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INTERVIEW

Japanese

Organic Call

2021年04月号掲載

Organic Call

メンバー:平田 真也(Vo/Gt) カワカミトモキ(Gt) 植木 貴士(Ba) きっつー(Dr)

インタビュアー:山口 智男

17年の活動開始以来、東京都を拠点に活動している4人組ロック・バンド Organic Callが、彼らにとって初めての全国流通盤となる、2ndミニ・アルバム『箒星、残像を探して』をリリースする。昨年9月、会場限定でリリースしたシングル「彗星のよう」を含む全7曲が物語るのは、前ミニ・アルバム『白昼夢も何れ』からの格段のスケールアップ。バンドの中で少なからず変化が起こったことは想像に難くない。コロナ禍の影響でライヴが思うようにできなかった約1年という時間を、プラスに変えることができたとメンバーたちは胸を張る。

-前作の『白昼夢も何れ』(2020年のミニ・アルバム)をリリースしてから、今回の『箒星、残像を探して』までの約1年間、ライヴ活動こそ思うようにできなかったものの、配信リリースを含め、できるだけ自分たちの音楽を届けようと動いてきたと思うのですが、そんな約1年の間、何を考え、どんなふうにバンドに取り組んできたのかをまず教えていただけますか?

平田:僕らがライヴ活動を再開したのが20年の7月中旬だったんです。だから、3ヶ月半ぐらいライヴができなかったんですけど、その間自分と向き合う時間ができて、改めて自分たちが作る音楽の大事さに全員が気づけたと思います。それまではライヴやツアーが忙しかったので、そんなふうに話し合う時間って意外になかったから、改めてごはんに行こうって(笑)。そこでね。

きっつー:そのときの心境を打ち明けたんですよ。

植木:がむしゃらにやりすぎていて、メンバーのことを心の底から知るということがあまりできなかったというか、そういう時間を作れなかったので、今回空いた時間をたっぷり使って、改めて信頼関係を作ることができたんです。それぞれにいいところも悪いところもありますけど、いいところを素直に見られるようになりました。

平田:確実に言えるのは、プラスの1年間だったということですね。

カワカミ:それは間違いなく。

平田:そこから曲を作ろうってなって、当たり前ですけど、じゃあ盤も作ろうって。リリースは4月と決めたんですけど、できることをこつこつやってきたからこそ見えた今回のリリースだから、あまり特別なものだとは思ってなかったんです。言っちゃえば、準備期間に自分たちがちゃんとやってきたことがこの4月に実るってだけなんですよ。ネガティヴな印象がこの1年間に対してなかったかと言えば、そんなことはないんですけど、それをうまく消化できていたと思います。

カワカミ:マイナスだったのは、ライヴができなかったことぐらいで。

平田:マイナスというか、できなかったという事実があるのは仕方ない。だったら、できることをやろうって進んできましたね。

-そのあと、去年9月に会場限定でシングル・リリースした「彗星のよう」ができた、と?

平田:去年の1月の合宿でできた「夢想家のワルツ」がありましたけど、ライヴができなくなってから最初に作ったのは、「彗星のよう」ですね。そのあと、去年の3月から予定していたツアー([1st mini album「白昼夢も何れ」release tour "daydream tour 2020"])の振替を9月にやったんですけど、『白昼夢も何れ』だけじゃなくて、何かプラスアルファが欲しいと思っていたタイミングで、いい曲ができたので、今聴いてもらいたいと思って会場限定シングルとして先出ししたんです。その頃からアルバムを作ろうという話にもなっていたんですよ。コロナ禍の状況が良くなったとき、"僕たちはその間、何をやっていたんだ!?"というふうになったらイヤだなって思って、"自分たちはちゃんと音楽と向き合ってミニ・アルバムを作り上げたぞ"と証拠を残したくて、だったら作ってやろうぜって。今回、初の全国流通盤なんですけど、全国流通盤も本当だったらもうちょっと先にしようかって話もしてたんです。全国流通とか、ワンマン・ライヴとか、もうちょっと実力がついてからでもいいんじゃないかって思ってたんですけど、そこはもう腹を括ってやろうって。去年の秋ぐらいだったと思うんですけど、"全国流通盤のミニ・アルバムを出そう"ってLINEで3人に伝えたんですよ。

-今回のミニ・アルバムを全国流通盤にして良かったと僕は思います。今回、聴かせてもらって、1回目ですごくいいと思って、あれ、Organic Callってこんなにかっこ良かったっけ......って言い方は語弊があるんですけど。

カワカミ:でも、その感想はシンプルに嬉しいです(笑)。

平田:僕らも前作より自信ありますしね。

-こんなに力強かったかなって思いましたが、さっき腹を括ってやろうと思ったっておっしゃいましたけど、それが感じられる気迫に満ちた作品になりましたね。

平田:その通りだと思います(笑)。

-「彗星のよう」を書き上げた時点で、そこに繋がる手応えってあったんでしょうか?

平田:その曲ができたとき全員が"これ、いいね!"ってなったんですけど、自分としては特に歌詞に手応えがあって、そのせいか、そのあとが大変だったというか。「彗星のよう」がしっくりきすぎて、それを超える歌詞が書けるんだろうかって、他の曲が書けないことが2ヶ月ぐらい続いたんです。

きっつー:苦戦してましたね。作ったけど"これじゃない"、"うーん、ほんとにこれなのか?"って書いてはボツにしてというのを繰り返してたんですよ。

平田:それを経てできた曲たちなので、どれも言葉の力は強いのかなという気はします。

植木:「彗星のよう」に関しては、そこに向かっていくまでの時間が長かったから、それまでの期間の真也の心境が全部詰め込まれた感じはあるよね。

-曲作りに苦戦している平田さんを、3人はどう見守ったんですか?

きっつー:僕らに何ができるんだろうかってちょっと戸惑ったところはありました。その中で自分たち3人はしっかり練習していこうって話し合ったんです。その頃、ツアーもやっていたので、曲に対してはもちろんですけど、自分たちの演奏に対してもしっかり向き合っていこうって真剣に考えてました。

植木:スタジオに入ったとき、ちょっと詰まったら、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるじゃないですけど、とりあえずアイディアをいろいろ出して、みんなが考えるヒントになればいいなみたいな雰囲気作りは心掛けてました。

カワカミ:それはめっちゃありがたかった。

植木:真也にはもっと先のことを考えてほしいから、その手前のことはできるかぎり僕らでケアして、円滑に制作が進むようには意識してましたね。

平田:知らぬ間にケアしてもらってたのか(笑)。

植木:やっぱりライヴができない期間があって、音楽とメンバーに向き合う時間が作れたからこそ、制作に向き合うスタンスも変えることができたんじゃないかと思います。

-でも苦戦した甲斐があって、今回、バンドがキャッチフレーズとして掲げていた"強い信念を持ち、明日への微かな希望を唄う"の、"微かな希望"が前作よりもはっきりしてきたようですね。どの曲も明らかに希望を歌っていると感じられるものになりましたが、心境の変化があったのでしょうか?

平田:心境の変化があったのか、なかったのかと言うと、正直ないと思います。希望はずっと歌ってきたと思うし、今回、特に希望を持って書いたということもないし。

植木:ブラッシュアップされた感じなのかな。

平田:そうですね。無理して書いたわけではないです(笑)。

-無理をしているとは思わないですけど(笑)、腹を括ったことが歌詞にも表れてきたのかなと思ったものですから。ところで、全7曲の中に同じモチーフが何度も出てくるところがいいですね。それは平田さんがちゃんとした世界観を持っていることの表れだと思うし、ほんとにそれを歌いたいんだなって伝わってくるし、そういうことも意識しながら歌詞を書いているんですか?

平田:意識してないです。そうなってしまうんですよ(笑)。自分に書けることは何かって言ったら、ほんとに歌詞に書いていることだけなので、自然とそうなりました。

-例えば、「シリウスに誓う」には、"奇跡を願った少女はもう/空を飛んであの星になった"というフレーズがありますが......。

平田:あぁ、「朝焼けに染まった街へ」には"ひたすら夢中になった 少女は宙を舞った"ってありますね。

-それとか、「明けない夜はない」の"箒星"と「彗星のよう」の"彗星"とか、「かなわない」の"その先で出会うのだろう"と「瞬き」の"その先で会えるように"とか、他にもいろいろなところで再会を歌っていますね? 

平田:自分たちがライヴハウスでライヴをしているときに出る言葉って、歌詞に結構反映されるんですよ。例えば、"またライヴハウスで会おう"って言葉もそうなんですけど、結局会うも会わないも自分たち次第だし、お客さん次第だし、会いたいと思ってればその先で再会するだろうし。そういう生き方が言葉として出ているだけなのかな。今回、インタビューしてもらうのは2回目ですけど、それはお互いに同じことを続けてきたからこそ。そういうことの連続だと思うので、会おうとして会うものというよりは、必然がただ続くだけなんだと考えてます。そういう自分の人生観が自然と歌詞に表れているんだと思いますね。たまに、2ndデジタル・シングルの「エンドロール」(2019年リリース)みたいに、"こういうことを書こう"と思って書くときもあるんですけど。だから、逆に誰かからこんな曲を書いてほしいと頼まれて作るってことを、それはそれで面白いと思うので、いつかやってみたいですね。活動を続けていけばドラマでとか、映画でとか、いずれチャンスを掴めると思っていますけど、今は自分という人間の中から自然と出る言葉や生き方を歌詞にしているところです。