Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

rega

2012年05月号掲載

rega

Member:三宅 隆文 (Dr) 四本 晶 (Gt) 井出 竜二 (Gt) 青木 昭信 (Ba)

Interviewer:沖 さやこ


-タイトルの『SOLT&PLUM』にはどういう意味が込められているのでしょうか。

青木:ソルトとプラム、直訳すると“塩梅(あんばい)”っていうことで。生命力を込めたくて塩の“salt”を太陽の“sol”にして。去年は世の中に過剰なことが多かったので、命について考えることも多かったりして。生きてこそでしょ!っていうのが基盤になって、生きていることを基盤の上での、いいバランスのことを言いたくて。アルバムを作るとき”いい塩梅のものを”っていうのは合言葉のようになってたんでそれに含み……というか、根本的なことを入れて文字を変えたということですかね。

-8曲目の「The Seto」というタイトルが気になったのですが……。

四本:これは僕が持ってきたんですけど、どうしても個人的なことを入れたかったんですよね。瀬戸内海のセトなんですけど……ダサいんですけどね(笑)。ツアーで初めて瀬戸内海を訪れたときに訪れたときに見た神々しさに感動したのと、僕は東京で、3人は愛媛の人間なので、隔てるというか。境界線なわけですよ。

-みなさんと隔たり、ありますか?

四本:いや! そうじゃなくて……。

一同:(笑)。

四本:途中から入って、間を埋めるのに、個人的には苦労した部分がいっぱいあったんですよね。年齢だったり。単純に、愛媛と東京に凄い差がありましたね。3人が愛媛の新居浜ってところ出身で、2人(※青木と井出)は小学校からの幼馴染で。方言もそうだし、喋んないときは喋んないんですよね、この人たち。“すげー機嫌悪いのかな?”と思ったらそういうわけじゃないし(笑)。regaにとってはそれが自然なんですよね。幼馴染っていうのがでかいのか、ライヴしてると特にこの2人に阿吽の呼吸を感じるんですよ。そこに最初、ついてこうと必死で。ビデオ見て“どうなってるんだろう?”って考えて。でも埋まんないし。自分がずれてるような感覚もあったりして。ストレスになって爆発したこともあるし。でも時間を掛けて深めて、今はそれが埋まってきた実感もあるし……そういう喜びの曲なんです。聴くと泣きそうになります。

井出:そんなに深い曲なん!?(笑)

一同:(笑)

青木:リード曲こっちに差し替えたほうがええんちゃう?(笑) ……いやでも、いい曲だと思います。晶のテイストがregaにしっかり反映された曲だと思うし。

井出:でも俺らもそういう、変化を欲してたのかもね。埋める方法は俺らも分からんかったし。それには時間が必要なことだったと思うし。寧ろ、前のギターが辞めるっていうのはバンドの危機で。それで晶が加入してくれて“やっとライヴができる”って思ってて。だからそこ(※四本とのズレ)すらも感じてなかったし、新しいregaになって当然だったし。“どうなるんだろう?”っていう楽しみがあったけど、それとは裏腹な部分がね(笑)。

四本:3人は新しいものに期待してたけど、僕は昔のregaに合わせようとしてたんですよね。そこのギャップがありました。

-密なコミュニケーションがあってこその今作ですよね。「The Seto」は聴いてて、ずっと同じ場所にいるけれど風景が変わっていくようなイメージがあったんです。朝から夜に、春から夏へ、秋から冬へ……みたいな。だからバンドのことが反映されているというエピソードを聞いて納得しました。

三宅:おー、なるほど。

井出:さすがや。ちゃんと締めてくれたわ(笑)。

-(笑)。regaの音は無駄な力が入っていないというか、ラフで自然だと思うんです。でも物凄く作り込まれていて、トリッキーだと思いますし。 井出:ラフなだけじゃ嫌なんで、神経使うとこは使って。自分らもそのほうが気持ちいいけん、そうなってしまっとるというか。……作ろうと思って作っとるわけでもないし、気持ちよさに従ってったらそうなっとる。計算しとるようでしてないというか。

青木:ラフに見えるからといって、適当なことをしているわけではなくて、しっかり練習して自分のものにしてから曲にして。そうじゃないとお客さんに届けるのに説得力がなくなるし。自分たちが一番興奮してるものを届けるわけじゃないですか。それがなるべく自然に出来るように、何度もライヴを重ねたり。自分たちにないものを表現しようとしているのであれば、そこのレヴェルに行くまで練習や経験を重ねて。ちゃんと自分の中から出せるようにして……それが俺らのラフですね。

-なるほど。だから複雑なリズムでもお客さんが心地良く音にノれると思うんですよね。

青木:不思議ですよね。そういうのはもっと、頭使って、音楽理論でバチバチやるのが正解のような気もするんですけど……。僕らの楽しいところはそこじゃなかった。けど楽曲は複雑なほうが好きで、それを普通にやっちゃってるんですよね、曲作りの段階で。だから多分……変態なんじゃないんですか?(笑)

一同:(爆笑)

青木:よう訊かれるもん“どうやって曲作りしよんですか?”て。覚えられん、とか。これがもう自然な形であって。……僕は自分の好きなことしかできない人なんで。絵を描くの好きだし、曲を作るの好きで、音楽をやるのが好きで。自分にハマった音楽を聴いた時に、自分が好きな絵や映画を見たときとかの気持ちが好きなんです。これを表現して、みんなが共感してくれたら嬉しいし、こんなにいいものですよっていうのをみんなと共感したい。それがまずバンドであって、バンドが共感してくれたら、自分には味方がいるっていうことじゃないですか。だからステージにも堂々と立てると思うんですよね。

-6月から開催される全国ツアーも楽しみです。

井出:今回は前回とは違う空間や景色があるんで、前とは違ったライヴになるのかなぁとも思ってます。今までやってなかった曲もやりたいんで、そこはどんな空気になるのかなぁって自分らでも今から楽しみというか。最初と最後のほうでは、また違った表現になってるのかもしれないですよね。全箇所見てもらいたいです。

三宅:昔と変わらず、お客さんを楽しませたいっていうだけですかね。全力で。

四本:前にツアーで各会場に来てくれたお客さんに対して、新しい刺激を与えられたらいいなって思ってます。いい意味の裏切りを、高いレヴェルで見せたいっていうのがあるのと、個人的に楽しみなのはそれをした後に得た刺激で次にどんなアルバムになるのかっていうのも楽しみです。

青木:ライヴって……なんか、不思議よね。今まで自分らがスタジオでやってきて、そういう曲が、人を介すことによって、お客さんのフィルターを通ってまた戻ってくるというか。そこのやり取りがフロアとステージ上で出来て、曲がまた変わったように自分らでも捉えれたり、いろんな発見があると思います。だから僕らは、最高の演奏をするだけですね。