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INTERVIEW

Japanese

グッバイフジヤマ

 

グッバイフジヤマ

Member:小島“lue”秀和(Gt) 中澤健介(Ba) 中山卓哉(Vo/Gt) 高原星美(Dr)

Interviewer:山元 翔一

-前作『ひばりくんの憂鬱』というEPからちょうど1年で2ndミニ・アルバム『スイートセブンティーン』がリリースされますが、楽曲のクオリティもサウンドも前作から格段に上がり、成長したバンドの姿を提示しています。この1年間はどんな期間でしたか?

中山:自分たちでも格段に上がったなと思うんですけど、もともと去年1年間はメンバーの脱退があったあとで、自分でもどういうバンドになっていくんだろうという試行錯誤の状態だったんです。そんな中で『5人はアイドル』(2014年1月リリースの1stミニ・アルバム)というCDのリリースを迎えました。そこからサポート・メンバーを入れてツアーを回ったりしたんですけど、正直どういった音楽をやればいいのかわからないまま進んでいました。そんな中で「ひばりくんの憂鬱」という曲ができて、ライブでやるたびにCDになってなくてもみんなが歌って盛り上がれる曲になっていったんです。先ほども言ったようにこの曲には常識に捉われないという部分でいろんな挑戦があって、それが今の僕らの基盤になったというか。この曲のおかげで今もこうしてバンドを続けられているのかなと思っています。そのあと、サポートのキーボードが抜けて今の4人になってからは、"鍵盤がいないからこそ、これからどんな足し算引き算が出来るかな"ってたくさん話し合って。4人でやっていくという覚悟を決めてからはメンバーそれぞれのやることも増えたんですが、だからこそ今までよりも細かい話し合いができるようになりました。練習にも身が入るようになりましたね。そのおかげでクオリティが上がったのかなって思います。この1年間は修行期間でしたね(笑)。

-楽曲のストックはかなりあると想像するのですが、今回なぜミニ・アルバムという形態に?

中山:楽曲のストックは30曲以上はあります。今回、新規レーベルの"Ladder Records"から第1弾アーティストとしてリリースの話をいただいて、その話し合いの中でミニ・アルバムという形態となりました。

-今作は、10代特有の退屈や憂鬱が描かれた歌詞がよく出てきますよね。"スイートセブンティーン"というタイトル通り17歳の少年少女、もしくは当時の中山さん自身に捧げるというテーマやコンセプトの作品なのかと感じました。

中山:その通りですね。やっぱり自分が書く曲は全部自分自身に捧げているんじゃないかなと思っていて。もちろん17歳の少年少女に捧げていながら、それを17歳当時の自分に重ねている曲たちですね。

-この作品はどのように立ち上がってきたのでしょうか? 起点となった楽曲や出来事などはありましたか?

中山:もともと曲がたくさんあるので早くCDを出したいという思いがあって。そのうえでLadder Recordsとの話の中で"「ひばりくんの憂鬱」に続くような曲を書いてみたら?"と言われて作ったのが「やまぐちみかこに騙された」でした。今作の楽曲が出揃った時点では作品のタイトルは特に決まっていなくてコンセプトもなかったんです。本当はあるバンドのカバーを収録しようと思ったんですけど、プリプロの段階でまったく自分たちらしくならなくて結局ボツになって。そのカバー曲のプリプロを進めるのと同じ段階で、"レコーディングまで1週間もないけど、もう1曲作ってみたら?"って担当の人に言われて作った曲が「スイートセブンティーン」で。自分たちでもすごく納得のいくいい曲になったので今作に収録することにしました。それでいろいろと話しているうちに"17歳がテーマになっている曲が多いな"ということで、"スイートセブンティーン"というタイトルになりました。

中澤:最後の最後にできた「スイートセブンティーン」が今回のミニ・アルバムを締めてくれた感じはあるよね。

中山:そうだね。これが、タイトル曲である「スイートセブンティーン」が今作の最後の曲になっている理由ですね。

-今作には"別れ"や"報われなさ"が作品を通して滲んでいるように感じたのですが、そのことはこの作品においてどのような意味を持つのでしょうか?

中山:その通りだと思います。先ほど言ったように、報われない気持ちを17歳のときに強く感じたことだったり、理不尽な別れもこれまでにたくさんあって、そういったことを忘れないように歌っているのかなと思います。これはこの作品が、というよりは僕がそういう人間なんだろうと思います。

-とはいえ楽曲は全編通してポップ且つキャッチーで、憂鬱などとは対極にある"楽しい"というフィーリングがベースになっていますよね。このギャップが切なさをかき立てるのですが、ご自身ではどのような認識をもっていますか?

中山:メロディが良い曲がいいと思うのでポップでキャッチーなものになっているんですけど、歌詞は素直に言いたいことを言っていきたいなと思って書いているというだけなんです。そのギャップとかはまったく気にしていないですね。

-それぞれの楽曲について訊いていきたいのですが、Track.1「HELLO」は"別れ"をテーマにした楽曲ですよね。楽しい時間はいつか終わる、出会いがあれば別れは必ず訪れることを示唆するような楽曲ですね。

中山:「HELLO」は"別れ"がテーマなんですけど、前向きな曲なんです。いろいろなことは突然なくなってしまって、当たり前なことが大事なんだということを歌っているんですが、サビで"Hello, goodbye"と歌っているのに曲のタイトルに"goodbye"を入れなかったのは前向きな"Hello"だけにしたいなっていう気持ちからなんです。

-この曲はある人のために書いた大事な曲だそうですね。

中山:お世話になった人が亡くなってしまい、最後にその人に会ったときにちゃんと挨拶ができなかったことをすごく後悔していて、人と会ったときには"さようなら"とか"また会おうね"とかきちんと挨拶をすると後悔がないかなという思いで書きました。

-Track.2「レノンとマッカートニー」のタイトルは文字通りTHE BEATLESのJohn LennonとPaul McCartneyのことですね。同じような孤独と憂鬱を抱えた中山さんとJohnの姿が重なって聴こえますが、そこは意識したところですか?

中山:そうですね。

中澤&小島:うそつけ(笑)。

中山:ホントだよ(笑)。僕が生まれる7年前の7日前にJohn Lennonが殺されたんですよ。7年前の7日前って何か不思議じゃないですか? 自分がJohn Lennonの生まれ変わりだとかはまったく思わないですけど、でも歌っていることとかすごく共感する部分が多いので、ずっと書いてみたいタイトルではありました。

-"レノンとマッカートニー"というタイトルながら歌詞はJohn Lennonについてのことしか書かれていないですよね。

中山:この曲の歌詞は1番ではJohnのことを書いているんですが、実は"何とかなるさとつぶやいて/またどうにもならなくなっちゃって/何もない部屋の隅にいるはずの君に問いかけてはみるけれど"という部分はPaul McCartneyの目線で書いているんです。