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INTERVIEW

Japanese

MIGMA SHELTER

2020年04月号掲載

MIGMA SHELTER

Member:ミミミユ ブラジル ユブネ タマネ レーレ ナーナナラ

Interviewer:宮﨑 大樹

サイケデリック・トランスで言葉通りに"踊り狂い"、ライヴ・アイドル・シーンで唯一無二の存在感を放ち続けているMIGMA SHELTER。アルバム制作とツアーに向けて昨年行われたクラウドファンディングでは目標の400パーセント超えとなる支援額約1,200万を達成し、その注目度と期待値の高さが窺える。今回、Skream!初登場となる彼女たちにインタビューを敢行。"レイヴ"と称される、ノンストップで、ときにマッシュアップやMEGA MIXをも織り込んだ、発明とも言えるパフォーマンス(メンバーは失神、痙攣してしまうこともあるという)の魅力や、"不思議の国のアリス"をコンセプトとしたアルバムについてなど、話を訊いた。


失神するアイドルって普通に考えていない。そこまで入り込めるのはサイケデリック・トランスの魅力でもあるのかなって


-飽和状態のアイドル・シーンでも、サイケデリック・トランスをパフォーマンスするグループは唯一無二なわけですが、オリジナル・メンバーであるミミミユさんはMIGMA SHELTERの音楽についてはどう捉えていますか?

ミミミユ:サイケデリック・トランスのことは、ミシェル(MIGMA SHELTER)しかわからないんですけど、頭がぶっ壊れる音楽なのでめちゃくちゃ好きです。

-あとから加入したみなさんはいかがでしょうか?

ブラジル:加入する前にファンの方からミシェルのCDを貰って聴いてみたら、"こんなアイドルがいるんだ"って知って、ビックリした記憶があります。そこで気になって加入した感じで。

ユブネ:私はいわゆる王道系のアイドル・グループにいたんですけど、ミシェルを観て単純にカッコいいなと思ったのと、サイケ×アイドルで成り立ってるのはミシェルしかいないから、唯一無二の音楽だなと感じて。ミシェルにしかできない音楽だから、グループの方向性はブレないんだろうなと思っていました。

ナーナナラ:小学生のころからいろんなアイドルを観てきたんですけど、初めてミシェルを観たときに、対バンで出てきたらパッと空気が変わって、不思議な雰囲気になったんです。"今のはなんだったんだろう?"っていう印象から始まって、知れば知るほど深くて、メンバーもすごく魅力的で、好きじゃなかった系統に突然ハマりました。実際に加入してみても、やればやるほど楽しいので、本当にやりがいがあるし、"他のグループとは違うんだぞ"って思いながらステージに立っています。

-ナーナナラさんはお客さんとしても観に行っていたんですね。

ナーナナラ:いろんなイベントにも行っていたし、ふたり体制(ミミミユ&ブラジル)の時期もよく観に行っていて、握手会にも参加していました(笑)。

ユブネ:ミシェルに入ってから田中(紘治/ディレクター)さんとかに教えてもらったサイケデリック・トランスを聴いたりしてるんですけど、ほぼヴォーカルがないじゃないですか? だからミシェルの音楽は"MIGMA SHELTERのサイケデリック・トランス"っていう感じがしています。ヴォーカルとサイケデリック・トランスが両立されているから、踊れるし、アガれるし、すごく好きです。

-音楽でも唯一無二なんですけど、ノンストップで、時にマッシュアップやMEGA MIXを入れるレイヴ(※MIGMA SHELTERではパフォーマンスのことを"レイヴ"と呼んでいる)も唯一無二ですよね。お客さんが踊り狂っている光景も衝撃的で。

レーレ:MCがなくて、例えば30分尺のレイヴだったら30分みっちり使って自分たちの曲をやるんです。持ち時間を全部使って、歌って踊り続けているのが"珍しい"とか"すごい"とかって声をいただけるので、そこは魅力なのかなって思います。しかも自分たちの曲をミックスすることで、その日その日で違うセットリストでパフォーマンスをしているので、そこもアピールしたいですね。

-レイヴのたびにミックスをしているから、同じレイヴがないわけじゃないですか? お客さんとしては嬉しいポイントだと思うんですけど、やる側は毎回新しいことをノンストップでやらないといけないので、体力的にも精神的にもかなりキツそうです。

レーレ:ステージからはけてきたときのリアクションが、王道系のアイドルさんと違いすぎて、対バンでマイクを交換する瞬間とかにビックリされるんですよ。必死すぎて顔を作れず、すごい形相で出て倒れ込んだりとかして(笑)。

ユブネ:"大丈夫ですか?"って言われて"だ、大丈夫です......"って(笑)。

ミミミユ:みー(ミミミユ)はレイヴ中に失神します。

-失神ですか?

ミミミユ:はい。失神して倒れてしまう状況がよくあります。

ユブネ:自分の歌割りとか、フォーメーションを移動しないといけないところは、意識がなくても、本能で身体を動かしてるみたいです。さすがだなって。

ブラジル:さっきまで痙攣してたのに突然歌い出したりします。

-痙攣まで!

ナーナナラ:してますね。"大丈夫?"って声を掛けても"うん、大丈夫"って返ってきます。

レーレ:そこまでレイヴに入り込んで失神するアイドルって普通に考えていないので、そこまで入り込めるのはサイケデリック・トランスの魅力でもあるのかなって。

ユブネ:頭が狂えている感じ。この前はブラジルちゃんも狂ってたもんね。

ブラジル:床に頭を打ちつけていて、たんこぶができてまだ痛い......。

ミミミユ:みーもレイヴ中に床を掘って突指をしました。

タマネ:掘れると思ったんだよね? こういう不思議な現象が起こります。

-初期の体制だと、ひとりひとりが命を削っているような、刹那的な魅力があったと思うんです。今ももちろん命は削っていると思うんですけど、チーム感というか、全員で乗り越えよう、みたいな印象もレイヴから受けました。

ミミミユ:前までは"私が、私が"って、全員が思っていたんですけど、今は"この子を際立たせよう"っていう気持ちが出てきていて、いいレイヴになっています。

-そういうふうに変化したきっかけってあるんですか?

ミミミユ:同じ方向を目指せているからかな。

レーレ:"チームとして活動していくんだ"っていう自覚をみんなが持っているから、曲中にも"自分のレイヴ"じゃなくて"うちらのレイヴ"っていう感覚でいられるんです。

ナーナナラ:とにかくメンバーの仲がいいんですよ。アイドルに限らず、女の子の集団だと、合う合わないとか、表面上は平和だけど......ってことがあると思うんですけど、そういうのが一切ないんです。みんなそれぞれ個性が際立っているんですけど、その個性もケンカしないし、レイヴだけじゃなくてプライベートでも変わらない関係で。みんな"ずっと一緒がいい"みたいに思っています。

ミミミユ:結婚します。

-え?

レーレ:これ、本当にノリとかではなくて――

ブラジル:6人で同性婚できる国を調べて、みんなで旅行に行こうと思っているんです。

ユブネ:全員で同じ指輪を薬指にハメたい。絶対に外さないですね。

-同性婚、且つ重婚が許される国を探さないといけませんね。

タマネ:それくらい愛が重いんです。ミシェルを好きでいてくれるお客さんも、こういう関係を楽しんで見てくれている感じもしていて。

ブラジル:ちょっと引いてるけどね。

ナーナナラ:え、引かれてるの?