Japanese
THIS IS JAPAN
Skream! マガジン 2020年08月号掲載
2020.07.07 @渋谷WWW X
Writer 稲垣 遥 Photo by 留置太輔 / ゴンダイメグミ
THIS IS JAPANの約4ヶ月ぶりとなるバンド編成でのライヴが、7月7日に渋谷WWW Xで開催された。無観客/生配信という形で行われた本公演。会場には、ステージではなくフロアで全員が向かい合うようにセッティングされた楽器と、位置につくメンバー4人、そして、全体を撮るカメラに加えて各メンバーにもついたカメラマンたち。少し異様な空間のなか、静かに高まっていく熱を感じていると、定刻きっちりに暗転した。
トレモロ・アームを使った不穏なギターが40秒ほど鳴り響き、緊張感と期待感がひしめくなか、スティックで4カウントを取り、大音量でTHIS IS JAPANのライヴがスタート。1曲目は「グルメ」だ。心臓に響くドラム&ベースと併せて、映像では彼らのパフォーマンスに重なるように"THIS IS JAPAN"のバンド・ロゴも大きく映し出され、まるで映画の冒頭のような演出に胸が高鳴った。フラッシュ・ライトの点滅と性急なビートでさらに心拍数が上昇する「ストロボ」から、シームレスに「apple me」へと繋ぐ。"ようこそ「NOT FORMAL」へ! This is THIS IS JAPAN!"と杉森ジャック(Vo/Gt)が叫び、張りつめた空気からシャウトで一気に解き放たれたのか、スピーカーに足を掛けたり、左右へ動き回ったり、杉森の動きも弾けてきた。
また、4人が今そこで鳴らす音を耳から感じ、興奮するのはもちろんのこと、彼らの表情や手元を大写しにしたシーンを軸にし、真上から4人を捉えたアングルや、杉森の背後からフロア全体を映す映像などが次々と移り変わり、そこにVJによる映像世界が折り重なる、視覚的な仕掛けからも目が離せない。
MCでは杉森が久々のライヴに対し、"正直めちゃめちゃ楽しいよ"と素直な気持ちを視聴者へ伝えた。そのまま落ち着いたトーンで次のパートへ進もうとするも、かわむら(Dr/Cho)に"杉森さん、暗くないですか?"と言われた杉森。"おいおい!"とムキになり"元気いっぱいやろうと思いまーーす!!!"としゃがれた大声を出し、5月にリリースされた強力なキラーチューン「HEARTBEAT」へ。些細だが、バンドとしての確かなチームワークが感じられるやりとりだった。そして、「カンタンなビートにしなきゃ踊れないのか」の曲終盤、3人のコーラスと杉森のまくしたてる言葉が重なるパートでは、彼らの"どんな状況でもライヴがやりたいだけ"という共通する想いが感じられ、グッとくる。
"トーク・パート"と題された中盤では、ステージ裏にて、この日が誕生日という小山祐樹(Gt/Vo)へメンバーからプレゼントが手渡される企画が。水元太郎(Ba)からはサメのぬいぐるみ、杉森からはマラカス、かわむらからはオカリナと笛、スタッフからは靴下、鉄分&コラーゲン入りウエハースとゼリー飲料、漫画、MY BLOODY VALENTINE、JOY DIVISION、小山のバイクがプリントされた3枚のオリジナルTシャツと、それぞれに愛情のこもった贈り物が手渡され、小山の顔が穏やかながらもほころんでいく様子が微笑ましかった。
そして、ライヴ後半戦は小山が最初のヴォーカルをとる「GALAXY」で幕開け。あえてのストレートなメロディが直接心に届く。一転、続く「SuperEnough,HyperYoung.」は、鋭利なイントロから浮遊感のようなものが感じられるAメロへという緩急や、複雑なリズムの変化も満載の1曲で、また違った一面で楽しませてくれた。しかも、4ヶ月ぶりというブランクなど感じさせず、4人は冴えわたるプレイでそのすべてをフックにし、聴かせてくれるんだから頼もしい。彼らは決してそこを強調することはないし、ただ無我夢中なだけかもしれないが、この期間ただ休んでいたわけではないのだろうと確信するほど、この日の演奏のキレは凄まじかったと思う。
ホーンやコンガの同期も入る彼らとしては珍しいスカ・ナンバー「SUNNY」では、温かなサウンドに"もうきっと止まらない"という強い意志のある歌詞が乗り、逆説的に真に迫る。アウトロでは杉森がギターを見つめ、歯を食いしばって力いっぱいかき鳴らす姿も印象的だった。
"プレゼント何が嬉しかった?"(杉森)、"サメ?"(水元)、"サメ俺も欲しかった"(杉森)、"本当はタンバリンあげようと思ったけど、なかったんだよ"(かわむら)、"次のシングルでオカリナとマラカス使います(笑)"(小山)などと、リラックスしたトークに花を咲かせたあと、杉森から、メジャー1st CDシングル『new world』のリリースと、表題曲がTVアニメ"ノー・ガンズ・ライフ"のEDテーマに決定したことがアナウンスされ、その新曲を披露。ぶっといリズミカルなベース音からスタートし、杉森のラップ・パートなど、問答無用にリスナーを昂らせる。アニメや歌詞にちなみ、銃口の真影が映し出されたり、ジャケ写になっているガーベラの花が咲く映像が差し込まれたりするのも粋だ。
そこから畳み掛けるように披露した、彼ららしさ溢れる剣呑な雰囲気を纏った1曲「悪魔とロックンロール」では、ボルテージが最高潮に。杉森が床を這いつくばりながらマイク片手に一点を見つめ進む姿が、バンドを取り巻く逆境と戦う姿にもシンクロする。「D.I.Y.」では"「コーラが飲みたいな」"、"足りない足りない"とこれまた今の我々の気持ちを代弁するかのように刺激の渇望を歌うが、そんな彼らの足元やスピーカーの上に飲みかけのコーラが置いてあるのも目に入り、改めてステージ・ドリンクがコーラという事実にもニヤりとしてしまう。ラスト「FREEMAN」では、"今日は久しぶりに4人集まって高まっております。最近ライヴなくて、部屋片づけたりとかばっかしてたけど、やっぱ今日エレキ・ギター弾いてこれしかねぇって思いました! このインターネットを突き抜けるビッグ・マフを聴いてください!"と杉森はフロアからステージに上り、最後はギターを頭上にぶん投げ、カメラもそれを追うように宙を舞い、映像は床に転がった画で本編の幕が閉じた。
水元によるグッズ紹介を経て、"やっぱ足りねぇっすね"(かわむら)とセルフ・アンコール(!)。杉森がカメラを見て"やってみて、またやりたいなって思った。今日はありがとうございました。またすぐ会いましょう"とリスナーとの再会を約束し、もう一度「new world」を爆音で披露して、ライヴを締めくくった。1時間40分の挑戦を走り切った彼らに、配信が終了したかどうか確認することさえ忘れ、思わず拍手をしてしまった。"2020史上一番生きてる感ありました"と杉森はライヴ後ツイートしていたが、その言葉がすべてだ。そんなライヴの意義というものを改めて感じさせるような、まっすぐで最高の一夜だった。
[Setlist]
1. グルメ
2. ストロボ
3. apple me
4. Yellow
5. HEARTBEAT
6. TALK BACK
7. カンタンなビートにしなきゃ踊れないのか
8. Not Youth But You
トーク・パート
9. GALAXY
10. SuperEnough,HyperYoung.
11. 手紙
12. SUNNY
13. new world
14. 悪魔とロックンロール
15. D.I.Y.
16. FREEMAN
En. new world
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