんです。"書いてよー!"って自分が主張してくるというか(笑)。生活の中で心が動くようなことがあると、書きたいなって思ったりしますね。でも、そういうことってあんまりないじゃないですか。すごく泣いたとか、すごく落ち込んだとか。そういうときに書きます。

-それが自然と出てくるところもあるんでしょうね。5月の「G2G」に関してはいかがでしょうか。

自分は結構五月病にかかるタイプだと思っているので、5月は全部嫌になっちゃう時期でもあって。なので何もしたくないよねぇ......みたいな曲ですね。でも、何かを嫌々やるのではなく、自分の持っている目標とか野望を忘れずに、"今は耐えろ!"みたいなことを伝えたくて書きました。"今はそのための時間だ"という。

-この曲、Aメロがすごく好きでした。"o"で韻を踏んでいくところが気持ち良くて。

ありがとうございます! 5月にフェスがあって、盛り上がる曲にしようとも思っていたので、韻を踏んだり楽器で結構遊んでもらったりして、聴いていてノれるような曲を意識していました。

-そういったアッパーな面もありつつ、サビの"知らない振りしてひけらかす/歌声には歴史がある"もいいなと思って。

努力は隠すのが美しいみたいな信念というか、ポリシーみたいなところがあるので。

-努力はあまり見せたくない派?

楽しいのでそもそも自分があまり努力してきたとは思っていないんですよね。

-音楽以外のことはどうです? 日常でちょっと頑張らなきゃいけない瞬間となると。

そういうのは隠してしまいますね(笑)。なんかそっちのほうがかっこいいかなって。

-世の中的に、努力みたいなものをアピールしてないと"この人、何もしてない"って思われてしまいがちなところもありますけど。

あぁ。私の友達はだいたい学校に通っているんですけど、友達から私は何もしていないって思われてるんですよ。でも、私は暇だと思われているのが嬉しいんです。LINEの返信とか結構早いんですけど、暇なふりをしていたいというか。"最近何してるの?"って聞かれても、"何もしてない"と言ってます(笑)。

-ははは(笑)。本当はめちゃくちゃ忙しいんだけど。

"暇だよ"って言っちゃいますね。なんかかっこつけたくなっちゃう(笑)。

-ちなみに"G2G"というタイトルはどんなところから出てきたんですか?

これは"got to go"というスラングで、"もう行かなくちゃ"とか"またね"って意味なんですけど、調べてくれたら伝わるぐらいが面白いかなと思って、このタイトルにしました。

-そのあたりも性格なんですかね。とにかくわかりやすくしようという世の流れもあるじゃないですか。あまり難しくしないほうがいいんじゃないかとか。

私もわかりやすくしたいときと、わかりにくくしたいときがあるんです。これはちょっとだけわかりにくくしたかった、というか、わからなくてもいいかなと思ってました。

-そうなんですね。

だから、"自分がわかっているからいいや、誰かわかったら嬉しいな"ぐらいのときもあるし、"これは絶対にわかってほしい!"っていうときもありますね。

-その差ってどんなときに出るんでしょうね。わかってもらいたいときと、わかってもらわなくてもいいときと。

そのときの気分もあるだろうし、ちょっと尖った見方とか偏った意見のときは、別にわかってもらわなくてもいいなと思います。あと、"夢を追おうぜ!"みたいなことを言っているけど、別にそうじゃなくてもいいなと感じる自分もいて、みんながみんな一緒じゃなくてもいいと思うので、そういうときはわかってもらわなくてもいいと考えているかもしれないです。

-わかってもらいたいときはどんなときです?

わかってもらいたいときは、世の中おかしいよなぁって思うときですかね(笑)。

-世の中に対して納得のいかないことであったり、不条理だったり。

そう! 不条理! 私、"不条理"って言葉を歌詞でよく使うんですよ。そういうときは、やっぱりわかってほしいんだと思います。理解してほしい、みたいな。

-特にわかってほしいと思って書いた曲というと?

えぇー! 恥ずかしい! 

-はははははは(笑)。

でも、まだ出ていない曲かもしれないです。8月に出す曲は、結構わかってほしい気持ちで作ったというか、全部覚えてるからな......! って。

-楽しみにしてますね。6月にリリースしたのは「ハイドレンジアブルー」です。

これは珍しくラヴ・ソングなんです。でも、甘いものではなく、アジサイの毒性や"移り気"という花言葉にちなんで、浮気をテーマに書いてみました。

-このワード、パンチあるなと思ったのが、"必死こいて唱えてた「幸せ」がこれなんて笑える"というところだったんですけど。

改めて読むと恥ずかしいですね(笑)。でも、ここは歌っていて本当に楽しいんですよ、ケンカを売ってるみたいで。"本当に私はいったい何様なんだろう"っていう気持ちになりますね。

-どんなところから出てきたんですか?

これは自我ですね。私がちょっとひねくれているので、そういったところが出てきちゃいました(笑)。

-ラヴ・ソングを書くとなっても、いわゆるストレートなものよりは、それこそ毒性とか浮気とか、そういうものが好きなんでしょうか。

そうですね、サブカル的なものが好きです。音楽とかもそうなんですけど......でも、基本的にみんな何を歌っているんですかね?

-たしかにそう言われてみると、何を歌ってるんでしょうね。すごく大きく括ってしまうと、喜怒哀楽みたいなものになるんでしょうけど。

あぁ、たしかに。基本的に怒ったり悲しんだりしてる曲が多いですね。あんまり喜んでない。やっぱり喜んでいる気持ちって、悲しみとか怒りに比べると、自分はあまり大きくなくて。どうしても怒りとか悲しみのほうに寄ってしまいますね。だからすごいと思います、喜びの感情で曲を作れる人って。

-いつか作ってみたいですか?

作ってみたいです。

-今は全然イメージできない?

作ろうと思ったことすらまだないかもしれないです。今言われて、やってみようかなって思いました。

-でも、もしかしたら自発的に出てくるまで待つのもいいのかもしれないですね。無理して作るというよりも。

でも、喜びで......書けるのかな......。

-ソングライターとしてチャレンジしてみるのは楽しいかもしれないですね。そういった作曲面も含めて、shallmとしてどんな活動をしていきたいですか?

ベーシックはバンド・プロジェクトではあるんですけど、(メンバーは)1人なので、いろいろな音楽ジャンルに手を出して、カメレオンみたいなアーティストになりたいなと思ってます。

-挑戦してみたいジャンルはありますか?

今自分の中でボカロ・ブームがまた来ていて、ボカロって打ち込みが結構多いけど、カゲプロ("カゲロウプロジェクト")のじんさんって、バンド・サウンドのボカロ曲を作っていたじゃないですか。私もボカロっぽさがあるものをバンド・サウンドで作りたいですね。

-liaさんが作るメロディって、ボカロ楽曲の影響がかなり強いと思うんですけど、そのあたりは自然と出てしまうんでしょうか。

たぶんそうですね。メロディの起伏が激しいところは潜在意識にあるんだと思います。

-そのメロディを、作ることもそうですけど、歌うのもすごいなと思いますけど。

ただ、いつも作っているときに歌うことを考えてないんですよ。だから歌うときになってから、"歌えないじゃん!"ってなってます(苦笑)。"これ無理じゃん!"って。

-はははは(笑)。ボカロっぽさがあるバンド・サウンドを作りたいというのは、ご自身の好きなものをより濃く楽曲に反映させていきたい、みたいなところもあるんでしょうか。

そうですね。もっとどんどん発信していけたらいいなと思っています。

RELEASE INFORMATION

shallm
NEW DIGITAL SINGLE
「ヘミニス」
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[Virgin Music]
NOW ON SALE
※日本テレビ金曜深夜ドラマ「私をもらって~追憶編~」主題歌
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