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INTERVIEW

Japanese

Suspended 4th

2019年08月号掲載

Suspended 4th

メンバー:Kazuki Washiyama(Gt/Vo) Seiya Sawada(Gt) Hiromu Fukuda(Ba) Dennis Lwabu(Dr)

インタビュアー:西廣 智一

昨年発表した楽曲「ストラトキャスター・シーサイド」がYouTubeで再生回数90万超え、クラウドファンディングを通じて野外フェス"Street Musician Summit"開催と、注目を集める名古屋 栄のSuspended 4th。彼らが、"PIZZA OF DEATH RECORDS"から初の全国流通盤『GIANTSTAMP』をリリースする。ハード・ロックやファンク、ジャジーな要素など、様々なジャンルの音が感じられる、まさに"ミクスチャー・ロック"。それを各プレイヤーが優れた演奏技術で奏でるというこのロック・アルバムが、どのようにして完成することになったのか。メンバー全員に訊いた。

-みなさん、それぞれどういう音楽的バックボーンをお持ちなのか聞かせてください。

Seiya:僕は中学生ぐらいまでまったく音楽に興味がなかったんですけど、友達の影響でBUMP OF CHICKENに出会って"バンドってカッコいいんだな"と思って。それでギターを始めたいなと思ったときに、おばあちゃん家の倉庫でギターを見つけて、触ってみたら"わりと簡単じゃん"って、そこからずっと続けてきました。一番影響を受けたのはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのアベフトシさんのプレイです!

Hiromu:小3からドラム、ギターを試したんですけど、どれもハマらなくて、"ドラムとギターはやったし、じゃあベースをやろう"と思って、中3でお年玉をはたいてベースを買いました。それでYouTubeに公開されている初心者講座動画でスラップ奏法に出会い、見よう見まねである程度弾けるようになって、最初にコピーした曲がLarry Grahamというベーシストの「Pow」という曲。初心者がやるような曲ではないですけど、それを弾けるようになったら、今度はマキシマム ザ ホルモンの上ちゃんに出会って、そこから上ちゃんがレッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)好きということでFleaに辿り着いて。さらにBULL ZEICHEN 88のIKUOさんに出会い、今に至ります。

Kazuki:僕は小学生のときに津軽三味線を習っていたんですけど、中学に上がったときにゲームの"DrumMania"にハマってドラムを始めて。高校に上がったタイミングでギターも始めたんですけど、そのときの高校の音楽の先生が、Nuno Bettencourt(EXTREME/Gt/Pf/Vo)とかハード・ロック好きで、70年代とか80年代の音楽を聴かされてたんです(笑)。その先生が自分のギターのルーツになっているのかな。

Dennis:俺は小学3年生ぐらいのとき、地元の子供オーケストラでパーカッションを始めて、そこからドラムを始めたんです。ドラム・セットの前に座った時点で"あ、これが仕事になるな"と思いましたね。ドラムを始めて数ヶ月後には、ラジオで聴いたDEEP PURPLEに"なんだこのドラムは!"と衝撃を受けて、そこからLED ZEPPELIN、CREAM、ジミヘン(Jimi Hendrix)みたいな音楽をどんどん聴き始めました。遡って1930年代のジャズとかも聴いて、中学3年ぐらいからライヴハウスで活動するようになって、今に至ります。でも、最近はちょっと新しい音楽も聴き始めて。CHAGE and ASKAとか安全地帯、YMO(YELLOW MAGIC ORCHESTRA)とか(笑)。

Kazuki&Seiya&Hiromu:80年代じゃん(笑)!

-なるほど(笑)。みなさんそれぞれルーツはバラバラなのに、どうしてこの4人が一緒に活動するに至ったんでしょう?

Seiya:僕がバンドの発起人で、最初に出会ったのがWashiyama。当時彼は高校3年生で、シューゲイザーっぽいバンドのリード・ギターを弾いていて、ひとりだけコテコテなハード・ロックの速弾きで(笑)。"こいつ面白いなー!"と思って声を掛けたのが最初の出会いです。で、話しているうちに意気投合して、一緒にバンドをやることになって。

Kazuki:そこから僕は専門学校に進学したんですけど、そこでジャズとか音楽理論を学んでいて、そこでの経験をSuspended 4thで試していました。

Seiya:でも、最初はドラムとベースに恵まれず、メンバー・チェンジを何度か経て次に入ってくるのがベースのFukuda君。彼は昔流行った6秒動画のVineですごく速いスラップを弾いていて、それが良くて誘ったんです。で、そのあとドラマーがやめるタイミングで、今度はYouTubeでドラマーを検索したらDennisがドラム・ソロ動画をアップしていて。その動画でプレイしていた場所が、Washiyamaの住んでいたところの隣町のスタジオだとわかって、コンタクトを取りました。

-音楽性云々よりも、みなさんのプレイを観て聴いて、面白そうだなと惹かれたわけですね。その時点で、音楽的にこういうことをやりたいという理想はありましたか?

Seiya:当時は歌モノっぽいキャッチーな音楽が売れると確信していたので、そういう曲をやっていて。Fukuda君が入ったときは彼がラウド界隈の人だったので、ちょっとラウドっぽい要素を取り入れるとか、いろいろ紆余曲折しました。でも、Dennisが入ったタイミングで、彼のドラムのキャパシティだったら、自分たちがやりたいことを全部やっても成立するとわかった瞬間に、すべてがガラッと変わった感じですね。

-Suspended 4thの楽曲はひとつのジャンルに固執したものではなく、1曲の中にそれぞれが影響を受けたいろんな音がミックスされている。それがひとりひとりの個性を生かした結果なんですね。

Hiromu:だから、本当の意味でのミクスチャーですよね。

-たしかに。さらにSuspended 4thがユニークなのが、ストリートをベースにライヴ活動をしていること。

Kazuki:以前、Suspended 4thとは別にもうひとつ別のバンドでサポートをやっていたんです。そのバンドが名古屋 栄の路上でライヴをやっているバンドで、そこ経由で自分が路上でやれることを知って。ライヴハウスでやるよりも純粋なリアクションがあるし、なんの色眼鏡も掛かってない状態でレスポンスがくるのは楽しいんですよ。それで"Suspended 4thでもやれるんじゃね?"と思ったのが発端です。

-たしかにライヴハウスって、まず目的がないと行かないですし。

Dennis:"ちょっと遊びにいこうか?"って場所じゃないのがすごく問題だと思っていて。俺もSuspended 4thに入る前に"路上ライヴをやってます"と知らされて、曲を聴く前に"やります!"と返事しましたから(笑)。

-でも、通りがかった人をどれだけ惹きつけるかって、それなりにハードルが高いと思うんですが?

Kazuki:でも、僕は逆にハードルが高くないと思ったからやっているのもしれないですね。

Hiromu:当時はライヴハウスに人を集めるほうが難しかったですし。

Kazuki:自分がサポートしていたバンドのギタリストが、人を惹きつけるのがめちゃめちゃうまかったので、それを横で見て真似て、Suspended 4thで昇華していった。だから、最初から人は止まるものという感覚だったんです。

Hiromu:攻略法がある状態で始めたからね。

-なるほど。そういう活動が、昨年は"Street Musician Summit"という野外フェスにまで発展しました。

Kazuki:自分が"フェスも路上でやればいいんじゃね?"と気づいたのがすべてのきっかけ。

Dennis:ある日突然"フェスやらない?"って言い出して(笑)。

Seiya:周りに神輿を担ぎたがる人しかいなくて、気づいたら場所取りのくじも当たっちゃって。

Hiromu:結構人気のスペースなんですよ。

-ずっと路上でやってきたんだからフェスだって路上で、無料でやると。

Kazuki:だから、いつもの延長なんですよ。それを友達と一緒に作った感じですね。

-そのバンドが、なぜに"PIZZA OF DEATH(PIZZA OF DEATH RECORDS)"と契約したのかという。

Seiya:去年バズってからいろいろお話をいただいていたんですけど、どこもしっくりこなくて。

Kazuki:で、たまたま大阪でライヴをやったとき、知らないオッサンから名刺を渡されたら"PIZZA OF DEATHや!"って(笑)。

Seiya:それこそ僕は高校生のときにHi-STANDARDのコピー・バンドをやっていて、今日もハイスタ(Hi-STANDARD)のTシャツを着てきたんですけど(笑)、普通にファンだったので"えーっ!"って驚いて。

Kazuki:もちろん"SATANIC CARNIVAL"があるとか、レーベルの活動内容も知っていました。で、俺らがやっていることのめちゃめちゃプロフェッショナル版だなと、マインド的に通ずるものがあると共感を覚えて。そこから話が進んでいった感じですね。

-今年6月には、その"SATANIC CARNIVAL"にも初出演。大型フェスへの出演はこれが初めてでした。

Kazuki:そもそも何千人規模でライヴをする状況自体が初めて。でも、よくわからなかったかな。

Hiromu:手は上がってたけど、みたいな。

Kazuki:そうそう。どうなんだろう? って感じでした。っていうか、デカいところで舵を取るのはすごく簡単だなと思っちゃって、逆に取れすぎて"これ本当に伝わっているのかな?"っていうギャップもあったし。ちょっと文化祭に近い感じかもしれないですね。そこで俺らがどう文化祭感を出さずに、演奏でもっと刺せるようになっていくのかが今後の課題。やっぱり"SATANIC(SATANIC CARNIVAL)"に出ているリスペクトできる人たちは、文化祭感がなくてちゃんと演奏で魅せていたので、早くそうなりたいですね。