Japanese
パピプペポは難しい
Skream! マガジン 2025年08月号掲載
2025.06.23 @Zepp Shinjuku (TOKYO)
Writer : 宮﨑 大樹 Photographer:endo rika
キーワードは"オタクのヒーローショー"だ。"パピムズ"こと"パピプペポは難しい"がZepp Shinjuku (TOKYO)で開催した、7周年記念ワンマン・ライヴ、その名も"転生したら勇者パピムズを僕たちが助けることになってしまったけど、なんで?"。これまでもたくさんの奇抜な企画でファンを楽しませてきたパピムズが送る、一風変わった、だけど彼女たちらしいタイトルである。とはいえ、まさかこのタイトルそのまんまのストーリーが、ライヴハウスで展開されていくことになるとは......。
オープニング・アクトとして出演した事務所の後輩グループ Petyが温めたフロアに、突如ファンタジー系アニメかゲームの導入のような音楽が流れる。そして"君たちは転生した。この世界は、君たちの声援や盛り上がりが勇者パピムズに様々な力を与え、強くする世界である。勇者パピムズは魔王軍を打ち倒し、残るは魔王のみになった"と、このライヴの設定、もとい世界観をナレーションで説明され、その後いつものSEに合わせてメンバーが登場した。
ヴィジュアル・アーティスト/空間演出ユニット"huez"が手掛けるバチバチの照明とVJ演出の中で、ステージに上がったパピムズメンバーは、この日に向けてパワーアップした衣装を身に纏い、それぞれファイティング・ポーズを取ると、「ホニャララ・アンビシャス」でライヴはスタート。耳に残る"ズンチズンズンチ"のフレーズをファンとコール&レスポンスし、最高のスタートダッシュを決めた。立て続けに「世界の終わりには牛丼つゆだくをあなたと食べたい」、「ビバ・トーキョー」、「だるい日」を披露する攻めっ攻めのセットリストで沸くオタクがとにかく楽しそう。さすがエンタメに振り切ったパピムズのライヴだ。レポート用にメモを取る筆者の身体も自然と動いている。気付けばパピムズが作り出す異世界にすっかり引き込まれていたようだ。
この日最初のMCでは、メンバーの自己紹介と、改めてライヴの世界観を説明。メンバーは魔王討伐に向けて気合を入れるが、白羽根優衣が"でも、お腹が空いて力が出ないの......。なんかご飯が食べたい......"と漏らす。すると、めぐりアイが"私、おいしい中華屋さん知ってるよ!"と返し、5月にお披露目した新曲「おいしい中華屋さん教えてあげる」でパフォーマンスを再開した。タイトル通りに中華テイストなサウンド、そしてステージ上のスクリーンにはラーメンやギョーザ、蒸し饅頭等が投影され、なんともお腹が空くライヴ空間を作り上げ、続く「パピプペポイズンLOVE中毒」でフロアをさらに加熱していく。さすがここまで魔王軍を打ち倒してきた勇者パピムズ、彼女たちの"楽曲"という名の武器は攻撃力が高い。さらにめぐりアイが"強力な仲間を連れてきましたー!"と声を上げ、サポート・メンバーたちをステージに呼び込んで、代表曲「ラブげっちゅ!-お誕生日のお歌-」を12人でお届け。ワチャワチャ感マシマシで6月生まれのファンと7歳になったパピムズ自身を祝う。そのまま引き続きサポート・メンバーを交えて、「スーパーSAMURAI忍者・カラテマン」を披露したのだが、戦隊ヒーローものの主題歌風の楽曲を大人数でパフォーマンスする光景は、戦隊ヒーローの劇場版で歴代ヒーローが助けに来たときのような様相で、なんとも豪華で頼もしかった。
ここで魔王の城から魔王"ダークキング(ネーミングが安直すぎる!)"が登場した。勇者パピムズと魔王との戦いの中で、オーディエンスはドン・グリが発案した"ツナマヨ"コールの声援を精一杯送る。その光景を見て"なんだろうこの懐かしい感覚は......"と考えていたのだけれど、"あぁ、これは子どもの頃にデパートの屋上で観たヒーローショーと同じフォーマットなのだ"と気付く。自分は今、オタクのヒーローショーを観て、参加しているのだ。しかし、ファンからの"ツナマヨ"コールでも力及ばず、魔王は倒せなかった。戦いで傷ついたメンバーは、キリンのドン・グリを指揮者として、ファンと共に「パピムズ学園校歌」を斉唱することで身体を癒す。
そして旗を取り出し「キミトボクメモリー」、「決まりごと」を披露し、エモーショナルで聴かせるパフォーマンスで魅せたものの、"このままじゃ魔王に勝てないんだよね......"と木内小百合が呟いた。グループにネガティヴな空気が漂うなか、ドン・グリが"またゼロから積み上げていこうよ!"と声を上げ、鈴木めがねが"そうだね、ハッピーエンドで終わりたいよね。みんなで力を1つにしよう"と返し、ポジティヴな1曲「ハッピーエンドから始めよう」で重い空気を元気に吹き飛ばす。すると、歌声に引き寄せられたのか、突然"夢豆蚊神(むずかしん)"と名乗る神が登場。神は、メンバーがお客さんを喜ばせることができたらパピムズに力を与える、と話す。神からの提案を受け、木内小百合が"今日は魔王を倒さないで朝までここに一緒にいよう!"と声を掛けるも、ファンからの反応は思ったよりもいまいち。今度は夢を語るように言われたカワシマユカが"東京Zeppツアーをするぞ!"と話し、ややウケの反応を得るもまだ足りない。そこでドン・グリが"東京ディズ●ーランドを潰して、パピムズランドを作る!"と大きな野望を口にすると、フロアからはついに歓声が上がった。神は"よろしい、君たちに力を与えましょう"と応え、いよいよライヴのクライマックス、魔王との最終決戦の時が訪れるのである。
力を得た勇者パピムズは、「ち・ちん・ぷい」、「シャニムニ」を連続でパフォーマンスしフロアを熱狂の渦に巻き込むと、ここまで温存していた特効をふんだんに使った「アイマイニー」で畳み掛ける。スモークを惜しみなく焚き、ステージ上は真っ白になってもはやメンバーはあまり見えない。それでもパピムズは、ダメ押しとばかりに銀テープを飛ばして、ついに魔王討伐を果たす。かくして、平和になった世界を「ワンダフル・パレード」で祝福し、7周年ライヴの本編はその幕を閉じたのだった。
アンコールでは新曲「デイリーランデヴー」をサプライズ披露し、感謝の想いを歌に乗せてファンへ届けたパピムズ。最後は、この日二度目の「ラブげっちゅ!-お誕生日のお歌-」を、今度はパピムズメンバーだけでパフォーマンスし、熱狂の一夜はグランド・フィナーレを迎えた。
改めて振り返ってみると、この7周年ライヴはこれまでエンタメ性、楽しさを追求し続けてきたパピムズらしい、実験的な公演だったと言える。7年経っても失敗を恐れず挑戦し続けるパピムズの姿は眩しい。いつもカワシマユカの"面白そう"が原動力になっているパピムズだが、果たして次はどんな景色を見せてくれるのだろうか。次回のレポートも乞うご期待!
[Setlist]
1. ホニャララ・アンビシャス
2. 世界の終わりには牛丼つゆだくをあなたと食べたい
3. ビバ・トーキョー
4. だるい日
5. おいしい中華屋さん教えてあげる
6. パピプペポイズンLOVE中毒
7. ラブげっちゅ!-お誕生日のお歌-
8. スーパーSAMURAI忍者・カラテマン
9. パピムズ学園校歌
10. キミトボクメモリー
11. 決まりごと
12. ハッピーエンドから始めよう
13. ち・ちん・ぷい
14. シャニムニ
15. アイマイニー
16. ワンダフル・パレード
En1. デイリーランデヴー
En2. ラブげっちゅ!-お誕生日のお歌-
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