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INTERVIEW

Japanese

la la larks

2014年06月号掲載

la la larks

メンバー:内村 友美 (Vo) 江口 亮 (Key/Prog)

インタビュアー:沖 さやこ

内村友美(ex.School Food Punishment)、様々なアーティストのプロデューサーとしても活躍中の江口 亮(Stereo Fabrication of Youth、MIM)、三井律郎(THE YOUTH、LOST IN TIME)、クボタケイスケ(Sads)、ターキー(ex.GO!GO!7188)というキャリアを重ねたメンバーで2012年に結成されたla la larksが、正規音源としては初作品となる1stシングル『ego-izm』をFlyingDogからリリース。表題曲はTVアニメ"M3~ソノ黑キ鋼~"のエンディング・テーマ曲でもあり、コラボレーションや関わる人々との制作というものに重きを置いたla la larksの活動形態が明確に出た楽曲が揃っている。キャリアのある5人だからこそ辿り着いたバンド像について、内村と江口に伺った。

-もともとはどういう繋がりからバンド結成に至ったのでしょうか?

江口:彼女が前やっていたバンド(School Food Punishment)で僕がプロデュースをさせてもらっていて。普段僕はアレンジャーみたいなことをやらせてもらってるんですけど、その繋がりなどで親交のあるミュージシャンを集めて、彼女のソロ・ライヴをやったんですよね。それが最初で、このままバンドになっちゃった、という。

-では始まりは内村さんのソロ・プロジェクトだったということですか?

内村:わたしのソロというよりは、メンバーも登録制というか(笑)、メンバーも流動的で、ヴォーカルすらも変わるプロジェクトで行ければいいのかな、というイメージがわたしにはあったんです。そのときは前にやっていたバンドを休止させてしまったばかりで、バンドはすごく難しいものだと思っていたし、奇跡みたいなものだと思っていたんです。だからそれを自分にもう1回できると思っていなかった......というのが正直あって。そういう話を江口さんとして始まったのがla la larksだったんです。

江口:彼女はバンドに疲れちゃってたんですよね。あと、プロでやっていく環境に疲れちゃってた。スピード感とか。でも音楽は楽しいものだから、そういう環境だけ用意してあげられればいいかなと思って。

内村:それで2012年5月に第1回目のライヴをしたときに(メンバーの)みんなが"歌うの楽しいでしょ?""ライヴって楽しいでしょ?""バンドって楽しいでしょ?"というのを改めて教えてくれた感じがあって、この人たちをサポート・メンバーに見せるのは嫌だなと思ったんです。だから"ああ、これはバンドにしたいな""バンドとしてやっていく姿勢を見せたい"と思えて。それで固定メンバーのバンドになりました。

-純粋な気持ちからバンドになっていったんですね。正式音源をリリースしないままライヴを続けていったのは、そういう内村さんのリハビリとしての意味合いもあったのでしょうか。

江口:そうですね。リハビリもあり、あと"出口"をいまだに探っているというのもありますね。例えば、バンドを結成して、ライヴをして、事務所と契約して、1stミニ・アルバムを出して、いろんな雑誌に載って。メーカーがついて......これがよくある流れじゃないですか。今はCDが売れるわけでもないし、エンタメの技術が発展しているわけでもない。なのにその一連の流れだけが残っている気がするんです。でもVOCALOIDクリエイターやニコニコ動画で音楽をやっていた子たちは、その流れで音楽をやっているわけではなくて、大きなライヴハウスを埋めることができる。だから現代に新しい価値観が出てきているんですよね。だから今までと同じ"バンド"をやっていくにしてもフォーマットから考える必要があるんじゃないかな......というのがあって、正式音源を出していなかったのもあります。別にいつでもCDは出せるんですよ(笑)?レーベルもたくさん知ってるし、自分で作ることもできる。でも出せるけど出さないことの意味もあるのかな、と。

-"出せるけど出さない"という状況で得たものは?

江口:J-WAVEの"TOKYO REAL-EYES"とのコラボ企画でクラウド・ファンディングを行って(※番組出演時のトークから制作することになった「28時」という楽曲をCDにしてリスナーに届ける費用を集めるという企画)、その落としどころが"CD"だったんです。今回の『ego-izm』もTVアニメ"M3~ソノ黑キ鋼~"とのコラボレーションで、それも"CD"だった。だからCDというものにまだ価値がある、ということに気付けました。音を閉じ込めておくものとしては、今のところまだいちばんいいものなんだなと。これが映像を巧みに使うグループだったら、もしかしたらBlu-rayかもしれないですけど、僕らはそういうバンドではないですから。

内村:わたしは、当たり前の手順を当たり前に踏みたいと思っていたんです。バンドができて曲ができた。それを聴いてほしいからライヴがあって、来てくれるお客さんが増えたから会場を増やして大きくする......その延長に"CDを出すこと"がやってくるといいなと思っていたんですよね。今の時代、本当に簡単にCDを作れてしまう。だからこそちゃんとした段階を踏んだ後にCDを出せば、やってきたことの結果がちゃんと出て、純粋な気持ちで活動に臨めるんじゃないかと思っていて。さっき江口さんが言ったクラウド・ファンディングの企画は、わたしが前のバンドでレギュラーを持たせてもらっていた時のディレクターさんからのお話で、人との繋がりの中から出てきた話だったし、今回の『ego-izm』もアニメの監督さんがla la larksの音楽を聴いていくれたことが始まりだったので、それが自分のla la larksを始めたときの気持ちとずれていないことがすごく嬉しいことですね。

江口:"CDを出す"という出口よりもそこに行くまでのプロセスが大事ということに気付けた、という感じですね。

内村:何があったからこうなっていったのか、そこにどれだけのものが詰まっているか。そういうことのほうが大事だなと思うので、この2年間はそれを詰めるための時間だったのかなと思います。

江口:今も詰めている段階ですね。そのプロセスが楽しいから、ただCDを出すみたいな簡単にできることは後回しでもいいかなって。......まあお客さんからは"てめーらいい加減に出せ"と思われてるかもしれないですけど(笑)。