Japanese
ANABANTFULLS
2019年09月号掲載
Member:安田 コウヘイ(Vo/Gt)
Interviewer:山口 智男
-全7曲の中で自分のヴォーカルが一番いいと思う曲は?
歌だけで言ったら、「踊る目」かな。唯一救いようのないネガティヴな曲なんですけど、こういう声を出せるんだって自分でもめちゃめちゃびっくりしました。
-「踊る目」は狂気が滲むようなところもあって、おっしゃる通り全7曲の中でも異色だと思うんですけど、ポジティヴな作品にしようと考えた中にどうして交じってしまったんでしょうか?
意識したわけではないんですけどね(苦笑)。最後に入った曲なんですけど、僕は目の前で"お前のバンド、ゴミだな"って言われたら一瞬で気持ちが落ちちゃうんです。"そんなこと気にするなよ"って言われても、"なぜそんなことを気にしているんだろう"と思って、また落ちちゃうんですよ(笑)。そういうときは自分の中でめちゃめちゃ不安定になってしまうんですけど、その反面、自分の周りにいる人たちを気遣ったり、守ったりできる人間でいたいと思っている自分もいるんです。その相反ってすごくないですか? 「踊る目」を作ったのは、めちゃめちゃ先輩に怒られたときなんですけど、"そう言う自分だってそんなときあるじゃん"って反発する自分がいる一方で、"もう俺なんてどうにでもなっちまえ"って自分もいたりして。そういうの多重人格って言うんだよなと思って調べてみたら、ビリー・ミリガンっていういっぱい人格を持っている人のことを知ったんです。
-歌詞の中の"アダラナ"がそうですよね。
そうそう、そうなんです。"アダラナ"って、ビリー・ミリガンが持っていた中でも一番優しい人格なんですよ。
-たしか女性人格の。
茶色い、すごくきれいな目をしていて、"踊る目"って言われていたっていうのを読んですごく面白いと思ったんです。ビリー・ミリガンはその他にもいっぱい人格を持っていて、中にはすごく凶悪な人格もあって。そこまで大規模な話ではないですけど、そういう一面が自分の中にもあって、作品を残すのであれば、そういう感情も入れるほうが正直なのかなと思って、この曲は絶対入れたいと最後まで僕が推したんです。
-こういう曲が入ることでラストの「乾杯!」の説得力が増すのかなという気もしました。「踊る目」は歌詞のみならず、フィードバックから始まる演奏も不穏な空気に満ちていますね。
意図してないんですけど、最初のギター・リフが、(L-R)のLから始まって、バンドインしたあと、いきなりRにパンする(振れる)んですよ。普通だったらリフはパンせずに同じところにあるんじゃないかと思うんですけど、マスタリングで気づいて"わ、LからRになるよ。気になる"ってなったんです。でも、"いいんじゃない? 二重人格(の歌)だから"ってなって(笑)、そういうことにしようってなりました。ミスなのか、エンジニアさんが狙ったのかわからずじまいなんですけどね。
-その「踊る目」以外は、前向きなメッセージをライヴのお客さんに向けているように聴こえるものが多いですね。
そうですね。「Brother」と「乾杯!」は、お客さんに向けています。誰に対してというところで、顔を思い浮かべて書いたものが多いんですよ。お客さんに限らず、誰に対してっていうのが曲ごとにあるので、それが明確になっていればいるほどリスナーはその曲に自己投影しやすい。逆にできない人もいるのかもしれないけど、自己投影できる人に対して歌っているというイメージです。
-「アンテイルザサン」の輪唱コーラスも含め、今回メンバーのシンガロングが増えたように感じましたが、バンドが一丸となっている様子が伝わってきますね。
シンガロングは、僕が好きで(笑)。ずっと大事にしてきたんですけど、今回増えたと感じてもらえたのは、アレンジ、演奏力が上がった結果、シンガロングがより効果的になったということなんじゃないかな。
-そういえば、「アンテイルザサン」はアルバムのリリースに先駆け、配信リリースもしていて。
今回アルバムを作るにあたってデモを出したとき、プロデューサーから"こんな曲があったらいいと思ってた! 曲も歌詞も含め、ベストのアナバンだ!"と言ってもらえて。ライヴでもやり始めているんですけど、お客さんの反応も良くて、配信も含め、今回のアルバムを聴いてもらうきっかけになると思うんですよ。歌詞も本当に思ってることをそのまま書いていて、胸が熱くなるような曲なんです(笑)。書いているときはそんなつもりはなかったんですけど、改めて聴いてみると、応援歌だなって。めちゃめちゃダサい言い方ですけど(笑)。さっき僕は一瞬で落ちるという話をしましたけど、最高のボルテージに上がるまでには時間がかかる。いいライヴをしているときでも、おいしいご飯を食べて幸せだと思っているときでも、どこかに不安があるからなんですけど、落ちるスピードで上がれればいいな、上がりたい! 上がろう! と思ってバッと書いたんです。この曲で初めてリリック・ビデオを作ったんですけど、歌詞を聴いてほしかったんですよね。そしたらビデオの監督も歌詞を推したいと言ってくれたんですよ。
-ところで、今回のアルバムは、アレンジはどんなことを意識したんですか?
大きなところでやれるイメージを持てるアレンジというのは、ずっと根っこにあるんですけど、『BAKAMANIA』のときよりもそれがはっきりしてきたと思います。僕がある程度骨組みを作ってからそれぞれが好きなようにアレンジするんですけど、全体的に体幹があるアレンジをしてくるようになったなと。これまで小手先でやっていたことを削ぎ落して、一音一音に意味があるアレンジになっているんですよ。
-なるほど。メンバーの心境にも変化があったと。
無駄口を叩かくなりましたね(笑)。やることがチームとして決まったら、それに向かって突き進む。前はミーティングをいっぱいしていたんですけど、あまりしなくなりました。そういえば、卓矢(小林卓矢/Ba)が『BAKAMANIA』をリリースしてから毎日、自撮りをTwitterに上げているんですよ(笑)。それを今まで3年間続けてきた。その根気は、すげえなぁって思います(笑)。
-願掛けじゃないけど、何かひとつ毎日続けようと決めたんでしょうね(笑)。
それも才能だと思います。めんどくさいとか、誰が見てるってわけではないからいいかなとか思った時期もあったらしいんですけど、それでも続けたら、すごく自信を持った人間になったので、人って変わるんだなと感じました。明るくなったんですよ(笑)。そんなふうにメンバーそれぞれに個性があるから、以前はそれを束ねようと思っていたんですけど、強制力みたいなものじゃ面白いものは生まれない。それが身に染みてわかるので、ある程度距離感を持ちつつ、それぞれ自由にやることで、4人が集まったとき、いい雰囲気になる。それはお客さんにも伝わると思うんですよね。
-じゃあ、レコーディングもそんなに苦労せずに?
そうですね。今回もほとんど一発で"せーの!"で録ったんですよ。松村(卓巳/Gt)と鯉沼(遼/Dr)がプレイヤーとして格段に成長していて、改めてびっくりしました。卓矢のベースも音が太くなりましたね。
-アルバムとしては2枚目ですが、ある意味新たなスタートの宣言というか、"これからこんなふうにバンドやっていくぞ!"という改めての意思表示になったところもあるんじゃないかって。
ありがとうございます。たとえ小さい火でも、それを消えないように守るというか、時代ごとに風が吹いても、それを受け止めたり、かわしたりしながら、その小さい火を燃え上がるところまでどんどん浸透させていけば、いずれ大きな火になるはずだって。堂々とした開幕宣言ではないんですけど、ここまで続けてきて、今はバンドが自然に大きな火になるだろうと信じてやっていますね。
-「乾杯!」からは、覚悟みたいなものも感じられますね。
『BAKAMANIA』をリリースしたときは、お店に自分たちのCDが置かれたり、取材もいろいろ受けたり、大きな会場でライヴをやったり、夢のような体験をさせてもらったんですけど、その後、状況が大して変わらないことを思い知らされて。気持ちが腐っていたんですけど、ライヴでそれがお客さんに伝わっちゃうのが一番やりたくないことだと思ったんです。そんなとき、自分を奮起させるために作った曲なんですよ。そういう意味では覚悟かもしれないですね。
-そして、9月17日から始まるリリース・ツアーは全国各地を回ったあと、11月15日に渋谷WWWで開催するワンマン・ライヴでファイナルを迎えるわけですが、最後にその意気込みを聞かせてください。
いいライヴができるようになってきた手応えが今あるんですけど、ライヴの成功例を見せるツアーにはしたくないんですよ。一本一本、挑戦していきながら、その結果をファイナルで見せられれば。アナバンやってきた中で一番大きなハコでワンマンをやることが一番大きな挑戦なので。そこを埋めると決めて、アルバム制作も含め、活動してきたんです。最初に決めた自分たちがなるべき姿に向けて、ライヴで見せていくしかないと思っています。ツアー・ファイナルは、めちゃめちゃ来てほしいですね。来たら絶対楽しんでもらえる、いいライヴをする自信が今はあるんですよ。
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