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INTERVIEW

Japanese

YUTARO×フカツマサカズ

2018年04月号掲載

YUTARO×フカツマサカズ

ART LOVE MUSIC 代表:YUTARO
フカツマサカズ
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 上溝恭香

-そういう奇跡が起こることもあるけれど、頭の中のイメージを具体化するのは難しさもありますよね。

フカツ:「Hello, my future」は子役が出てるけど、子供を集めるのは大変でしょ? なかなか言うこと聞かないしね。

YUTARO:でもだいたい、子供は下ネタ言ってればキャッキャ言ってるんですよ(笑)。

フカツ:しょうがない監督だな(笑)。撮影の現場でのアシスタントとか、手伝いはどうしてるの?

YUTARO:いないですね。自分で音を出したり、モニター見て、カットで音を止めたりするのもひとりでやってます。モニター見ながら、カメラのケーブルさばきまでやってますから。

-何度かフカツ監督のMV撮影の現場にうかがったことがありますが、1本撮るのにかなりのスタッフが動いていますよね。

フカツ:映像は多いですね。

YUTARO:僕はできれば全部ひとりでやりたいんですけどね。

フカツ:ほんとに? できれば俺、映像はやりたくないくらい疲れちゃって。アイディア出すのも超大変だしね。

YUTARO:たしかにそれはありますね。今作っているA11yourDaysの「POOL」のMVも、スタジオは押さえていたんですけど、撮影の前日まで何も考えてなくて。突然思いついて、慌てて道具を買いに行きましたね。当日は、あたかも前から決まっていたかのようにやってましたけど。

フカツ:俺もたまにあるな。CAR10っていうバンドのMVをやったときは、あまり予算がないから、そのぶん俺の好きなもの撮らせてもらいますって約束をしたんです。曲のタイトルが"Mr.Bread"で、どういうMVにしようかなと思って。パンを持った変態おやじが、メンバーをひとりずつパンで殺すみたいなビデオになりました(笑)。しかも、照明を入れる予算がなかったので、僕の車のヘッドライトが照明ですしね。

YUTARO:iPhoneのライトなんかも結構照明に使えるんですよね。

フカツ:あと、リーガルリリーの「トランジスタラジオ」のMVは、最初は全然違う企画ったんだけど、気づいたらメンバーが交通事故で死んでいるビデオになりましたね。3日前くらいに、交通事故でみんなメンバーが死んでいることになりました、って言って。

YUTARO:アイディアの事後報告。リーガルリリーはトンネルで撮っている「はしるこども」もかっこいいですよね。あの場所、パクろうかなと思って、フカツさんに聞きましたもん(笑)。

フカツ:僕も結構YUTARO君に聞きますよ。"これどこでやったの?"とか。

-YUTAROさんが手掛けた清春さんや眩暈SIRENなどのMVは、雰囲気があって、映像作品っぽい感じがある。映画などが好きなんだろうなというのも伝わってきます。

フカツ:YUTARO君は、ロマンチックな作品が多い。ロマンチストだよね。

YUTARO:ロマンチックなのかなぁ。たまにふざけたこともやろうと思うんですけどね。でもメンバーに嫌って言われちゃうこともあるので、難しいですよね。

フカツ:たしかに難しさはある。世の中的には、誰でも撮れるような感じになってきたじゃない。だから、変なビデオとか、人と違うものを作らないと目立たないというのもあるよね。

YUTARO:でもその、変なものっていうのが難しいですよね。さっきのパンで殴り殺すとかすごくいい(笑)。

-タイトルひとつからの、すごい発想力ですよね。

フカツ:あとなんか面白かったのは、石崎ひゅーい君の「僕がいるぞ!」のMVで、歌詞に"いつでも電話してくれよ"っていうフレーズがあったので、ひゅーい君に、"ビデオの最後にひゅーいくんの携帯の番号を載せて、いつでも出るっていうのはどう?"って提案したんですよ。"だって、いつでも電話してくれよって歌ってるじゃない"って言って。それで、掛ければ出ますというMVを作ったんです。そしたらすごい数の電話がかかってきて、えらい大変だったそうですけど。

YUTARO:面白い(笑)。

フカツ:やんちゃで、ゲリラっぽいのは好きですね。ひゅーい君の「僕がいるぞ!」は、渋谷の交差点の真ん中で、車のボンネットに突然飛び乗って歌うっていうことをやったりもしましたね。もちろん、車は仕込みでしたけど。

YUTARO:ゲリラっていうことでは、STANCE PUNKSの渋谷センター街のやつもよかった。

フカツ:「ザ・ワールド・イズ・マイン」ね。あれはセンター街でガチで歌うみたいな企画で、最終的に宇田川交番にダイブするっていう(笑)。

-当時、相当話題になりましたよね(笑)。

YUTARO:あれ見たときは、さすがに大丈夫かなって思いましたけど。そういう面白さや刺激が、最近足りないですよね。

フカツ:いろいろやりたいですよね。YUTARO君は、映画とかやりたくないの?

YUTARO:うーん、やりたくないです。