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INTERVIEW

Japanese

daisansei

daisansei

メンバー:安宅 伸明(Gt/Vo) 小山 るい(Gt) フジカケウミ(Ba) 脇山 翔(Key)

インタビュアー:蜂須賀 ちなみ

Official髭男dismの楢﨑 誠やくるりのラジオ番組で楽曲を紹介され、ヒグチアイのライヴへのゲスト出演が決定するなど、じわじわと注目を集めているdaisansei。1stアルバム『ドラマのデー』リリース後にはメンバーが脱退するなど変化もあったが、止まることなく新曲を次々と発表。フィジカルとしては1年半ぶりのリリースとなる『root you』は、2021年12月に配信リリースされ、すでにライヴ定番曲となっている「ルートユー」を中心に構成されたシングルだ。Skream!でのインタビューも1年半ぶり。その間の活動について、そしてシングル収録曲の制作背景について、メンバー全員に訊いた。

-ヒグチアイさんの企画("HIGUCHIAI presents 好きな人の好きな人 - 喜 劇 -")に出演するそうですね。

安宅:そうなんですよ。もともと曲を好きでいてくれて反応もしてくれていたので、嬉しいなと思っていたんですけど、ある日突然連絡をいただき、ライヴに呼んでいただいたんです。"好きな人の好きな人"はヒグチさんがずっと続けている企画なんですが、今回はヒグチさんもバンド・セットでライヴをするから、バンドを呼びましょうという話になったそうで。だからバンドで良かった。もしもソロ・シンガーだったら呼ばれていなかったわけですから。

-ヒグチさんがどのタイミングでdaisanseiを知ったのかは存じ上げませんが、2020年11月にリリースした1stアルバム『ドラマのデー』は、バンドが広く知られるひとつのきっかけになったんじゃないかと思います。

脇山:いろいろな媒体に紹介していただきましたし、ツアーもあったので、ありがたいことに、"あぁ、daisanseiね"と知ってくださる方が、アルバムを出したことによってすごく増えたなぁと感じました。そこで繋がりが増えたことが今のライヴ活動にも繋がっていますし、私たちの活動にとってすごく大きな出来事でしたね。

-その後2021年2~5月に「急須」、「automa」、「ぬかるみ山」、「えび」と配信シングルを4ヶ月連続でリリースしていましたよね。4ヶ月連続リリースは『ドラマのデー』をリリースする前の2020年4~7月にも行っていましたが。

安宅:実はあのとき(2020年4~7月)は、2ヶ月目以降の曲がまだできていないのに、4ヶ月連続で出そうと先に決めて動いていたんですよ。そのとき上手くいったし、その4曲だけではなくアルバムもしっかり作れた。だから"ほら、できた"、"大丈夫だったでしょ?"という気持ちになったんですけど、それと同じことを2021年にもやったんですよね。だから半分調子に乗っていたんだと思います(笑)。"できるぜ、俺ら"みたいなのをもう一度見せたかったのかもしれない(笑)。

-2021年の4ヶ月連続リリースは、"おぉ、こう来るか"と意表をつかれるようなアプローチが多かったです。当時どういうテンションで制作していましたか?

安宅:アルバムを出して、ツアーをやったことによって、メンバーになったんですよ。5人組のバンドになったというか。

『ドラマのデー』のときのインタビュー(※2020年11月号掲載)では、一緒にやろうと握手を交わしたわけではないし、メンバー同士という感覚が薄いと話していましたが、リリースとツアーを経て変化があったんですね。

安宅:はい。そうなってから初めての制作だったので、より"みんなで作りましょう"というふうになっていったんですよね。特にアレンジの詰め方は変わりました。それまではベーシックを僕が作ったら、脇山とふたりで詰めて、そのあとみんなに共有する流れだったけど、俺から直でバンドにおろすようになって。

脇山:スタジオで会話をしながら作っていったのが去年の4曲でしたね。

小山:アレンジの作り方が大きく変わったから、スッとはいかなくて、その4曲の制作は結構難航した記憶があります。

-そういうふうにやり方が変わると、どの作業で時間がかかるようになるんですか?

安宅:僕のデモがわりと粗いので、そのまま完コピしてもあまりいい結果にはならないんですよ。運指的に無理があったり、実際にやってみるとハモリが複雑すぎて気持ち悪かったりして。今まではそこをひとつずつ解決していく作業を終えたあとにみんなに渡していたけど、その作業をみんなでやるようになったので、かなり大きな変化だったと思います。あと、歌詞の解釈をみんなで話し合って、そこからアレンジを考えていくことも増えて。そうやってひとつずつ詰めていく作業を端から順にやっていったようなイメージですね。

フジカケ:制作中は忙しかったから本当にあっという間で......正直あんまり記憶がないんです。

安宅:今振り返れば不思議な半年間だったし、だからこそ思わぬ変貌を遂げた曲もありました。

脇山:アレンジを作る手の数が増えたぶん、アイディアのバリエーションもあったし、曲の幅が広がったなぁという感触がありましたね。「急須」(2021年2月リリース)はリズム・パターンが変わっているし、「automa」(2021年3月リリース)のアウトロにはシューゲイザー/ローファイっぽい感じが入っているし。「ぬかるみ山」(2021年4月リリース)は打って変わって和テイストで、「えび」(2021年5月リリース)は面白い曲になりましたね。

-「えび」には特に驚きました。あの曲はどのように生まれたんですか?

安宅:居酒屋で飯を食ってたときに即興で歌ったら、みんながめっちゃ笑ってたから、曲にしようと思って。で、打ち込みでデモを作ってみたら、ちょっとクオリティ高い感じにできて、面白いなーって。だからバンド内のノリみたいなものはあったのかもしれないです。

脇山:ああいう打ち込みチックな曲は1stアルバムでやっていなかったアプローチのうち、一番振り切ったものだと思うので、4ヶ月連続リリースの締めなんだから振り切ったほうが面白いかなと。「えび」が好きと言ってくれる人もいるんですよ。

安宅:そう。好きと言ってくれる人も意外といて。"ライヴでやらないんですか?"と聞かれることもあるので、"やんねーよ"と思いつつ(笑)。

-え、ライヴでやったら盛り上がりそうじゃないですか。

安宅:まぁ、そうですね。機会があれば......。

-ちなみに、アレンジをメンバー全員で詰めていくスタイルに変わった背景は?

脇山:1stアルバム、いい曲がたくさん入っているし反響もあったんですけど、全然満足はしていなくて。レコーディングやアレンジ、演奏のクオリティをもっと上げるためには、どうしたらいいかなという話だったと記憶しています。そのなかで、歌詞の主語を安宅伸明からdaisanseiの5人と捉えて、彼ひとりの物語から5人の物語に解釈を変えたときにどんな音楽になるんだろう? という実験をしてみた感じですね。

-なるほど。そんななか、2021年の9月に川原徹也(Dr)さんがバンドを離れました。先ほど"1stアルバムとツアーを経て5人組になったと感じた"という話もありましたが、その矢先にメンバーが脱退。ひとり減ってしまったことはみなさんにとってやはり大きな出来事でしたか?

脇山:めちゃめちゃ大きかったですね。川原さんがいたからできた曲もありますし、"今だったらこれはできないかも"と考えちゃうこともありますし。新体制になったから新しいことを、と考えてはいたんですけど、できなくなってしまったこともあるなぁと最近感じています。