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INTERVIEW

Japanese

la la larks

2014年06月号掲載

la la larks

Member:内村 友美 (Vo) 江口 亮 (Key/Prog)

Interviewer:沖 さやこ

-江口さんだけでなく、メンバー全員でそういう作業をなさったのがla la larksのバンド感やグルーヴなのかもしれないです。

江口:メンバーの頑張りは計算外で良かったことですね。ホント40歳のリズム隊がすごく頑張ってくれて......(笑)。

内村:"これは必死にならんと応えられん!"とね。普段よりたくさん個人練に入ってました(笑)。リズム隊はそれぞれで入って、更に2人でも入るという。

江口:人は相手の本気に対して本気を出していくじゃないですか。僕もアニメが大好きで、それは作品が好きなだけではなくて、作っている人の本気が好きというか。寝ずに作業しているかたもいるだろうし、展開を考えるために頭を悩ませている監督もいるだろうし。そういうことを考えると、その人たちに負けたくないんですよね。だから本気でいきたい。それで自分たちも本気で当たれたので良かったなと思います。

-「ego-izm」「end of refrain」「earworm」と今回の収録曲が全て"e"で始まるのも意識的なものですか?

内村:はい、揃えました。「ego-izm」のタイトルが決まったあとに、(c/wの2曲の)タイトルを何にしようかなと考えていて。それで、「ego-izm」が"M3"のエンディング・テーマだから、こっちも"e"で揃えてみれば"M3"と"E3"みたいな、と思って(笑)。そしたらディレクターさんに"Eを右に90度回転させるとMになる"と言われてハッとして、迷わず全部"e"始まりにしたんです。

-エレクトロ調の「end of refrain」、ベッドルーム・ミュージック的な「earworm」は「ego-izm」とは違う毛色のものを作ろうとなさったのでしょうか。

江口:2曲目(「end of refrain」)は「ego-izm」と同じタイミングで作っていたので、毛色の違うものを、と思っていて。今回は作品として"M3"とのコラボレーションでもあり、レーベルのFlyingDogとのコラボレーションでもあるんです。それで1枚の盤を作らせてもらえるので、シングルと言えども作品ですから、CDの完成度、内容として相応しい3曲目はなんだろう? ここでガンガンくる曲ではないなー......と思って作ったのが3曲目で。だからバランスは気にして作りました。だからこのシングルは"la la larks meets M3 and FlyingDog"のカラーですね。2曲目のようなエレクトロな感じの曲やアコギを入れるような曲はこれまでライヴでもやっていないので、今回の機会だからこそできた曲かなと思います。

-「end of refrain」はかわいい曲ですよね。女性らしさもあって。内村さんの歌詞はいろんなものに立ち向かう強さを感じさせつつ、意味深な言葉も並んでいると思います。この曲で言えば"逆さまに愛を紡げ"とか。

内村:これは"嫌いになりたい"という意味をそういう風に言ってみたんです。この曲はキャッチーなメロディだったので、口ずさみながら自然に言葉が出てくる感じでした。"ここのメロディではこういう風に言いたい"というのに加えて、全体的なストーリーに法則性を持たせていって。"逆さまに愛を紡げ"もするっと出てきた言葉だったので、自分でも一瞬どういう意味だ?と思った言い回しでもあるんです(笑)。だからこそ「end of refrain」は自分がこれまで書いてきた中でも気に入っている歌詞で。昔はまったく考えないで書いていたんですよね。そういう歌詞は発音の響きはいいけど意味やストーリーがないことが多くて、そこに意味やストーリーをちゃんと持たせたいと思うように意識が変わったんです。それから頭で考えて歌詞を書くことがすごく多くなって、歌詞にも頭で考え抜いた言葉が並ぶようになって。それを繰り返してきて、昔のような考えてない歌詞と、考え込んだ歌詞の良いところを取りたいと――その成果が「end of refrain」で見えてきた気がしていて。だから"逆さまに愛を紡げ"はその象徴のような一文なんです。

-"逆さまに愛を紡げ"を含め、終盤の歌詞は特に印象的で耳に残ります。

内村:朝から夜になっていく変化とともに、気持ちもどんどん内側に入っていくように変化することをイメージしていて。最後の言葉のほうがより本音というか、本心に近い言葉が最後に並んでいるんです。そういうことが功を奏したのかもしれないですね(笑)。自分改革みたいな成果が出たかもしれないです。

-内村さんの歌いかたも以前より伸びやかだと思いました。

内村:単純に、細かく練習をしたからだと思います。今回の曲、特に「ego-izm」「end of refrain」はとにかく難しくて、最初本当に歌えなかったんですよ(笑)。何度も練習して"なんでこんなに詰まってるんだろう?""なんでこんなにリズム感悪く聴こえるんだろう?"と思って、ここでは○拍伸ばす、ここはベンド・ダウンする、しゃくる......そういうものを一言一言全部決めていったんです。それを自分で客観的に聴いて、練っていってからレコーディングに臨んだので、それで滑らかに聴こえるのかな。

江口:自分で歌を録れるようになったんです。前のバンドでは僕が録ってたけど、それはあくまで(プロデューサーとしての)仕事だから。でも同じバンドのメンバーを手厚く保護なんてできないんで(笑)、自分のことは自分でやれと。内村もパソコンで歌を録ってチェックできるようになったから、自分の範疇が増えたんだと思うんですよね。

内村:江口さんはその場で声色とかを指示して歌を作ってくれるので、歌を録ってもらうと自分が練習してきたものとガラッと変わるんです。それを繋いでいったものが今までのわたしの歌だとすると、今回は用意していったものを録ったので違和感がなくなったのかな。

江口:バンドっぽくなったんだよね。