Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Overseas

NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS

NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS

-今作の制作前の話をもうひとつ聞かせてください。GORILLAZの「We Got the Power」へのゲスト参加についてです。Damon Albarnとは若き日にいろいろありましたが、彼と共演したことが、何かあなたのその後の活動、例えば今作の創作に影響を与えたと思いますか?

いや、それはすでにこのアルバムの制作はかなり進んでいた段階だった。実は彼に本作でプレイしてもらいたかったんだけれど、彼にはその時間がなかった。GORILLAZのレコードに参加してほしいと依頼されたのは嬉しかったよ。「We Got the Power」という曲は本当に気に入っているんだ。素晴らしい曲だね。あのアルバム、あの曲で参加できたのを誇らしく思うよ。やるのは楽しかったし、彼と一緒に過ごせたのも楽しかった。もともと彼のバンド・メンバーの何人かは知っていたしね。本当に楽しかったよ。

-『Who Built The Moon?』の話に戻りますが、今作にも収録されている1stシングル「Holy Mountain」は、とてもノリがよくて痛快な曲ですね。この曲が生まれたきっかけを教えてもらえますか?

これは本作で最初にレコーディングした曲だった。ティン・ホイッスルのリフを聴くや否や、これが1stシングルになるということがわかった。サンプルからすべてが始まった。これはICE CREAMというバンドの「The Chewin' Gum Kid」という曲でね。iTunesで探そうと思うなよ。絶対に見つからないからな。正直に言って、俺がこれまで書いた曲の中で最高の曲のひとつだと思う。シンプルな曲だが、これまでで最も喜びが感じられる曲だ。これは女性たちの素晴らしさを描いた曲なんだ。女性とはいかに素晴らしいかということだ。そういう素晴らしい女性たちとの出会いについてだよ(笑)。俺もそういう女性に出会ったんだが、今でもそれについて曲を書いているんだ(笑)。妻との出会いについて、何百もの曲を書いたよ。この曲に取り掛かるのは楽しかった。曲を書くのにかなりかかったし、相応しいものにするのは難しかったが、ダントツで最高の曲となった。アメイジングだ。

-こんな軽やかなダンス・チューンなのに、もの悲しくて、深くて、素晴らしい曲です。ところがフランス語の箇所になると、これは決して文字どおりの"美しい世界"を歌っているわけではない、とわかります。どうしてこの曲を"It's A Beautiful World"というタイトルにしたんですか?

素晴らしい曲というのはすべてふたつの異なる意味を持っているものだ。ただ、ふたつ以上にしてはいけない。3、4つもあると、混乱するからね。どう説明したらいいかなぁ。あの曲がヴィジュアルだとすると、サビというのは......俺たちはパラドックスだらけの世界に生きている。地球はとても美しい。海は素晴らしい。動物たちは美しい。女たちは美しい。音楽は素晴らしい。それでもISIS(※イスラム過激派組織)のような野蛮な奴らや、Donald John Trumpのようなバカがいる。というわけで、世界は矛盾だらけだ。わかるかい? そういうのを俺はこの曲の中にまとめようとしたのだと思う。ビデオを見てくれたらそういうのがはっきりとわかるだろう。

-先ほど、人々がいかに屈しないかということについてお話しされていましたが、マンチェスターのAriana Grandeのコンサートでのテロ事件について聞かせてください。あのあと、マンチェスターのみなさんにとって「Don't Look Back In Anger」(1995年にリリースのOASISのアルバム『(What's The Story) Morning Glory?』収録曲)が、自分たちを癒すテーマソングのようなものになりました。それを見て、あなたはどう思いましたか?

言葉が出なかったね。ただ、これもまた悲しみの色を帯びている。むしろあの曲がああいうふうにならなかったら良かったのにと思うよ。テロリストの事件が起きなかったら、あの曲はもともとの姿のままだった。今では悲哀、悲しみそして果敢な抵抗についての曲になってしまった。あんなことが起きなければ良かったのにと願わずにはいられない。わかるかい? ある日、自宅でマンチェスターのテロリストの攻撃のニュースを見ていて、群衆の中の女の子があの曲を歌い始め、みんなも歌い出した。それが起きたとき、俺はテレビで見ていたんだ。自分が目にした最も美しいもののひとつだった。音楽がいかに人々を団結させるかについてそのときまで知らなかったとしても、今ではそれがわかるんだ。あの曲があの瞬間、あそこにいた人々すべてを団結させた。みんなが偶発的にね。そもそも誰もがあの歌詞を知っていたというのは驚異的だよ。他人同士なのにね。そしてあの娘がその歌を歌い、その曲が意味していることについて、誰もがあの瞬間......あれはいったい何を意味しているのだろう? 素晴らしいことだ。どうやってそれを表現したらいいのかわからないね。

-Liam Gallagherのアルバムは聴きましたか?

いや、聴いてない。

-それでは彼の新曲は?

最初の曲はなんだったかな? 「Wall of Glass」だっけ? それは聴いたよ。

-どういう感想を持ちましたか?

うーん、わからないなぁ(笑)。