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INTERVIEW

Japanese

パピプペポは難しい

2022年09月号掲載

パピプペポは難しい

メンバー:カワシマ ユカ 白羽根 優衣 小枝 みゆ 
木内 小百合 鈴木 めがね ドン・グリ
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by 宇佐美 亮


世界制覇くらいのテンションで"Zeppだ"と言っていたと思ったら、 急に目の前に出されて"えぇ!?"って


-そんなパピムズの魅力を一番に感じるのはライヴだと思っていて。例えるなら遊園地みたいなんですよね。遊園地ってお化け屋敷があったり、メリーゴーラウンドがあったり、ジャンルとしてはバラバラなのに、エンターテイメントとして成立しているじゃないですか? パピムズのライヴにはそういう魅力があって。

カワシマ:あぁ! 目指していますね! 本当はSEKAI NO OWARIみたいなライヴをしたいんです。ステージに木があって、みたいな。そういう遊園地みたいなのを目指しています。アトラクションっぽいというか。

-自分たちで思う、パピムズのライヴの魅力ってどんなところですか?

カワシマ:やっぱり"楽しい"って言われますね。

鈴木:ファンの人が露骨に楽しんでくれる。

小枝:うん。ファン含めパピムズのライヴって感じがする。

カワシマ:パピムズって、グループがグループだから、ファンの人もおかしいんですよね(笑)。何がおかしいんだろう? 酒が入ってないときも様子がおかしいし。

グリ:普通のアイドルオタクだったら、キリンがいるグループは推さないもん(笑)。

鈴木:でもすごく優しい。対バンのときに、パピムズの出番では前に行くけど、他の演者さんのときはそのファンの方々を前に行かせて、自分たちは一歩後ろでめちゃ盛り上がる、みたいな。

小枝:どのアイドルでもめちゃ盛り上がってるよね、パピムズのオタクは。

カワシマ:やっぱ、みんな遊園地に来ている感覚なんじゃない?

白羽根:本当にファンのことは誇りに思ってますね。めっちゃいい。自慢です。

-直近であった大きなライヴと言えば、リキッド(LIQUIDROOM ebisu)ですよね。リキッドでは"フクシュウ"というタイトルで2回("復讐"、"復習")ワンマンを開催しています。

カワシマ:"復習"が2回目だったので、1回目の"復讐"と構成を同じにしたところとかもあって。1年前と同じ場所で、レベルアップしたパピムズを見せられたのではないかなと思っています。

小枝:1回目が自分の中では納得のいかないライヴをしてしまったから、2回目のリキッドができて良かったです。個人的にめちゃめちゃレベルアップしたと思っていて。自分の意識が、1回目のリキッド後から全然違うものになったんです。新しく生まれ変わった感じでライヴをしました。パピムズ自体もガラッと変わったと思うし。

-どんなところが変わったんですか?

小枝:ひとつは、やっぱり歌。

カワシマ:被せがあったんですけど、それを落としていって。

小枝:音源と違ったライヴ、音源と違った歌をライヴとしてやってるから、ライヴ感がありました。 カワシマ:うん。生もの感は増えたかもしれない。そのぶん粗は目立っているかもしれないんですけど、その粗をなくしていくことが、今のパピムズの課題だと思います。

グリ:この間のリキッドで被せを減らして、自分の声でやることが多くなったことで、体力がないと感じて。リキッドのときに体力がなくて、最後のほうは脚が上がらなかったりして悔しかったんですよ。悔しかったから、次のZeppでは......なんか泣けてきた。すごく悔しくて......。みんなは"良かった"と言ってくれるけど、自分ではやり切れていない感じがして、Zeppではそんなつらい想いはしたくないし、次は絶対にやり切ったぞと思えるようなライヴをしたいです。そのために体力作りをしているし、ライヴに慣れるように意識して、毎回のライヴを頑張っています。

カワシマ:使う体力が人の倍ですからね。

グリ:ミッ●ーにはまだなれない......。

カワシマ:目標が高いので(笑)。

-ハチャメチャな楽曲は多いですけど、メンバーの中身はストイックなのがいいですね。

小枝:普段はみんな真面目人間なんです。

カワシマ:うん。みんな本当に根が真面目で、それを乱す人もいない。

-リキッドで初披露した新曲が「一軒家住みたいな」(2022年7月リリースのシングル)ですよね。タイトルからぶっ飛んでいますけど、これはどうやって生まれた曲なんですか?

カワシマ:"パピナイ(パピムズしゃべらNight)"という配信があるんですけど、スパチャで何か企画をしようという話から始まって。いつもとは違う大きいことをしよう、リムジンに乗ろう、ということになったんです。そこから、リムジンに乗るならMVを撮りたい、アー写も撮りたい、それなら曲を作ろうって。最近は、バンド・サウンドよりクラブ・ミュージックのほうが主流になってきていて、そういうのをパピムズでもやりたかったんです。でも、アイドルに落とし込むにはポップでキャッチーなほうがいいので、わかりやすいミーハーな感じのEDMみたいにして、バブル感を出そうと。"成金で札束があるMVにしたいです"と言って、あれができました。

-バブリーなものにしたいのに"一軒家住みたいな"に着地するのが面白いです(笑)。

カワシマ:歌詞は私が書いているんですけど、サビに1個キラーワードを入れるのをポイントにしていて、貧富の格差があるといいなぁと。あとはラップを頑張りました。頑張って韻を調べて(笑)。サウンド・プロデューサーがラップを作るのが上手いから、相談しながらなんとか作りましたね。

-最新アー写と最新楽曲だけだとチャラい印象を与えがちですけど、オフィシャル・サイトでも使用されているアー写は「スーパーSAMURAI忍者・カラテマン」(2021年リリースのアルバム『迷走ファンタジー』収録曲)での爆破アー写ですし、本当に幅が広いですね。

木内:遡ってほしいよね。パっと見てリムジンアイドルだと思われたら、違うもん。

-クラブ・ミュージックもあれば特撮風ソングもあり、本誌の読者向けに言えば「バーサーク」(2020年リリースのアルバム『もしも君がいない世界に生まれてたら』収録)や「イングリッシュマフィン」(『迷走ファンタジー』収録)みたいなロック楽曲もあって。ロック好きな木内さんからオススメしたい、パピムズのロック・ソングはなんですか?

木内:それはもう「イングリッシュマフィン」です。カッコいい系の曲はいっぱいあるんですけど、日本語歌詞というのもあって、アイドルに寄っている、パピムズの味が出ている感じの曲が多いんですね。でも「イングリッシュマフィン」は、歌詞が英語風に聴こえるから、アイドルみが薄れていて、"THEロック"という感じで聴いてもらえるかなと思います。一番新しいアルバムの曲なので、推したい曲です。

カワシマ:"「イングリッシュマフィン」いいね"って、めっちゃ言われる。

グリ:でも歌詞の意味がわからないんです。

カワシマ:"絶対に英語が合う曲じゃん"と思ったんですけど、"パピムズで英語を歌うのもなぁ"ということで、そこに落とし込みました。

-あと、個人的にパピムズと言えば「ラブげっちゅ! -お誕生日のお歌-」(2020年2月リリースのミニ・アルバム『charm』収録曲)で。代表曲のひとつだと思うんですけど、この曲のミュージック・ビデオは作らないんですか?

カワシマ:みんなから言われます。"どこかで撮りたいね"と、永遠に言っているんですよ。

-ライヴ映像がミュージック・ビデオ並みに再生されていますもんね。

カワシマ:出したときは、正直ここまで人気が出ると思っていなかったんです。歌詞を書くのも3時間くらいしかなかったので、"ギリギリだったから、こんなんになってしまったぁ"とか言っていて(笑)。めっちゃハッピーな歌詞だけど、泣きながら書いていました(笑)。

-そんな裏話があったんですね。名物とも言える、あのコールは最初からあったんですか?

カワシマ:あれはレコーディングのときに、サウンド・プロデューサーから"コールとか入れてみたらいいんじゃない?"みたいに言われて、入れてみました。

白羽根:あれのおかげで、酒のイメージが(笑)。

カワシマ:サウンド・プロデューサーもぶっ飛んでいるから、そういうアイディアが入りますね。アイドルの曲って、仮歌をちゃんと作ってレコーディングでは歌うだけみたいなことが多いんですけど、私はみんなに"仮歌詞だから"って投げて、レコーディングになったら半分くらい変わっているとかもあります。

-さて、そんなパピムズが、名立たるアーティストが立ってきたZeppでワンマンを開催するわけですけど、Zeppが決まったときはどう思ったんですか?

鈴木:楽屋でダラダラしているときに、ゆかち(カワシマ)から"あ、そういえばZeppやるよ"と言われたので、"え......?"って(笑)。さゆちゃん(木内)がZeppに対して熱い気持ちがあったんですけど、さらっと言われたときにさゆちゃんは聞いていなくて、"今すごいこと言ってたよ!"って。だから、最初は何が起こったのかわからない感じ。

白羽根:嘘だと思ってた(笑)。

カワシマ:でも"次はZeppだから!"とはずっと言ってたんですよ。

木内:世界制覇くらいのテンションで"Zeppだ"と言っていたと思ったら、急に目の前に出されて"えぇ!?"って。バンドのライヴに行くってなったら、ツアーの最後がZeppとかもあるし、前から観ていたバンドが大きくなってZeppに出るとかもあったんです。だから私は、オーディションのときから"お姫様になりたい!"みたいなテンションで"Zeppに行きたい!"とずっと言っていて。夢の夢って感じだったんですけど、見えるところに夢が来たのがすごく嬉しかったです。今まで以上に頑張らないといけないなと感じました。楽屋で言われたときは涙が止まらなくなっちゃって、今Zeppのことを考えただけでも反射的に泣きそうになりますね。

-対バンのイベントとかでもZeppに立ったことがないんですよね? おそらく史上初だと思いますよ、キリンがZeppに出るのは。

グリ:やったー(笑)。

鈴木:現実だけど現実感がなくて笑っちゃうし、Zeppに立てる存在にはまだなれていないので、そこに向けて、新しい人たちを連れてこないといけない。でも私はZepp以上を目指したいと思っているので、通過点ではありたいし、そこからクレッシェンドしていきたいです。

カワシマ:うん。Zeppをゴールにはしたくないですね。

-新規のお客さんもたくさん呼ばないといけないと思いますが、パピムズらしい施策は考えているんですか?

カワシマ:新規しか呼ばないくらいのテンションですよね。当たるか外れるかはわからないけど、とりあえずはやっていかなきゃなと。やってみて微妙だったというのはあると思うんですけど、やってみないとわからないので、面白いと思ったことをやっていきたいですね。

-Zeppのライヴには"フラッシュバック"というタイトルを付けていますね。

カワシマ:誰かの記憶に残るようなライヴとかグループにしたいというのが根底にあって。長い人生の中で、記憶を思い起こしたときに浮かぶようなものにしたいので"フラッシュバック"です。意味は他にももっとあるんですけど、まだお楽しみとして取っておいています。(失敗したら)ヤバいです。私の家がなくなっちゃう。事務所もなくなる。大分県に帰っちゃうかもしれない(笑)。マジで勢いで借りたから、頑張ります。

-通過点にしたいという話もありましたけど、パピムズの夢はワールド・ツアーのようで。

カワシマ:そうですね。目標はデカく。

-キリンのアフリカ凱旋ライヴですか。

一同:(笑)

カワシマ:どこかの国で人気、とかに憧れているんです(笑)。

小枝:海外のアイドルさんがパピムズのコピーをやってくれているんですよ。オーストラリアとか。

鈴木:アジア系もいるよね。

小枝:"本物のパピムズだ!"と言ってくれる帰国子女のアイドルさんがいて。海外でも聴かれているみたいです。「ラブげっちゅ」(「ラブげっちゅ! -お誕生日のお歌-」)は世界に広がっていくかもしれない。

LIVE INFORMATION
"パピプペポは難しいワンマンライブ2023
『フラッシュバック』"

2023年1月17日(火)Zepp DiverCity(TOKYO)
OPEN 17:15 / START 18:00
[チケット]
S TICKET:¥15,000(税込/D代別)
一般:前売 ¥4,000 / 当日 ¥5,000(税込/D代別)
チケットはこちら

"Zepp DiverCityワンマン制作プロジェクト"

期間:〜12月16日
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