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INTERVIEW

Japanese

[Champagne]

2013年08月号掲載

[Champagne]

Member:川上 洋平 (Vo/Gt)

Interviewer:石角 友香


-今になって以前の曲も“曲いいんだね”って反応は皮肉ですけど、それだけ今回のアルバムが現実的にいい曲としてダイレクトに届いてる証拠だとも思うんですよ。

そう。だから悔しいのはその場限りの盛り上がりだったり、踊れればいやみたいなところでもてはやされてるアーティストを見ると、ふざけんなよってなるので(笑)。そこにやっぱ勝ちたいんです。やっぱりデカイ歌を歌わなきゃな、作んなきゃな、演奏しなきゃなっていうのは持ってますね。

-デカくなりたい理由というか、根本には何があるんですか?

理由は特にないですね。なんでか?ってとにかくカッコイイから。デビューしていちばんになりたいなってことしか考えてなくて、理由は考えないようにしてますね。なんか……なるしかないから(笑)。

-ははは。そうやってビッグ・マウス呼ばわりされるワケだけど。

たとえばセールス世界いちばんになるとか、グラストンベリーのヘッドライナーとか、グラミー賞とか別にそういうんじゃなくて“俺、なんかいちばんだな”って思えればって言ってますけど……いっつも“世界一だ!”とか言って、それは媒体の方が盛り上げて頂いてるので、そうなってるだけで(笑)、実はすごくフラットな気持ちでいるんです。

-でもオンリー・ワンじゃなくてあくまでナンバー・ワンを目指す、と?

そうそう。どんなジャンルでも“誰もが認める”ってことだと思うんですけど。まぁでもそのためにやってるんじゃなくて自分たちがカッコイイと思うものを……どうしてもいろんなアーティストを聴いて、なんか足りないなとか逆にいらないなとか。じゃあ自分たちはこうやろう、自分はこう歌おう、そうやって自分たちの音楽になって、それはどうしても作んなきゃ、歌わなきゃ、販売しなきゃってなるんで、こうなったワケなんですけど。

-あと、[Champagne]の特徴って“まだ、夢は見られるんだ”っていうことを曲で表現し続けてるところで。

そうですね。そこはメンバー間のまだピュアな気持ちですね(笑)。だってまだ1コも叶ってないので。ま、デビューは叶いましたけど、でもそこから超金持ちになって、超有名になって、世界一のバンドになったぜ!この3つはどれも叶ってないんで、それは夢見ますよ。なんも叶ってないですからね。だからホントにそれぐらいになるまでは言い続けるんじゃないかな。そりゃ確かにソールドしたけど、Zepp(Tokyo)も反省会ばっかやってましたら(笑)。

-(笑)どんな反省を?

反省というか、次へ次へっていうのが多いんですよね。バンド以外でそんな楽しいことないんで。映画見るぐらいしかないんで“バンドどうしようかな”って考えることが好きなんですよね。“どうしたらこの[Champagne]っていうバンドはもっともっと大きくなれるのか?”を考えるのが趣味なので。好きなことで苦労って言っちゃいけないとも思うんで、これはずっと続いていくんでしょうね。

-ロック・バンドしか果たし得ない夢について、誰も語らなくなって久しいですけど。

うんうん、そうですね。だからインタビューとか読んでても、もし僕がティーンエイジャーだったらハマんないだろうなっていう発言ばっかで。いい子ちゃんならいい子ちゃんらしい、ひとつバカなとこがほしいんですかね(笑)。ウチなんかデビューも“まぁ無理でしょう”って感じだったけど、何の根拠もないのに絶対、デビューできるって中学校からやってて。じゃあ世界も行けんじゃないかな?って思っちゃうんですよね。だから現実を見ながら夢を見れたらいいですね。

-現実を変えたいって思うのが自然なぐらい、今、現実がマズイ状況だし。

うん。そうですね。だからといって別にファンの子たちの世代に“変えて行こうぜ!”とかないですけど、自然とおのおのがそうなってきてる感はありますね。

-話が思いっきり総論になっちゃいましたが、今回のアルバムでよくできてるなとか、気に入ってる流れはありますか?

えーと、1~4までの流れはすごい好きですね。なんか滝のように流れてくる。

-シングルはメロディアスな曲が多くて、それも[Champagne]の特徴を伝えていたけど、今回曲の構造が難しくてもダイレクトにカッコよさが伝わる曲として「Kick&Spin」っていう武器もできたんじゃないかと。

俺も大好きです。これは自分が歌っててすげぇ楽しい歌を作りたいなって。今回意識したのは、ヴォーカリストとして歌に集中する時にめちゃくちゃ楽しい曲を作りたいと思ってて、メロディをどう立てる?とかけっこう重視した曲ですね。ホントはスタンド・ヴォーカルをやりたいって気持ちが出てる曲。

-確実に今作でバンドの肝をつかみやすくなったところで、夏フェスにかける展望はいかがですか。

フェスは去年初めてメイン・ステージに立たせてもらって、今回は“じゃあ、おまえらどれだけ勉強してきたんだ?”っていうことが問われると思うんで、成果を出せればいいと思うんですけど、同時に単純に楽しみたいですね。昼なんだけど、観た人に“夜観たいな”と思わせたいし、主人公になりたいし。フェスって主人公は誰か一目瞭然で、トリ以外は脇役ですからね。でもそこで決められたストーリーじゃなくて“あのバンドすごかった”って、絶対なんなきゃいけないと思いますね。

-そして来年の話になりますけど、武道館公演も決まっていて。

イメージはできますよ。武道館って僕の中では好きなアーティストが出てるし、歴史的にも日本のロックが始まった場所ってイメージもあるし、やる意味もあるし。でもひとつの点でしかないですね。“できた、よかった、おめでとう!”じゃなくて“収まりきらなかったな”ってぐらいにしないといけないと思います。

-今回のアルバムを機に始まったばかりな感もありますね。

俺はまだ始まんなかったなと思いましたけど。まだ日本でCD販売してて、そこで1位になんないと始まった感じはしないですね。向こうに行く時になんの手土産もなく行く感じだし。今のチャート見ててもいろんなアーティストいるけど、アイドルの方とかに勝たなきゃダメだし、単純にアーティストとして負けてると思うんですね、かなり魅力ありますよ、どのロック・バンドより。だってちゃんと世間を引っ張ってるじゃないですか。そこに勝たないと将来ないと思うんで……実際の勝ち負けというより、勝とうと思わないとね。アイドルの握手会とかバカにする人いますけど、売る気合がないんですよ、今のロック・バンド(笑)。そこをなんとか脳ミソ使って……。