Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

"くさのねフェスティバル2023" 座談会

"くさのねフェスティバル2023" 座談会

くさのねフェスティバル実行委員会会長/Sound Stream sakura店長:シラハタ ノブユキ
明くる夜の羊:カワノ ユイ(Vo/Gt)
Varrentia/Halo at 四畳半:渡井 翔汰
Organic Call:平田 真也(Vo/Gt)
Interviewer:蜂須賀 ちなみ Photographer:生田 大起

-渡井さんは、佐倉にロック・フェスができたときはやっぱり嬉しかったですか?

渡井:嬉しかったですね。Halo at 四畳半は結成当時からずっと、ライヴで毎回"千葉県佐倉市から来ました"と言っていたんですよ。僕らのファンになってくれた人たちは、サンストで観るHalo at 四畳半のことをすごく特別に思ってくれていたんですけど、さらにフェスが生まれたということで、僕ら自身はもちろん、応援してくれていた人たちもすごく喜んでいました。もちろんBUMP OF CHICKENの存在あってこそだけど、"Halo at 四畳半の地元の佐倉にフェスが生まれるんだ!"って。当時はすごく嬉しかったし、佐倉は大きな転換期を迎えているんだとワクワクしましたね。

-平田さん、カワノさんはお客さんとして遊びに来たことがあるそうですね。

平田:佐倉でフェスが始まると聞いて観に行って。もちろん楽しかったんですけど、"来年は絶対出てやる!"って思いました。

カワノ:私も同じです。というか、当時シラハタさんと話した気がするんですよね。"どうだった?"と聞かれて、"そりゃ出たいですよ!"と返した記憶があります。

-そしておふたりとも有言実行を果たしています。平田さんは2019年にOrganic Callとして初出演。

平田:出演できたときは嬉しかったですね。なぜ出られたのかというと、積み重ねてきたからだと思うんですよ。"くさのねフェス"に限らず、どのフェスもそうですけど、いきなり大舞台に出ても意味はなくて。主催の人と話したり、その地域のライヴハウスに出たりして、関係性を積み重ねたうえで出ることがすごく大事。フェス出演までのストーリーがちゃんとあるほうが、やっぱりいいライヴになると思うんですよね。

-カワノさんは2018年にソロで、2019年に明くる夜の羊として初出演。そして昨年、明くる夜の羊は大トリを務めました。

カワノ:2019年まではHalo at 四畳半がトリをやっていたので(※2020年は中止、2021年は中村 中がトリを務めた)、"今年は誰だろう?"という空気があったんですよ。シラハタさんから"お前ら、任せたよ"と言われたときは"まさか!"と思いつつ、"うちらがやるしかない!"という気持ちもありましたね。

渡井:大トリを誰にするか、結構悩んでましたよね。

シラハタ:めちゃくちゃ悩みました。どうなるのか想像がつかなくて。だけどタイムテーブルを発表して、彼女たちが大トリだと表明したとき、クラウドファンディングでチケットを買ってくれた方々のコメント欄などを通じて、羊(明くる夜の羊)がトリをやることに対するお客さんの反応がたくさん届いてきて、強く胸を打たれました。すごくポジティヴな反応が多かったんですよね。

カワノ:そういえば、面白い事件があったんですよ。私の知り合いでバンドをやっている人が、"くさのねフェス"のTシャツのプリントのバイトをしていたんです。その人と対バンする機会があって、"「くさのねフェス」出るんでしょ?"、"そうです、そうです"という話になったんですけど、そのTシャツにはタイムテーブルが刷ってあったらしく、"トリやるんだね"と言われて。だけどそのときうちらはタイムテーブルを知らされる前だったから、"えっ!"ってびっくりして。

渡井:そんなミラクルある(笑)?

カワノ:なかなかないですよね(笑)。

シラハタ:じゃあ僕も裏話を。彼女たちのライヴはすごく素敵で、何も言うことがないくらいだったんですけど、最後、こちらが花火を上げるタイミングを間違えてしまったんですよ。最後のキメと同時にバーンと上げたかったんですけど、キメが5回くらいあって(笑)。

平田:キメの回数、ちゃんと伝えとけよ(笑)。

カワノ:まさか花火が上がるとは思ってなかったんですよ(笑)。

シラハタ:本当はバンドの演奏が全部終わってから打ち上げたかったんですけど、キメと同時に花火もずっと上がっているような感じになってしまって。

渡井:でも、あれはあれで美しかったですよ。

カワノ:私、"うわぁ......!"って声がマイクに乗っちゃって(笑)。

渡井:(笑)このフェスはそういうミラクルが多いですね。Halo at 四畳半が初年度にトリをやったときも、最後の音を鳴らした瞬間にブレーカーが落ちてしまって。それでもお客さんはアンコールをしてくれて、最終的に復旧したんですけど、その間ベースの白井(將人)が地声でMCをして。DIYすぎて伝説がついてまわるフェスです(笑)。

-みなさんの思う"くさのねフェス"ならではの魅力と言えば?

渡井:家族連れでも楽しめるところですね。地元の方々のお店が出店されていたり、ヤギのいる牧場や小さな川があったりするので、まだ音楽を楽しむというほどではないという年齢のお子さんも、普通に遊んでいられるんですよ。昼間には、シャボン玉をしている子もいたりして。演奏している僕らからもそうして遊んでいるちびっこたちが見えるんですが、それは他のフェスにはない、佐倉らしい光景だなと思います。

カワノ:本当にみんな来られるフェスですよね。"くさのねフェス"には私の高校時代の友達も普通に来ていますし、結婚して、子供と一緒に来ていた友達もいました。

平田:あと、人の量がちょうどいい。田舎出身の俺は行列や人込みが好きじゃないので、自分のペースで楽しむには、"くさのねフェス"の規模感がすごくちょうどいいなと思っていて。

シラハタ:念のため補足をすると、それはもちろん、チケットが売れていないという話ではないんですよ(笑)。過去5回の開催ではステージの数も、導線も、出店数も違ったんですけど、そうしてトライアンドエラーを繰り返すことで、家族連れの方も、とにかくたくさんライヴを観るぞという方も、快適に過ごせるバランスを模索してきたというか。去年はちょうどいい環境を作れた手応えがあったので、今年は去年の構成をおおよそ踏襲する予定でいます。ひとつ違う点は、アコースティックで演奏できるステージがひとつ増えることですかね。

カワノ:アコースティック、良さそうですね。楽しみです。