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INTERVIEW

Japanese

AIRFLIP

2021年01月号掲載

AIRFLIP

Member:Satoshi(Gt/Vo) Gucci(Gt/Cho) Fujimon(Ba/Cho)

Interviewer:荒金 良介

AIRFLIPのミニ・アルバム『All For One』はライヴ感を高め、パッションと躍動感をふんだんに盛り込んだ攻めの1枚に仕上がっている。前作『NEO-N』においてはYELLOWCARDのRyan Keyをプロデューサーに迎えていたが、今作ではKubotyをサウンド・プロデューサーに招いて制作。バンドとしては2020年10月のRitsuyaの脱退を受け、結果的に4人体制でラスト音源という形になったものの、ライヴハウス・シーンに特化した曲調はポジティヴな風がビュンビュン吹いている。TVアニメ"EX-ARMエクスアーム"のオープニング・テーマ起用曲「Rise Again」を含めた今作について、メンバー3人に話を訊いた。

-前作(2019年リリースのメジャー1stフル・アルバム『NEO-N』)から1年3ヶ月ぶりになりますよね。今作の制作はいつ始まったんですか?

Satoshi:制作は前作のツアー("NEO-N Tour 2019-2020")中にやりつつ、レコーディングは3月末から4月頭までやってました。

-ツアー中に曲作りしていたんですね。そこでだいたいの楽曲は出揃ってたんですか?

Satoshi:いや、レコーディング中も作ってました。そこはいつも通りですね(笑)。ツアー中にできた曲は半分くらいかな。

Gucci:サビや、曲の1番だけはあって、それから徐々に構成を固めていきました。

-今回のレコーディング自体は順調に進みました?

Satoshi:そうですね。日にちも限られていたので急ピッチで録りました。順調にいったと思います。

-コロナの影響はあまり受けずに?

Satoshi:ギリギリでした。最初は夏に音源を出すつもりだったんですけど、ツアーもできないので、音源のリリースを延ばしたんですよ。

-作った音源をすぐに出せないもどかしさはありました?

Gucci:めちゃくちゃありました。

Satoshi:ありまくりですね(笑)。

-今作を作るうえではどんなヴィジョンで臨んだのでしょうか?

Satoshi:前作はメジャー1stフル・アルバムだったこともあり、大きなツアーも回ったので、ファン・ベースも固まってきた実感があったんですよ。今回はライヴ・シーンに向けて、疾走感のある2ビートを多めにしました。ライヴの盛り上がりを意識した曲が多いですね。

Fujimon:疾走感メインというのはテーマとしてありました。

Gucci:ライヴで一緒に楽しめる曲というか、今回は特にそこに力を入れました。

-ライヴを意識した曲作りという部分で大変だった部分は?

Satoshi:歌詞や構成の部分で話し合うことはありましたけど、曲作りはいつも通りでしたね。

Gucci:僕らの中ではすんなりいったほうかもしれない。

Satoshi:前作はメンバーに加えて、YELLOWCARDのRyan Key(Vo/Gt)がいましたからね。

-2ビートの楽曲が増えていますけど、疾走感のある曲調はバンド的にはやりやすい?

Satoshi:ライヴはやりやすいですね。今まではミドル・テンポと速い曲が半々ぐらいかな......いや、少なかったので、もう少し増やしてもいいだろうと。歌い手としてはミドル・テンポのほうが歌いやすいんですけどね。

Fujimon:ベースに関しては疾走感のある曲のほうが気持ちいいし、ライヴでお客さんがワーッ! となってくれたら、テンションも上がりますね。

Gucci:今まではシンガロングがメインというか、一緒に歌うことを重要視してましたからね。

-バンドが自然体で曲作りすると、メロディアスな曲のほうができやすい?

Satoshi:僕はミドルのほうが作りやすいんですよ。歌ありきで考えると、テンポがゆっくりした曲のほうが歌のメロディもいろんなパターンを作りやすいので。速い曲はどうしてもメロディが一定になっちゃいますからね。だから、今回は疾走感のある曲でも、メロディアスな歌い方を心掛けました。

-ちなみに最初にできた曲というと?

Satoshi:「Rise Again」か、「New Coaster」のどちらかだった気がします。

-「Rise Again」は、TVアニメ"EX-ARMエクスアーム"のオープニング・テーマに起用された楽曲です。この曲自体はタイアップの話を受けて、作り始めたんですか?

Satoshi:そうですね。ただ、アニメの主題歌が決まったけど、今までその意向に沿って曲を作ったことがなかったんですよ。それは新たなチャレンジでした。でも、曲作りは自分たちらしさを損なわないようにやれたと思います。メロディのテンポ感はリファレンスをいただいたので、そこに寄せて作りました。僕らの既存曲で「Days In Avenue」(『NEO-N』収録)という曲があるんですけど、その感じの海外のポップ・パンク要素強めの曲でとリクエストがありましたからね。

Fujimon:そこにシンガロング要素も入れてね。

Satoshi:そうそう、そういうものも盛り込んで。

-アニメの内容を踏まえて作ったところもあるんですか?

Satoshi:歌詞は自分の言葉で歌っているんですけど、アニメのストーリーにもリンクする形で、ここはあの場面を歌っているのかなって思ってもらえるように書いたつもりです。

-"僕らはまだ一緒に戦えるよ"と歌詞にありますけど、総じてポジティヴな内容に仕上がってますよね。

Satoshi:そうですね。単行本を全巻送っていただき、メンバー全員読んだんですけど、主人公がいきなり死んじゃうところから始まるんですよ。それでも、自分の役目は終わってないから、形がなくても生き続けて、それから仲間ができて戦っていくストーリーになっていて。それに合うように書きました。

Fujimon:漫画が面白くて、ワクワクしました。歌詞はSatoshi君が書いてくれたんですけど、僕も楽しみにしてました。曲とアニメをどう繋げてくれるのかなと思ったけど......アニメの内容に寄りつつ、いつものSatoshi君の良さも出てるから、さすがやなって。

Satoshi:ははははは(笑)。

Gucci:僕は、普段漫画は読まないんですけど、内容がすごく面白くて。曲作りでどういうふうに生かすかは難しかったけど、フレーズでアニメと繋げていくことは考えました。イントロやサビの後ろで弾いているオクターヴは意識して作りましたね。