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INTERVIEW

Japanese

ORESAMA

2017年11月号掲載

ORESAMA

メンバー:ぽん(Vo) 小島 英也(Prog/Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

-「流星ダンスフロア」はいまのORESAMAの音楽スキルや心情をダイレクトに感じられる楽曲だと思いました。2曲目の「ヨソユキノマチ」はどのように制作が進んだのでしょう?

ぽん:"ORESAMAには冬の曲はあるけれどクリスマスの曲がないよね"という話になって。クリスマスは世界中が一番温もりに恋をする日な気がしていて、その雰囲気がすごく好きなんです。ORESAMAでクリスマス・ソングを作るなら、幸せそうにきらきらした街の中で俯いた人が、ちょっとだけ顔を上げて優しい気持ちになれるクリスマス・ソングがいいな、孤独も前向きなかたちで肯定したいなと思って。それを小島くんに提案しました。

小島:"メロディとピアノの伴奏だけで聴いても最後まで聴き飽きない、いい曲を作ろう"という気持ちもあったので、メロディとコード進行に力を入れて。それで優しさやあたたかい部分をトラックでも表現しようと思って、シンセサイザーの音を極力使わずに、ピアノ、ギター、エレピ、オルガン......クリスマスの楽曲に使われるあたたかい印象のある生楽器を多く入れました。"ぽんちゃんの優しい部分"を表現できたらと思って。

ぽん:4回歌って、4回目のテイクをほとんどそのまま使いました。最初はぽつんとした印象のヴォーカルから、サビになってハモリが入って明るくなるところとか、すごくお気に入りですね。

-優しいけれどちょっと切ない楽曲に"ヨソユキノマチ"という言葉がしっくりきます。

ぽん:漢字でもひらがなでもない、カタカナって自分のもののようで自分のものでない印象があって。普段自分が住んでいる街も、クリスマス・ムードになると途端に自分の街じゃないような気がして......。

-すごくわかります。ちょっと置いていかれたような感覚になるというか。

ぽん:そうなんですよね(笑)。それで"余所行きの街だな"と思ったんです。でもその雰囲気や景色を"素敵だな"と思うし、外から眺めているだけで楽しい気持ちになるんです。だから漠然とクリスマスが好きなんですよね。歌詞を書くうえではそういう気持ちと、雪が降った朝の映像や、イルミネーションできらきらした映像を見たりして、イメージを膨らませていきました。あと、長野生まれなので雪の感じも身体が覚えているというか。

-"雪を踏みならして"というラインは長野県出身という雪が身近な人ならではだなと。雪が身近ではない人間は、どちらかというとちらちら降り注ぐシーンを思い浮かべるんですよね。

小島:あ、たしかに。"踏みならして"ってことは相当降ってるもんね(笑)。

ぽん:ちゃんと歩かないと転ぶんで(笑)。たしかに"雪"と聞くと、降っているシーンというよりは、一面真っ白に積もっているシーンを想像しますね。街を歩いていても雪かきの度合いで"あ、まだ外出てないんだな"とか"誰もいないのかな"とか思うし(笑)。何年東京で活動していても、長野の感覚が根づいてるんだなぁ。

-「Waiting for...」はエレクトロやテクノが基盤になったサウンド・アプローチになりました。

小島:他の2曲で生楽器をフィーチャーしたので、この曲ではシンセをがんがん使って、パソコンだからこそできる音作りをしていきたいなと思って。最初に"テクノを作ろう"という話から、ぽんちゃんが"Waiting for..."というタイトルをまずつけて。

ぽん:曲よりも詞よりもまずタイトルをつけました。歌詞の内容は私がアンドロイドだったら......と思いながら書いていったんですけど、アンドロイドに限らず、ペットや植物とかに宿る"向かい合っているその人しか自分にはいない、あなただけを待っている"という気持ちはすごく強いものだと思って。テクノというキーワードを聞いて思いついたタイトルが"Waiting for..."でした。それに対して小島くんが曲を作るというのは初めての経験で。

小島:タイトルの言葉をループさせたり、歌詞の中で多用したり。いままでこれだけ同じワードを曲中に並べたのも初めてでした。「ヨソユキノマチ」では録った楽器の音をなるべくきれいに聴かせようとしたんですけど、「Waiting for...」はいかにパソコンで音を力づくで変えるか、切り刻んで配置するか......というところを考えて。久しぶりにこういうアプローチをやってみて、楽しかったですね。

ぽん:この曲はメッセージというよりはサウンド感を楽しめるものがいいと思ったんですよね。だから同じフレーズをループさせたり、ミックスは機械感を意識した加工になっていたり。でも歌い方は結構エモーショナルなんですよね。"アンドロイド"と"感情"をどう表現するかを考えた楽曲だったので、すべてが新鮮でした。自分のロボット声はこんな感じなんだな......という発見も楽しかったですね。

-そういうヴォーカル・アプローチと通ずるかもしれませんが、機械音が基盤になっているぶん、生楽器が際立ちますよね。ギター・ソロがいい味を出しています。

小島:フレンチ・ハウスのエッセンスを入れようと思って作った曲なので、積極的に音を歪ませたり、ドラムも打ち込みなんだけど生のドラムのような音をエフェクトで加工していったり。フレンチ・ハウスも要所要所で生音が入ってくるので、そこにものすごい説得力が生まれるんですよね。いくら加工してあっても生の音は生の音で、それはすごくいいなと思って。どんなにシンセの曲を作っても必ず生音を入れようと思ってずっと制作してきて、いまはより効果的にそれができるようになってきたかな......と最近感じています。

ぽん:今回のシングルも3曲それぞれカラーが違うものが作れたので、いいバランスの作品になったと思います。

小島:3曲でかなり濃厚な味付けになりました。音にはかなりこだわっているので、再メジャー・デビューしてからのシングルは全部のインストも聴いてほしいですね。

-半年間で作った3枚ですからね。ORESAMAの現在位置を感じられると思います。

ぽん:この半年間でかなり"ワンダードライブ"してきました(笑)。アルバムも作りたいね。

小島:そうだね、アルバム。頑張りましょう!