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INTERVIEW

Japanese

ORESAMA

2018年08月号掲載

ORESAMA

メンバー:ぽん(Vo) 小島 英也(Prog /Gt)

インタビュアー:沖 さやこ

その当時のORESAMAのすべてを詰め込んだ名刺代わりのメジャー1stフル・アルバム『Hi-Fi POPS』リリースから約4ヶ月。絶えず挑戦を続けるORESAMAが、節目のアルバムを機に大胆なチャレンジに踏み切った。今作『ホトハシル』はメンバーそれぞれが新しいORESAMAを念頭に置いてトラックメイク、作詞、ヴォーカルにあたっている。TVアニメ"ムヒョとロージーの魔法律相談事務所"のエンディング・テーマでもある表題曲のテーマは"クール"と"ダーク"と"ロック"。新しいORESAMAを生み出すための工夫やそれに伴う手応えを訊いた。

-メジャー1stフル・アルバム『Hi-Fi POPS』リリースから約4ヶ月というインターバルでの新作発表ですが、現在あのアルバムはおふたりにとってどんな作品になっていますか?

ぽん:『オオカミハート』(2014年リリースの1stシングル)から走り続けてきた活動に、いったんひと区切りをつけられた作品という捉え方をしています。だからこそ今回はどんなアプローチをしていくべきか、すごく考えましたね。

小島:2018年4月11日時点でのORESAMAのすべてを詰め込んだのが『Hi-Fi POPS』だと思います。完結したとまではいかないけれど、ぽんちゃんの言ったとおり、ひとつの区切りというか。あのアルバムをリリースしたころから"ORESAMAというものを停滞させずにさらに進化させていかなければならないな"とは考えていて――そのチャレンジから生まれたのが「ホトハシル」と「ようこそパーティータウン」の2曲です。2曲とも『Hi-Fi POPS』を作っていなければ生まれていない曲なので、僕らに新しいチャレンジをさせてくれたアルバムという側面がすごく強いですね。

-表題曲「ホトハシル」は"週刊少年ジャンプ"で連載されていた漫画を原作にしたTVアニメ"ムヒョとロージーの魔法律相談事務所"のエンディング・テーマを書き下ろしたものですよね。

小島:書き下ろすにあたって、クールな印象を与えるもの、テンポが早いもの、ロックなものというリクエストがあったんです。特にメジャー・デビューをしてからは、いろんなジャンルの取り入れ方が柔軟になってきているので、ORESAMAなりにロックを解釈して、ORESAMA流のロックな楽曲を目指して作っていきました。だから今回いただいたリクエストは、大きなチャレンジでもありましたね。

ぽん:新しいチャレンジをしようと思っていたタイミングだったので、私たちにとってもすごくタイムリーで。いいタイミングでいただけたお話だったよね。

小島:そうだね。曲作りは1曲1曲で全力を出し尽くしちゃうので、今回も作り終わると"もうこれ以上この曲に対するアイディアは出てこないな......"と思うくらい燃え尽きましたね。

-ORESAMAに"ロックなもの"を求めるというのも、なかなかないことでしょうし。

ぽん:そうかもしれないですね。でも「ホトハシル」を聴いてまずロックだと思う人は、あんまりいないかもしれない。

小島:いないんじゃないかと思います。ロックと呼ばれるものは多岐にわたるけれど、「ホトハシル」は僕が知っているロックと呼ばれる音楽ではない。でもORESAMAなりにロック、ダーク、クールを解釈してひとつの楽曲にできたという意味では、ものすごく手応えを感じていますね。胸を張って"これがORESAMA流のロック・ミュージックです!"と言える楽曲が作れました。

-それも『Hi-Fi POPS』で"ORESAMAのポップス"というものをひとつ結実できたからでしょうね。

小島:それもありますし、ぽんちゃんの声が入ればORESAMAの曲として成立すると再確認できたからというのも大きいですね。ロックさやクールさを出すために、今回はぽんちゃんではない女の人の声を編集して音として使っているんです。その程度のことではぽんちゃんの声は絶対に埋もれないので、ぽんちゃん以外の声を入れることによって不気味さやクールさ、ダークさを出すことに成功したし、『Hi-Fi POPS』があったからこそ、そういうテイストに挑戦できたなと思います。今までは自分の中にいろんな固定観念があったんですけど、どんなときも、歌が強いから"これだけ強い音を入れてもいけるかな"みたいに音作りの選択肢が広がるし、面白い反応が起こる音のバランスを吟味していける。より新しいアプローチができるのは、ぽんちゃんのヴォーカルの成長も大きく関わっていますね。

ぽん:今回、小島君はあえて原作を読まずに制作に入ったんですよ。いただいたキーワードと作品のヴィジュアルだけで曲を作っているんです。

-あら、そうだったんですか。今までは小島さんも原作を読んでいらっしゃいましたよね。

小島:ぽんちゃんの歌詞は、自分の言いたいことも書かれているし、ORESAMAの世界観も表現してくれているし、アニメのテーマ・ソングの歌詞を書く場合、毎回原作を読み込んでいるから、アニメの世界はぽんちゃんが歌詞で表現してくれるだろうなと思ったんです。だから僕は"どんな楽曲を作るか"という本質的なところに第一に集中して、時間をかけて曲作りをしていきました。それとぽんちゃんの歌詞が重なってしっくりこないことはないだろうし、ORESAMAとして新しいものにもなるだろうという自信があったんですよね。

-「ホトハシル」はORESAMAにしてはリズムの刻み方が細かいですし、ファンク・テイストのフレーズがものすごくハイ・テンポで入っているのも斬新で。

小島:ロックは8ビートの曲も多いですが、ORESAMAとしては16ビートで刻みたいし、僕はギターを歪ませてコードをかき鳴らすのがあまり得意ではないので、早いテンポで細かく、タイトなリズムをファンキーなグルーヴ感で組んでいくことにチャレンジしました。最初は"せわしないかな?"とも思ったんですけど、実際にクリーン・ギターのカッティングをねじ込んで、そこにスラップ・ベースも突っ込んでみたら、独特なノリが出たんです。テンポが早いぶん疾走感はあるんだけど、リズムが跳ねているから踊れるんですよね。本当に新しい、僕も聴いたことがないような音になったなぁって。これでもかというくらい楽器の絡み合いが強い曲になりました。