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INTERVIEW

Japanese

THIS IS JAPAN

2020年08月号掲載

THIS IS JAPAN

Member:杉森ジャック(Vo/Gt) かわむら(Dr/Cho)

Interviewer:稲垣 遥

もっといけんだろって自分でも思ってます。やれることを全部120パーセントの力でやり切り続けていきたい


-また、水元(太郎)さんは、いつも最後にベース・ラインを入れて完成させる役割だったと思うのですが、今回はしょっぱな強烈な存在感のあるベースから始まって、ベース・リフで引っ張っていくのも新しい感じがしました。

杉森:あーそうかもしれないですね。水元が"クレジットに僕の名前だけない"みたいなことを言ってましたけど、そのベース始まりがあるから、そこは許してもらいたいです(笑)。だけど、水元のベースって、それだけでディスジャパの音になるカラーを持ってるなと思いましたし、全体を通してそれぞれの見せ場っていうんですかね。ドラムだけのところもあるし、小山と俺の掛け合いのところもあるし、ベース始まりだし、俺のギター・ソロもあるし、見どころを詰め込めたなと。

-ラップがこれだけ炸裂するのも結構久々ですね。

杉森:かわむら君は俺のラップのセンスを見いだしてくれようとしてたのかな。嬉しいですね。応えようと思いました。

かわむら:もっと普段からラップしてほしいんですけどね。

杉森:(笑)

-普段からそう思ってたけど、言わなかったんですね(笑)。

かわむら:そこは人それぞれ思いがあると思うから(笑)。でも、もっとやったらいいのに。

杉森:今、モチベーション上がりましたよ。

-タイアップもありますし、本当にこれまでTHIS IS JAPANを聴いて応援している方だけでなく、幅広い層に届くきっかけになると思います。

杉森:そうですね。今話してきた新しい試みもいろいろ入れたけど、THIS IS JAPANらしさもちゃんと入れられたなっていう実感があるんで、アニメに花を添えられたら嬉しいですし、僕らのことも知ってもらえたら嬉しいです。

-そして、カップリングの「RRRIOT」は杉森さん作詞作曲です。

杉森:これは2017年1月に作った曲で、「HEARTBEAT」と経緯は似てるんですけど、どこに入れようかなってタイミングを探していたもので。今回は「new world」が今までにない新しいことをガツッとやった、いわゆる攻撃的な曲だなと思ってたんで、THIS IS JAPANのメロウな、ロマンチックな部分、エモーションとギター・サウンドが合体した"らしい"曲を入れたいなと。

-本当に「new world」とは対照的に、温かくて優しい曲に感じました。"RIOT"は暴動、騒動などという意味がありますが、それを愛おしそうに歌っている曲だったので、ライヴのことを歌っているのかなと個人的には感じたりしていました。

杉森:あー嬉しいですね。解釈は自由にやってもらえればと思うんですけど、「HEARTBEAT」も似たようなテーマで。周りの環境とか、衝撃やしがらみがいろいろあると思うんですけど、結局、一人称と二人称でぐっと通じ合えていればそれが一番嬉しいし、大事なことだよなと思うんです。それってライヴをやっているときの感覚にも近いですしね。生きてる感を共有できているっていうか。

-あと、気になっていたのですが、『WEEKENDER』以降のアートワークは共通して花をモチーフにしていますよね。これにはどういう意味が込められているのでしょうか?

杉森:アートワークは倉石一樹さんっていうデザイナーの方にやっていただいていて、俺らも全部の意味は聞いてないんですけど、"『WEEKENDER』と「Not Youth But You」で繋がりがあるアートワークにしたよ"と聞いています。「Not Youth But You」はメジャー1stだったんで、ディスジャパが今まで積み上げてきたものを次に橋渡したという意味だったそうです。そこから花が続いています。コンセプティヴなジャケットは俺も好きなので、そのバンドのジャケットってこうだよねって、ぱっとイメージできるものになっているというのは個人的にお気に入りです。

-そういうことだったんですね、納得しました。さて、いろいろと聞いてきましたが、今作『new world』はどんな作品になりました?

杉森:「Not Youth But You」はメジャー1stで、ディスジャパの総決算の意味合いがあったなと思っていて、いわゆるディスジャパ・サウンドの一番新しいものが出せたっていう気持ちが個人的にはあるんです。で、「HEARTBEAT」は2016年の頃の曲ですね。その意味では、新しいことにトライしてみようっていう本当の意味での新曲が、「new world」だったんだなとできあがって思いました。

かわむら:すごいイベントが前提のリリースなんですけど、それがコロナのタイミングと重なって、シンプルにめちゃくちゃ思い出深いというか。こんなにみんななんもできないって言ってるのに、アニメのエンディング・テーマをCDでリリースできるっていうのが、なんだかとても幸福なことに思えて嬉しいのはありますね。で、サウンドは、正直言うとちょっとらしくないかなって初めは思ってたんですよ。でも、歌詞を詰めていったり、配信ライヴでやったりするうちに、"これは今の我々にとって中心に置けるような曲だな"っていうのが、染みわたってきました。

杉森:そうだね。

かわむら:アニメのエンディングって、言ってしまえばいつもと目的が違うと捉えられがちなんですが、それがすごく我々の血肉になった感じがあって。"アニメの曲をリリースしたんだよ"じゃなくて、"我々の新曲をリリースしたんだよ"っていう思いになれて、なんだかとてもいい気持ちでございます。

-では、最後に今後のことも少しお聞きしたいのですが、小山さんがInstagramで新曲も制作中と書いていらっしゃいました。

かわむら:そうですね。ライヴがなかなかできないんで、そりゃ作りますよ。

杉森:ディスジャパとしては『new world』ってシングルを出して、こっからいくしかないだろってモードに間違いなくなるわけで、新しいTHIS IS JAPANをどんどん世の中に発信できたらなと思ってます。

-先のことはまだ見えないところも多いですが、今年も半分過ぎて、来年THIS IS JAPANは結成10周年を迎えますね。

かわむら:そうですね。そういえばそうだ。

杉森:あー全然考えてなかったですね(笑)。

-そうしてただ突っ走っていくというのもディスジャパっぽいですけどね。

杉森:もともと大学で、バンド・サークルで出会っていて、スタート地点の気持ちのひとつとしてバンドを続けたいなっていうのはあったんで、10年続けられて嬉しいけど、やっぱもっといけんだろって自分でも思ってますよ。今はこういう状況になったから、ますます感じたんですけど、やれることを全部120パーセントの力でやり切っていきたいですよね。今はやれることが少ないけど、全部やれるようになっても同じ打点で、120パーセントで続けたいなと考えてます。