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INTERVIEW

Japanese

[.que] × aquarifa

2016年10月号掲載

[.que] × aquarifa

記憶や想像力を刺激する、静謐で美しいエレクトロニカ・サウンドを生み出す音楽家、カキモトナオによるソロ・プロジェクト[.que]。2010年より[.que]名義で活動を本格化し、世界でも高い評価を得るインスト作品を発表してきたが、今回のミニ・アルバム『Daylight』ではヴォーカルにaquarifaの岩田真知を迎え、生のバンド・サウンドで歌モノの作品を作り上げた。そして、6thアルバム『Nightfall』は映像的なインスト作品で、[.que]の集大成的内容でもある。今回の2作の完成に至るまでを、作品に参加した岩田真知を迎え語ってもらった。

[.que]
岩田 真知(aquarifa)
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 川村 隼也

-おふたりが最初に会ったのはいつごろなんですか。

[.que]:去年の7月かな。僕が大阪に住んでいた当時から、aquarifaを聴いていたんです。当時はまだ会社員で、ライヴに行く機会はあまりなかったんですけど。音楽1本で生活するようになってから、東京に出てきて。自分の作品のほかに、テレビCMや企業広告の音楽のお仕事もしているんですけど、その楽曲を作るにあたって女性ヴォーカルを入れてほしいとクライアントさんから依頼があったんです。ヴォーカルを入れた音楽は作ったことがないし、どうしようと思ったときに、ふと"これ、真知さんいいんちゃうかな?"って。それで、Twitterか何かでお声掛けしたのかな?

岩田:そうでしたね。

[.que]:"真知さんこういうお仕事したことありますか?"っていう感じで聞いて。そしたら、"やったことはないですけど、やってみたいです"と返事をくれたので、ぜひということになったんです。

-そのときは、まだ面識はない状態?

[.que]:面識はなかったんですけど(笑)。

岩田:お互いの存在は知っていたんですよね。

[.que]:共通の知り合いが結構いたんです。ただ、実際にどんな人なんかなっていうのがわかったのは、去年の今ごろ"はじめまして"ってスタジオで挨拶したときで(笑)。スタジオ後に、ご飯食べながらめっちゃ話をしたんですよね。

-岩田さんのヴォーカリストとしての魅力はどういうところだと思っていたんですか。

[.que]:真知さんの声は、言い方は悪いかもしれないですが、独特。他の女性ヴォーカルよりも繊細な感じで。なんと言うか、裏がありそうな声なんです。"なんか持ってるな"という声をしているんですよね。aquarifaは轟音のギターの音と重厚なドラムのサウンドで、そのサウンドと声のギャップが面白かったし、かっこいいなというのがありました。

-岩田さんは、バンドを離れて自分ひとりでお仕事をされたのはそのときが初めてですか。

岩田:これまでにも、他のバンドにコーラスを頼まれたことはあったんですけど、企業広告だったりCMだったり、こうしてオファーをいただいて歌うのは初めてでしたね。でも興味はあったので、"じゃあ、お願いします"という感じでした。

-最初に会ったときは、どういうお話をしていたんですか。

[.que]:とりあえず、共通の知人でこういう人がいるよねとか。

岩田:[.que]さんはもともと広島にもいたんですよね。

[.que]:そうなんです。もともとは広島でバンドをやっていて、そのときはメロコア・バンドだったんですけど(笑)。

岩田:え、そうだったんですか!

[.que]:もともとパンク系の音楽をやっていたんですよ。そのときの友人も、お互いに何かしらで繋がっていることが多かったんです。

岩田:話が膨らみましたよね。いつ帰ろうかっていうくらい。[.que]さんの音楽を聴いて繊細な方というイメージだったんですけど、会ってみたら元気のいいお兄ちゃんでびっくりして(笑)。

[.que]:関西弁喋ってるしな。

岩田:バンドマンっぽい感じで、親しみやすかったんです。

[.que]:そこはお互い様で。僕もaquarifaの曲や歌詞を聴いて、難しい方なのかなと思っていたから。気さくで、話しやすくてよかった(笑)。

-そういう最初のお仕事から、今回[.que]さんの作品でも一緒にやってみようという話まで進んでいったんですか。

[.que]:その仕事のあとに、aquarifaのアルバム『マーニの秘密』(2015年リリースの3rdミニ・アルバム)のリリース・ツアー・ファイナルを観に行って。当時は、自分で"歌"を作ることにまだあまり興味がなかったんです。でも、いろいろと考えていくうちに、今のタイミングで歌を作ったらどうなるんやろうなって思って、歌詞を書き出したんです。それで、デモを作ったはいいが、さぁこれどうしようかと。自分で歌うには恥ずかしい歌詞やなと(笑)。そのとき作り上げたデモ音源がバンド・サウンドだったので、これはちゃんとレコーディングせんと音源が完成せぇへんなと思って。しかも、ヴォーカルもちゃんと録らんと無理やなと。それで、真知さんに頼んでみようかなとお願いしてみたら、OKで。

岩田:そのときはまさか、こんなふうに作品が膨らんでいくとは思ってもいなかったですけどね(笑)。

-そのときはまだ、『Daylight』の作品イメージはなかったんですね。

[.que]:全然なかったんです。1曲できたから、とりあえずバンドでレコーディングしてみたいなっていうもので、それが「Farewell」(Track.2)なんですよね。

岩田:ぼんやりと、こういう作品を作りたいというイメージはもしかしたらあったかもしれないですけど、今回2部作ですからね。ひとつは歌が入った作品で、もうひとつはインスト作品というところまでは考えてなかったと思うし。もっと長期的にやっていくものなのかなと思っていたら、意外と短期間で進んでいきましたね。

-レコーディングしてみたら、アイディアがどんどん広がってしまった?

[.que]:アイディアが湧いてきたんですよね。まず、ヴォーカルが真知さんに決定して。それから、ドラムはライヴでサポートをしてくれていた水口(彰太/LOOP POOL / December ほか)さん、ベースは去年2月に大阪でライヴをしたときに観に来てくれた、Rhycol.の松藤(裕志)さんに"一緒にやりましょう"と声を掛けたんです。そのときに音源をもらって、すごく良かったので。