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INTERVIEW

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グッバイフジヤマ

グッバイフジヤマ

グッバイフジヤマ

Official Site

メンバー:小島“lue”秀和(Gt) 中澤健介(Ba) 中山卓哉(Vo/Gt) 高原星美(Dr)

インタビュアー:山元 翔一

"平成の渋谷系"を自称し、自らのルーツとなる音楽に敬意を払いながらも同時代的な音を鳴らすグッバイフジヤマ。彼らが、後悔や退屈、孤独といった青春の憂いを噛み締めた歌詞を、都会的洗練と四畳半的風情の巡りあうサウンドでポップに昇華させた6曲を収める2nd ミニ・アルバム『スイートセブンティーン』を完成させた。前作『ひばりくんの憂鬱ep.』より約1年、格段にクオリティの上がった楽曲でバンドの成長を見せつけた今作とその背景に迫るべく、ソングライター中山卓哉(Vo/Gt)を中心にメンバー全員に話を訊いた。

-グッバイフジヤマは2011年に中山さんと中澤さんを中心に"ルンペンフジヤマ"として結成されました。バンドを始めるにあたって中山さんは、音楽と家族と友人以外のすべてを捨てたそうですが当時はどういった心境だったのでしょうか?

中山:もともとは音楽好きのリスナーだったんですね。地元の山梨県にいたときに当時中澤(健介/Ba)がやっていたバンドのライブを観にいったりしていて。そのころは自分でバンドを本格的にやったことはなかったんですが、バンドをやりたいという漠然とした思いがあったんです。それで2010年に大学を卒業して就職をしたときによく車に乗る機会があって、そのタイミングでフジファブリックの『CHRONICLE』(2009年5月リリースのメジャー4thアルバム)というアルバムをよく聴いていたのですが、曲の中での志村正彦さん(Vo/Gt/※2009年12月に逝去)自身の葛藤が激しくて、自分と重なるところがとても多く"僕は何故やりたいことをやらずに妥協した毎日を過ごしているんだろう"という思いが強くなって、"すごく怖いけどすべてを捨てて一歩踏み出してやってみよう""若さは一瞬だから死ぬときに人生後悔したくない"という気持ちからバンドを始めるに至りました。

-グッバイフジヤマの音楽の根底には一度きりの人生において"後悔"するような生き方をしたくないというソングライターの中山さんの精神性や思想があるように感じました。

中山:まさに先ほどのバンドを始めたきっかけの話と繋がるんですが、後悔というのはどの道を選んでもするものだと思うけどやっぱりなるべくしたくない。自分の決めたことをしっかりとやる、他人に流されて決めた道ではなく自分で決めた道なら後悔してもそれは"いい後悔"かなって思うので、そういう生き方をしたいという思いは音楽の根底にあるのかもしれませんね。

-この"後悔"ということに関して、ブログで明かされていたサッカーの試合でのエピソードがすごく印象的で。高校3年生の最後の大会で敗退した試合でロングシュートを外してしまったこと、そしてそれをバンドを始めることになるまで夢で見続けたそうですね。

中山:中学生、高校生のころってあんまりいい思い出がなくて、この高校3年生の最後の大会でロングシュートを外してしまった、自分のせいで負けてしまったというのは嫌な思い出で。それからバンドを始めるまでは自分がなんとなく生きている感じでした。バンドを始めて自分のやりたいようにしかやらなくなってからはぱったりこの夢を見なくなったんです。「いつも飛んでる♪」という曲にもあるんですが、"誰だって後悔はしたくない"という誰しもが思う普遍的なものを歌っているだけですね。後悔をしたくないというか、はっきりしたい。"自分のやりたいことはやるべき""言いたいことは言うべき""日本人は何でもオブラートに包みすぎ"という精神性が歌詞になっていると思います。

-同じような話でいうと、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「新世紀のラブソング」(2010年リリースの6thアルバム『マジックディスク』収録曲)には"あの日 僕がセカンドフライを上手に捕ったとして/それで今も抱えている後悔はなくなるのかな"というヴォーカルの後藤正文氏の実話に基づいた歌詞があるのですが、共感する部分はあります?

中山:ありますね。自分が大会でシュートを外したことを後悔しているという話をしましたが、もしそこでシュートが決まっていたとしてもそこで何かが変わったのかと言われれば多分変わらないと思うんですよ。今のバンド活動みたいに人生をかけてまで何かを始めるっていうことじゃないと結局何も変わらなかったと思うので。ASIAN KUNG-FU GENERATIONの歌詞になぞらえてみても、シュートを外していなかったらもっと早くバンドを始めてたかといったらそうじゃないと思うし。この歌詞にはみんなが共感するんじゃないかなと思います。

-グッバイフジヤマの音楽からはandymoriや銀杏BOYZ、小沢健二や曽我部恵一などの影響が窺えました。そういったルーツに根ざした音楽を臆面なく鳴らすグッバイフジヤマのスタンスは"平成の渋谷系"と自称するだけはあるなと感じたのですが、それらのルーツにある音楽にある魅力とは?

中山:やっぱり、andymoriも銀杏BOYZも小沢健二さんも曽我部恵一さんもみんな本気というか、誰にも流されずにやっている音楽かなって。それぞれが"彼らでしかない"音楽だというところが魅力的だなと思っています。例えば銀杏BOYZの曲を僕らがカバーしても絶対に銀杏BOYZにはなれないんです。

-ルーツに根ざした音楽といっても、グッバイフジヤマの音楽はきちんと同時代的な感覚を持ち合せたものですよね。みなさんが鳴らす音楽において1番大切にしてるものは何ですか?

中山:ジャンルや常識に捉われないことです。例えば「ひばりくんの憂鬱」(2014年リリースの1st EP『ひばりくんの憂鬱ep.』収録曲)では、Aメロのハードコアのような展開からBメロで急にポップになってサビでは四つ打ちになるという。最初スタジオに持ってきたときは"なんだこれ"みたい空気になりましたけど(笑)。そういう概念みたいなものをぶち破った音楽をやりたいです。

小島:僕は自分にしか出せないものを出していきたいと思ってます。

中澤:1番大事なのは歌だと思うんですけど、ベーシストとしての役目としてみんな外から 見れたらいいなと思いながらやってます。

高原:中山の言う"ジャンルや常識に捉われない"という部分を面白がってやれているのがグッバイフジヤマの強みであり個性だと思うので、そういった部分をつきつめていくというのは常にテーマとして掲げているつもりです。自分たちが楽しんでやれることが第一歩目にあるのが理想の状態だと思っています。